「罪と罰」 シアターコクーン 2019.01.24 18:30~
三浦春馬くんと大島優子ちゃん主演。
ドストエフスキーの大作の舞台化です。
松田慎也さんも出ます。
ドストエフスキーのこの作品。昔、読んだことがあるはずなんだけど(乱読時代)
内容は覚えてないです・・・
ただ、ロシアの話って、人物の名前がごっちゃになってくるのと、
時代背景や、宗教的色合いもあって、なかなか頭に入ってこないのが難点なのです。
そして3時間半を超える大作に仕上がっていたこの作品。
キャストの熱演で、あっという間でした。
コクーンの座席はアミュモバでゲットしたのにも関わらず、BLでした。
でも、1階だし、程よく舞台との距離もあって、意外に見やすかったです。
話のあらすじは・・・
「舞台は、帝政ロシアの首都、夏のサンクトペテルブルク。
頭脳明晰な貧乏青年ラスコリニコフ(三浦春馬)は自分が「特別な人間」として、 「人類が救われ、その行為が必要ならば、法を犯す権利がある」という独自の理論を持っていた。
そして強欲で狡猾な質屋の老婆を殺害し、奪った金で世の中のために善行をしようと企てている。 そんな中、酒場で出会った酔っぱらいの退職官吏、その後妻カテリーナ(麻実れい)ら貧乏な家族を見ると質入れで得たお金をすべて渡してしまうのであった。 ついに殺害を決行するが偶然居合わせた老婆の妹まで手にかけてしまい、罪の意識、幻覚、自白の衝動に苦しむことになる。 そうして意識を失い数日間も寝込んだ彼を親友ラズミーヒン(松田慎也)が見守り、 結婚のため上京してきた妹ドゥーニャ(南沢奈央)と母プリヘーリヤ(立石涼子)も心配をする。 一方、老婆殺人事件を追う国家捜査官ポルフィーリ(勝村政信)はラスコリニコフを疑い心理的に追い詰めていき、 さらに謎の男スヴィドリガイロフ(山路和弘)の登場に翻弄されていく。
そして退職官吏の娘・娼婦ソーニャ(大島優子)の家族のためへの自己犠牲の生き方に心をうたれた彼は...
数々の普遍的なテーマに触れながら、 人間回復への強烈な願望を訴えたヒューマニズム大作!」
(公式より)
各キャストが膨大なセリフ量にもかかわらず、よどみなく、また感情の入った
熱演で、引き込まれるように見ていました。
主人公のラスコリニコフの「人類が救われ、その行為が必要ならば、法を犯す権利がある」という考えは
日本でいうなら、ネズミ小僧という感じでしょうかね。
ただ、悪徳金貸しの老婆だけを殺害したならともかく、たまたま居合わせた老婆の妹まで殺してしまった
ことから、人生が変わってしまいます。
確かに、妹殺しは、必要な行為ではありませんよね。
そのためか?精神の状態がおかしくなって、何かあると、バタっと倒れてしまう(意識を失う?)
ソーニャの優しさが救いでしたね。
彼女とかかわることで、罪の意識を克服し、ソーニャに自分の犯した罪を告白して
罰を受ける覚悟を決めるわけだけど・・・
ラスコリニコフの気持ちを変化させた、ソーニャの純粋な心がきれいでした。
キリスト教の影響が随所に出てくる芝居なので、その辺の宗教的な知識を持ち合わせない私は
ちょっと理解しがたい感覚もありました。
なので、難しいという感じを受けました。
そういう意味では、もう一度原作を読んでから、舞台を見たほうがより理解が深まったのかも・・・
キャストの感想です。
ラスコリニコフの三浦春馬くん
久々に春馬くんの芝居を観ましたが、舞台役者としての貫禄が十分に出てました。
すごいな~ベテランの域に達してきたかも。
畳みかけるようなセリフもすごいし、何度となく倒れるなど、体を張っていて、
見ている側に緊迫感を与えてくれました。
さらに、この芝居、袖にはけるということがあまりないので、3時間半、出ずっぱりな
状態で、強靭な体力にも脱帽でした。
意識を失って倒れてしまったあとの、狂気の中にいる芝居がすさまじかったです。
ソーニャの大島優子ちゃん
大島優子ちゃんは小さくて華奢感じがあるので、神に祈る姿が
とても合ってました。健気な感じがよく出てた。
でも、芯が強いんだよね。この子は。
ラストシーンがすごく素敵でした。
ポルフィーリの勝村さん
勝村さんも長台詞だったですよね。
でも、すごく安心して見てました。
チョコチョコとアドリブも入れてたのかなあ・・・
少しずつラスコリニコフを追い詰めていく演技は圧巻だと思いました。
ラズミーヒンの松田くん
彼の存在が重い雰囲気の舞台に明るさをもたらしてくれてたなって思いました。
単純だけど、世話焼きでいい男。
松田くんのビジュアルとよくあってました。
ラスコリニコフを膝枕する姿が微笑ましかった。
舞台は全体的に暗いイメージ。このころの時代の貧しく厳しい感じをよく
あらわしていました。
ただ、演じているキャスト以外のキャストも、みんな舞台上にいて、
群衆であったり、バックのセットに溶け込んだりしていて、雑然とした雰囲気を
出していたと思います。
特に、ものを投げたりとか、いすなどを倒したりとかで、騒々しさをだしたり、
きっとロシアのこの時代の町はこういう感じだったんでしょうね。
あと、アンサンブルの方も、キャストと同じように舞台上にいて、
生演奏されてました。
私は昔クラリネットをやっていたので、クラリネットの方がいらしたことが嬉しかったりして。
アコーディオンとチェロとクラリネットという構成でしたよ。
なかなか重い芝居ではありましたが、キャストの熱演に圧倒されました。