辻村深月
ポプラ社
いじめにより学校へ行けなくなったこころは、

鏡の中の世界へと導かれる。そこには、少女、少年たちがいた。
鏡の中の世界は城で、狼面の少女が仕切っていた。集まったものたちには、鍵探しをしてもらうという。鍵を見つけた者は、願いの部屋の扉を開け願いを叶える権利を獲得するという。
集まったのは7人。みんな学校に行っていなかった(1人だけハワイの学校に行っていた
)。期限つきの鍵探しが始まった。
学校に行けない彼らは、鍵探しよりここでの友達付き合いが楽しくなっていった。
城での時間は穏やかに流れていくが、こころの受けたいじめの真相がどんどんわかっていくのと、母親や担任の教師との関わりが、一層彼女を苦しめていくので、読み手の心もどんどん苦しくなっていきます。主人公と同じ年頃の子が同じ悩みをもって、これを読んだとしたら、結構落ち込むのではないだろうかと思うほどです。しかし500ページもの物語の後半はかなりドキドキしながら、期待を胸に読み進めて行けます。大人も中学生も楽しめる本ですね。
