六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

行きは大きな、帰りは小さな列車に乗って

2016-11-01 22:38:01 | Lively~話題&人気の山
藤原岳(1140m/聖宝寺道〜藤原岳〜大貝戸道〜阿下喜) 


台風が接近している。
だが天気予報を確認すると、
午前中一杯は持ちそうだ。
よし速攻、電撃登山と出かけてみるか。

めざすお山は、中部地方は
鈴鹿山脈の1峰である藤原岳。

きっかけは、たまたまインターネットで
見た情報だった。情報は鉄道に関するもので、
藤原岳へのアプローチ手段となる
鉄道には2つの異なるレールの幅が
あるというもの。そのためレールの上を
走る列車のサイズも違うという。

特に鉄道ファンという訳ではないが
登山と列車、そのどっちも面白そう。
“百聞は一見にしかず”と訪れた次第だ。

まずは“大きな”列車に乗る。
といっても、こちらは誰もが
通勤・通学他で利用している
一般的なサイズ。

乗り込んだ車内の風景も、いたって普通。
朝だけあって通学の皆さんで込んでいた。
ただ学校のある途中の下車駅で
全員が下車。ポツンとひとり残された。

終点は「西藤原」駅。現時点では
疑似好天というべきか
空には青い部分もチラホラ。
よし今のうちにと、急いで出発だ。

登りは「裏登山道/聖宝寺道」を歩く。
いつもながら朝はしんどいわなと
息を切らせながら足を進める。

天気は悪いながらも小康状態。
そんなラッキーにも助けられ、
事前にたてたコースタイムより
少々早めに「表登山道/大貝戸道」との
合流点に到着した。



よし、ここまではまずまず。
では引き続き。休憩もそこそこに
先を急ぐ。

高度を上げるにつれ、ガスが立ちこめ
足元以外は、ほとんど見えない。

ほぼピークとなる藤原山荘前では、
視界は限りなくゼロに近い。
おまけに風も強くなってきた。
予定では「展望台」なる場所へ
足を運ぶつもりだったが、
この状態で無理は禁物、長居は無用。
ではまた今度と回れ右、下山することに。

下山コースに選んだ「表登山道」は、
表というだけあり
立派過ぎる程の道が続いている。

五合目まで降りて、ひと休み。
まだ雨は降っていない。



雨が降り出し、あっという間に
雨脚も強くなったのは
麓にある休憩施設に到着後だった。

さて今度は“小さな”電車と、
ご対面だ。乗車するのは朝とは別で、
「阿下喜」の駅。少し離れている。

距離は車なら10分らしいが
手段はいつもながら人力、歩いて移動だ。

歩き出してから1時間強で、
阿下喜の駅に着く。ホームには既に
小さな列車が停車している。
東京を走る地下鉄大江戸線の車両を、
さらにぐっと縮小したイメージで確かに小さい。



発車時間となり、列車は動き出した。
乗客は数える程度。だが途中駅で、
クラブ活動帰りとおぼしき男子生徒の一団が
ドヤドヤと乗り込んで来た。

彼らが対面式の座席に陣取ると、
もう間に立ってつり革につかまるのは
かなり窮屈そうで、その小ぶり感が
一層よくわかる。

乗り馴れている人には、当たり前の
光景だが、初めて見る者にとっては
インパクトがあり、目が釘づけ。

そうこうしているうちに
終点となる「西桑名」の駅だ。

さっさと降りる乗客を尻目に、
しばらくコンパクトさの
余韻にひたっていたら、
行きの大きな列車の時と同様に、
また車内でひとりぼっちになってしまった。

西桑名駅から、少し歩いて「桑名」の駅へ。
ここから再び大きな列車に乗る。

桑名の駅は、あの中原中也が
駅をテーマに詩を残しており、
駅構内には歌碑もある。

せっかくなのでちょっと寄り道。

では帰りましょうか。
乗るべき列車が来るには、
まだ少々時間があった。
そこでホームでぼんやり、
時間をつぶす。

藤原岳の最高点は踏めなかったが
それ以外は、悪天候の行動にしては
まあよしとしますか。それにしても。

さっきの中原中也の詩の一節ではないが、
駅はまだしも、駅の周囲は何だか暗い。

このところ、やれインバウンドだ、
五輪の準備だと、東京が妙に元気な分、
活気のなさが気にかかる。
  

〜2016(平成28)年10月5日(水)
山では風ストロング、ロードでは雨パワフル。
     でもまあ台風だからなとつぶやきつつ歩く〜


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