小林氏「喫緊の課題」■石破氏 持論を封印■林氏「任期中に発議」■河野氏「早く発議へ」■小泉氏「国民投票を」■茂木氏「実現早期に」
「しんぶん赤旗」2024年9月5日
自民党が総裁選を前に、9条改憲をあおる動きを強めています。同党は2日、憲法改正実現本部を開き、自衛隊明記に向けた改憲の論点整理を了承。総裁選の各候補が改憲に前のめりの発言を繰り返しています。
論点整理は岸田文雄首相の指示によるもの。現行の9条を維持した上で「9条の2」を新設して自衛隊を追記する案を軸として改憲発議を目指すとしています。
岸田首相は2日の同本部会合で「新総裁にも引き継ぐ申し送りをし、さらなる議論につなげていく」と述べ、早期の改憲発議への道筋に縛りをかける構え。総裁選は、岸田首相の思惑に乗る形で9条改憲の大合唱となりつつあります。
総裁選に立候補を表明している小林鷹之前経済安全保障担当相は、緊急事態条項新設と9条への自衛隊明記は「喫緊の課題」だとして「早期の発議に向けて最大限の熱量をもって取り組む」と表明。小林氏は、憲法改正実現本部ワーキングチームの事務局長代行も務めています。
同じく総裁選に立候補を表明している石破茂元幹事長は自著でも「国の自衛権を体現する実力組織は国際的に『軍』です」と述べ、戦力不保持を定めた9条2項の削除を主張していました。しかし、2日の同本部の会合後には「今回決まった以上、議論を振り出しからしてもしょうがない」などと述べ、持論にこだわらない考えも示しています。
3日に出馬表明した林芳正官房長官は「発議を任期中に行いたい」と表明。河野太郎デジタル相も8月26日の出馬会見で「なるべく早く発議へ持っていきたい」としています。
このほか、総裁選に立候補の意向を示している議員もみな改憲に前のめりです。小泉進次郎元環境相は「憲法改正、そのためには国民投票が不可欠で、一日も早く実施したい。国防、防衛力の強化、予算の増額、これは大賛成」などと述べています。
茂木敏充幹事長も「新しい時代にふさわしい憲法のあり方について、できるだけ早期に国民の皆さまに選択肢を提示し、憲法改正を実現すべき」(2023年1月の衆院本会議代表質問)と発言しています。
自民党は、安倍政権のもとで14年に集団的自衛権の行使容認を閣議決定した後、安保法制=戦争法を数の力で強行。岸田政権は敵基地攻撃能力保有、軍事費2倍化など、「戦争する国」づくりを次々と具体化させてきました。
その結果、戦力不保持を定めた9条と自衛隊との矛盾は極限に達しています。改憲勢力は、国会発議に必要な3分の2以上の議席を衆参で確保している間に、数の力で改憲を押し切ろうと躍起です。憲法改正実現本部が打ち出した9条改憲は、「戦争する国」づくりへの“総仕上げ”として持ち出されています。
総裁選を通じて、改憲キャンペーンを張り、改憲発議へのレールを規定路線とする危険な動きには、警鐘を鳴らす必要があります。(佐藤高志)
憲法を守らなければならない人が憲法を無視し変えようとしているのですから、そもそもが憲法違反です。
いま国民が求めていることは「裏金」政治の一掃、賃上げ、国民負担率の軽減(消費税の見直し)、お米です。
自公政権継続ではなく、政権交代です。
お引き取りください。