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障がいとは何か・・・

2019年04月10日 | 社会・経済

「アスペルガーは才能」ノーベル平和賞ノミネートされた発達障害の少女が投げかける。障がいとは何かを

地球温暖化対策を訴えて起こした「スクールストライキ」が、世界なムーブメントを起こしているグレタ・トゥンベリさん。アスペルガー症候群であることを公表している彼女は、「アスペルガーであることは才能です」と話す。

ハフポス2019年04月10日

 

アスペルガーでなかったら、こうして立ち上がることは決してなかったでしょうーー。

発達障害の1つであるアスペルガー症候群の少女が、地球温暖化を食い止めるためにひとり立ち上がり、全世界を巻き込むムーブメントを起こしている。彼女が動かしているのは、温暖化問題への人々の関心や行動だけではない。その強い意思と行動力は、「障がいとは何なのか」という問いを全世界に投げかけている。

彼女は、スウェーデン出身のグレタ・トゥンベリさん(16歳)。地球温暖化対策を訴える行動が評価され、2018年3月にはノーベル平和賞にノミネートもされた。

彼女の呼びかけはシンプルだ。

「地球温暖化が私たちの生存を脅かす重大な問題ならば、どうして私たちは行動しないのでしょう」

BBCによると、始まりはスウェーデンで総選挙が迫っていた2018年8月。グレタさんは、「気候のためのスクールストライキ」というプラカードを掲げて、ストックホルムの国会議事堂の前で座り込んだ。ストライキは総選挙までの2週間、毎日続いた。その後も、毎週金曜日には学校を休んで、座り込みを続けている。彼女の行動はまたたく間に世界中に広がり、地球温暖化対策を求める大規模な抗議運動へと発展した。「#FridayForFuture 」というハッシュタグと共に、欧米を中心に多くの若者が運動に参加し、その様子をSNSで発信している。グレタさんは12月には、ポーランドで開かれた会議COP24(通称:国連気候会議)、2019年1月にはダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で演説した。

グレタさんは、アスペルガー症候群と強迫性障害、選択的無言症であることを公表してる。Twitterのプロフィールは「16歳のアスペルガーの環境活動家」だ。アスペルガー症候群とは、知的障害を伴わない自閉症のこと。東京都自閉症協会によると、対人コミュニケーションが苦手、興味の対象が限定的、などが主な症状だという。

 しかし、グレタさんは言う。「アスペルガーは病気ではなく、1つの才能。アスペルガーでなかったら、こうして立ち上がることはなかったでしょう」と。(本人Facebook 2/2の投稿より)

アスペルガーだからこそ、人とは違った視点で世界が見れるのです。もし私がアスペルガーでなかったら、そんな風に世界を『外側から』見れなかったでしょう        スウェーデンのTVトークショー「Skavlan」より

 私のようなアスペルガーの人間にとっては、ほとんど全てのことが白 黒どちらかなのです。私たちは嘘をつくのがあまり上手ではありません

(中略)

私にとってこれ(地球温暖化)は白か黒かの問題です。生き残りの問題となればグレーな部分はありません      

Greta Thunberg TEDより

「正直すぎること」もアスペルガー症候群の特徴の1つだ。これは、コミュニケーションにおいては「空気が読めない」という欠点になるが、「社会のルールや常識にとらわれず、思ったことをはっきり言える」という利点にもなり得る。グレダさんの「温暖化はこれほど深刻な問題なのに、なぜ私たちは行動を起こさないの」というまっすぐな問いかけは、「正直で」「白黒つけないと気が済まない」というアスペルガー症候群の彼女の個性からきているのかもしれない。

一方で、グレタさんは障がい者としての生きづらさも語っている。

(アスペルガーなどの)自閉症であることは、学校や職場、そしていじめとの終わりなき闘いです
本人Facebook 4/2の投稿より)

それでも、

正しい環境下で、正しく適応すれば、(自閉症であることは)スーパーパワーとなり得るのです

                       (本人Facebook 4/2の投稿より)

とも。

実は著名人にも、発達障害を公表している人は多い。世界的な映画監督スティーブン・スピルバーグは失読症を、経済評論家の勝間和代さんや女優の黒柳徹子さんも、ADHD(注意欠陥・多動症)であることを公表している。

障がいは、「ネガティブ」ではない。むしろ、「世界を動かすほどのパワーをも秘めている」、そんな事実をグレタさん自身が証明している。

「アスペルガーは才能」

「アスペルガーであることは私の誇りです」(本人Twitter 4/2の投稿より)

彼女の存在によって、世界の「障がい」の受け止め方がひとつ変わるかもしれない。

Carsten Koall via Getty Images「気候のためのスクールストライキ」と書かれたプラカードを掲げるグレタ・トゥンベリさん
 

 

統一地方選前半が終わり、41道府県議選は過去最低の44・02%というありさま。

選挙に参加する意味を多くの人が感じられていないことの表れではないでしょうか。

「何をしてもどうせ…」「日々が忙しくて政治のことまで」という気持ちがますます強くなっていることの現れでしょう。

でも、私たちの暮らしを変えるのは私たち。その実感を得られる政治にしていくためにも、1票を投じなければと思うのです。