PASSPO☆東名阪ツアーファイナル(恵比寿LIQUID ROOM18:30~)。ソールドアウト。
19+1+1で全21曲。
予告されていた「良い重大発表」=5/10代々木公園野外音楽堂でフリーライブ、
5/28原宿アストロホールで、初のバンドPASSPO☆でのライブ。
平日早めのスタートなのにソールドアウト。正直驚いた。
開演前の場内には、PASSPO☆が出るFMふう疑似ラジオが流れる。CMもそれっぽい。
番組内のチャートコーナーには、ジャスティン・ビーバーやアデルやテイラー・スウィフト、
そしてぷちぱすぽ☆がランクイン。
ランクインが告げられた瞬間、ぷちぱすぽ☆が登場して1曲披露。意表を突かれた。
「実在する有名どころに混じり、mio of DEATHやDEEN FUJIMOTOといった架空の
アーティストがリアルなジャケ写でしれっとランクイン」していた(笑)。
この、「無駄に細かく丁寧な作り込み」こそがPASSPO☆の真骨頂だと感じた(笑)。
疑似チャート番組の1位を告げるところで新しいSEが流れ、PASSPO☆登場。
SEはちょくちょく変わるが、基本が統一されているので「慣れるまでの違和感」はさほどない。
ツアーファイナルのセットリスト。
※アンコールが少女飛行とウェンズデー、ダブルアンコール(最後の最後)がレリゴー、だな。
つまりこの表はミス。
序盤は「アメリカンガールズロックとはなんたるか」路線、
ちょっとなつかし振り返りをユニットやソロでやりつつ、
グループの背骨に当たる曲→高まりコーナー→これにて一件落着→これがあってこそ→
そして今の私たち→ホントにこれが始まりだった曲=復活再生、な構成。
SEを除き本編18+アンコール1+Wアンコール2で全21曲。
かなりのボリュームだったが盛りすぎ・濃すぎで胸やけがする感じはなく悲壮感もなく、
けれどドライでもなく、終始DIY精神チックで自然な楽しさに満ちていた。
要は「これだよこれがPASSPO☆だよ」である。
初めて作られたPASSPO☆の自己紹介曲「7’s Up」は、
R&Rのドライブ感とミュージカルの融合な感じ。
アイドル自己紹介ソングにありがちなトホホ系な曲では全然なかった(笑)。
玉井岩村コンビの「君色のサンバ」は、そういう描写もあるのに百合感ゼロ(笑)。
安斉藤本の2人のギターと増井ベースの演奏による「Pock☆Star」、準アルフィー編成。
みんなうまくなっとる。
前半で最もグッときたのは、「無題」→「『I』」の流れ。
森ソロから斉唱になる「無題」、そして槙田象徴ソング「『I』」を彼女以外でものにしたところだった。
その後ステージ後方に掲げられた、ツアーを象徴するイラストのバックドロップ(垂れ幕)に
描かれた女の人の名前を決めようというコーナー。
決まった名前は「ロエナ」(根岸母の名前)であった(笑)。
「マテガ」~「STEP&GO」の流れが、最も標準的なPASSPO☆という感じ。
フロアにも、一番安心して身を任せている雰囲気があった。
本編ラストは、ビッグマッチというか節目でしか出さないイメージのある「TRACKS」だった。
そしてアンコール。最初に耳にしたときは正直印象が弱いと感じたものの、
年月と場数を重ねて着実に育った曲「少女飛行」。
シンガロングでは脳裏に走馬燈がかけめぐり目頭が熱くなる。
この後に「重大発表」。悪いことではないと告知されていたので、楽しみしかない。
重大発表、それが「5/10代々木公園野外音楽堂でのフリーフライト(ライブ)」と、
「5/28原宿アストロホールにて全編バンドPASSPO☆によるフライト」。
前者だけなら予想からそう離れない感じだが、後者は予想を上回る嬉しいサプライズ。
ステージ上の安斉奈緒美さんがグループを代表してビジョンを語った。
「私たちは武道館がゴールだと思っていない。アリーナ、スタジアムにも立ちたい。
その第一歩としての~」この二つだそうだ。
今回はMCをメインにするクルー以外も語る場面が多く、力強かった。
ふだんならビジョンは根岸愛さんが語りそうな気がするが、
彼女に集中していたステージ上の役割が、いい塩梅で他のクルーにも
割り振られている印象を受けた。
全員、以前より底上げされていたけれど、存在感では増井みおみお、
ボーカルでは玉井杏奈さんの成長を感じた。
アイドルちゃんがこういう位置づけのライブで時々しがちな、
「物語っぽくするぞ!させるぞ!」(こういうことは人為的にやることではないと思う)な
感じが終始なかったのが何より良かった。PASSPO☆よ正しく有名になってほしい!
PASSPO☆より売れているアイドルは多いが、
「自立した共同体」感があるところは少ないので、他からしたら羨ましいかも知れない。
自分たちで決めた出し物・発表を、大人の声も入れ趣向を凝らし本格的にやろうという、
「ずっと続く文化祭前夜」感をおぼえるのだ。