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繋がることと、通い合うこと、-『ソーシャルネットワーク』

2011-04-16 22:18:00 | 映画
「フェイスブック」と言う言葉を聞いても、最近までは全くわからなかった。実名を載せたネットでのお付き合いをすると聞いて、とてもそんな勇気は無いと、ミクシイどまりでいる。「ソーシャルネットワーク」ネット上でのお付き合い。その中には、本当に真実だけが存在するのか、臆病な自分は考えてしまう。

 「フェイスブック」の創始者が主役ということと、早口でまくし立てる?!と言う情報だけ入れて、相方と劇場へ『ソーシャルネットワーク』を見に出かけた。観客は思ったよりも席を埋めていて、臭夏と言う事もあり、若いアベックや若者場ほとんどで、中高年の二人組みが、2、3組?!つまり若者向けの作品と言う事か・・・??

 以下はあらすじで、ネタバレとなるので、要注意!

 いきなりデートでまくし立てる主人公登場。彼女と二人なのに、あまりに一方的な会話で、彼女が怒るのも無理は無い。彼女の為の演出など全く頭に無い彼は、見事に彼女に振られたその夜、彼は女子学生の写真を二人ずつ並べてランク付けする、女子には最悪のサイトを作る。情報は、大学の寮の資料をハッキングしたもの。あっという間に、アクセスが増え(もちろん男子生徒がアクセス!)一気に話題の的になった。身近な女性のプライバシーを暴露したサイトに皆が夢中になったのを知って、彼は、あるサイト開設を頼まれたのをヒントに、「フェイスブック」と言う、後にあっという間に莫大なメンバーが登録することになるサイトの制作を始る。

 ネットに登録し、身近にいてもよく知らずにいた人と知り合えたり、行った事も無いような場所の、見ず知らずの人とも、ネット上で繋がる事が出来るサイト。そのサイトを作るのは、決して彼一人の力だけでは出来なかった。資金を借りた友人(彼は、初め、創設者として名前を連ねていた)、元になるネットワークサービスの話を持ちかけアイデアを提供した学生など、コンピューターオタクの彼の周りにいた、それぞれの分野に長けた学生達がいた。

 サイトが話題になり、大金が動き始め、周りに寄ってくる人物にも変化が・・・そして彼自体も変わってゆく。創始者の友人から、アイデアを持ちかけた学生からと、次々に訴えられ裁判の席に着く彼、だが全く人事のように、訴えを聞く彼の表情は冷徹で感情を持たない人間のよう。

 彼一人では作り出せなかった、サイト。今や全世界の人々が、知り、会員名簿に名前を連ねスポンサーも増え、巨大な組織となり、彼はその頂点に立つ一人となった。その恩義を彼はどのくらい感じているのか、自分の才能・力を疑わない彼にとって、被告も原告も、意味が無い?!

 そんな彼にとって、今の一番の問題、今の切なる望みとは・・・・
パソコンの画面を見つめて、何度もアクセス更新のボタンを押し続ける彼。目の前に映っているのは、ふられた彼女のフェイスブックの画面。彼女の写真を見つめながら、彼は無言でキーボードを押し続ける・・・。


 
 彼の本当の望みは、どこにあるのか?彼は何をしたかったのか?ただ自分の能力を見せびらかしたかったのか?コンピューターを操る人間、資金提供を取り付ける人間、アイデアを考える人間と、それぞれが、自分の得意分野で、軽いノリで動き出すと、世界の人々が注目するサイトが出来上がる。人々が繋がり、各地で彼の知らないところで、新たな出会いがあり、つながりが出来て、動きだす。それは彼の想像の範囲を超えてどんどん広がり続ける。その勢いはネットの中では、すざまじい。24時間寝ることも休むこともなく、世界規模で動き続けるのだから。

 でも、彼が本当に欲しいかったものは・・・・。ラストシーン、彼の願いは、すぐ側にいる彼女とのつながり。一人の人間と、心通わせ付き合う事が、彼に出来るのか・・・それはわからない。彼の切なる願い憧れは、彼女とのふれあいだと、彼女の写真をじっと無表情で見つめキーボードを押す彼の瞳が、つぶやいていた。

 何時も一緒にいても、人間同士、心を通わせる事は、とてもとても難しい。複雑な思いを胸に秘めた人間と言う生き物。コンピューターとは全く違う生き物。それでも人は、一人ではどうしようもなく寂しすぎるから、傷付きながらも心通い合う相手を探し求め、ふれあうことに憧れを抱く。すぐそこにいるのに、何でも判っているようなのに、何も判らない。それが、人間と言うものなのだと思う。だから思いやってみたり、訴えてみたり、ネットを使ったりして、人はじたばたあがく。

 どんな時代でも、変わらない大切なもの、必要なものがあると、感じながら劇場を後にした。気がつけば、ネット世代の青春物語。友情・裏切り・成功・挫折が描かれた何度も見てきた典型的な青春ストーリーの一つ、現代版だ。ちなみに、本物の「フェイスブック」の創設者をネットで見たが、映画のそれとは違う空気が感じられた。あくまでも青春物フィクションでもある。 
 
コメント
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