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goo試写会「歓喜の歌」

2007年12月26日 | 映画
作品公式サイト
日本教育会館一ツ橋ホールで行われた試写に当たったので観に行く。
ここ数年、試写以外でほとんど映画を見ていない(笑)。この会場は以前「サイキック青年団」
イベントで来て以来だ。

ペヤング志の輔の落語が原作。文化会館の役人のミスでダブルブッキングしてしまった
二つのママさんコーラスグループの年末コンサート。それぞれが「やらねばならぬ」理由を持ち、
無気力・いい加減な役人の主人公、小林薫が「どうにかする」までの話。きっとああなるだろう、
と思ったとおりのまとまり方をするので、終始安心して見ていられる。

小林はダメダメ役人だが、それをうまくサポートする若手にチビノリダー。
片方のコーラスのリーダー(指揮者)に安田成美。「ナウシカ」で歌唱力は知られているので、
あえて歌わない役にしたのではなかろうか(笑)。もう片方のリーダー(もちろん歌う)に由紀さおり。
ドリフ大爆笑などでのちょっと取り澄ましたようなキャラ。由紀さおりの姉もコーラスシーンに出ていた。
安田の側が労働者系、由紀の側はおハイソ系。…となると、普通は安田側が善で由紀側が悪、みたいに
描かれがちだが、特にそうしないのが良かった。
コンサートまでの話を中心にしつつ、ロシアンパブでのツケを抱えた小林が返済を迫られ、それをどうするか、
妻役の浅田美代子との離婚危機をどうするか、他コーラスグループメンバーのそれぞれが抱える事情が
絡んできて、あっという間に「大団円」という言葉がぴったりのエンディングを迎えていた。
ジャンルでいえば「ハートウォーミングなコメディ」の典型例。「Shall we ダンス?」が
好きな人なら間違いなく楽しめると思う(こちらのほうがほろ苦度は低く、役所広司に比べて
小林薫のほうがキャラの陰湿度・嫌なヤツ度が高い)。藤田弓子や根岸季衣、片桐はいりが
存在感を出している。ただちょっと演出がマンガチック過ぎかなと感じた。メイン級の次くらいの
ランクのキャラが、「コーラスをやらなければならない理由」をダーッとセリフで説明してしまうのだが、
これがちょっと直接的過ぎるのと、張られた伏線はことごとく回収されるのだけれど、
もう少しさりげなく、後で思い返したときに「ああ、あれはああいうことだったのか」という程度の
ほのかさでも良かったのではなかろうか。
ただ、「そういうのを求めていないときにも漂う邦画特有の湿っぽさ・ドロドロ感」が
皆無なのはたいへんよろしいし、それがこの映画最大の魅力だと思う。