
試合は終わった。
勝利の女神は
ザ・ミックに微笑んだ。

純須純夫・・・、
ブレード冴羽は
リングの上で
大の字になったまま
天井を見つめていた。
かつて
WWWWWチャンピオン、
ノトーリアスとの
チャンピオンシップの
調印式の席で
当時のGFCチャンピオン、
ユアン・ジェイコブスの
襲撃を受け
K.O.されたときを
髣髴とさせるような
衝撃だった。
ただ1つ、
当時と違ったのは・・・。

純夫はえも言えぬ
充実感を感じていた。
師匠の技を借り
父の技も使った。
奥の手も出した。
全力で戦った。
それでも届かなかった・・・。

ザ・ミックが
スピアーを得意とする
選手であることは
知っていた。
警戒もしていた。
だからこそ
奥の手として
毒霧を残しておいた。
だが・・・
あの動きはなんだ?
得意技を仕掛けようと
全力で走ってくる人間が
わずかな挙動から
こちらの意図を察知し
瞬時に狙いを変える?
そんなことが
人間にできるのか!?
ザ・ミックの戦いは
純夫の理解の
"向こう側"にあった。
若くして大成した
純夫だが
まだまだ井の中の
蛙であったことを悟ると
不思議と笑みが漏れた。
自分は
まだまだ強くなれる。
今よりももっと
"向こう側"へ・・・!

「すごい試合でしたね。
観客も沸いていましたよ」
試合後の純夫に
声を掛けてきたのは
日本で出会った青年だった。
この青年との出会いが
純夫のプロレス観を
大きく変える
きっかけになった。
純夫は青年に感謝した。
「オレは別に何も。
"災難"の"向こう側"へ
辿り着いたのは
他ならぬあなた自身です。
オレもいつかきっと
あなたに追いついて
見せますよ」
青年もまたこの戦いで
大きな刺激を感じた
1人だった。

純須純夫・・・、
ブレード冴羽はまた
進み始める。
暗く長く厳しい茨の道、
チャンピオンロードを・・・。
THE END
★Mr.しもの中の人の裏話★
試合動画だけでなく
拙い文章の方にも
チャレンジさせて
いただいた今回の物語、
いかがでしたでしょうか?
ゲーム本編の方が
陽気な雰囲気の展開が
続きましたので
私の創作ストーリーの方は
あえて"陰"な雰囲気を
意識してみました。
あえて本文の方では
触れませんでしたが
Mr.しもと
純夫の出会いにも
意味を持たせていない
わけではありません。
チャンピオンロードでは
純夫はドンドン
勝ち進むことで
強くなっていきますが
はたしてその過程で
対戦相手やお客さんを
どれだけ意識して
戦っていたのかなと。
かくいう私も
物語を進める為に
ダメージ効率の
良いプレイに
終始してましたからね。
プロレスって
そうじゃないよねと。
Mr.しもって
相手を煽ることで
お客さんや相手の注意を
引こうとするんです。
それは決して
褒められたやり方では
ないんですけど
強さでお客さんを
感動させることが
できない人間には
そういう方法だって
あるんだよ、と。
決して悪意だけでは
ないんです。
カワイイヤツなんですよ、
Mr.しもって・・・(笑)

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