原水爆禁止2023年世界大会・長崎決議
「しんぶん赤旗」2023年8月9日
8日の原水爆禁止2023年世界大会・ナガサキデー集会(閉会総会)で採択された決議「長崎からのよびかけ」は次の通りです。
私たちは失敗した核抑止政策に逆戻りはしません。私たちは人間にとって必要のない核兵器に資金を提供することに逆戻りしません。私たちは取り返しのつかない環境汚染に逆戻りしません。私たちは未来を生きる世代の命を危険にさらし続けることはしません。世界中の指導者のみなさん、私はあなたに懇願します。あなたがこの惑星を愛しているなら、この条約に署名してください。核兵器はこれまでずっと道徳に反するものでした。そして今では法律にも反するものです。一緒に世界を変えて行きましょう。
――核兵器禁止条約採択 を受けた節子サーローさ んの演説より
米国による長崎への原爆投下から78年―。世界は、ロシアのウクライナ侵略がつづくなか、核兵器使用が現実化しかねない危険な情勢に直面しています。被爆地・長崎に集った私たちは、被爆者とともに訴えます。核兵器は、いかなる状況においても決して使用されてはなりません。
すべての核兵器は、一刻も早く完全に廃絶されなければなりません。私たちは、原水爆禁止2023年世界大会「国際会議宣言」を支持し、ただちに行動に立ち上がるようよびかけます。
核兵器の使用とその威嚇は、紛争の平和的解決を定めた国連憲章を踏みにじるものであり、いかなる状況においても決して許すことはできません。ロシアは核による威嚇を直ちにやめるべきです。G7広島サミットは「核抑止力」論を公然と主張して、被爆者の心を逆撫でしました。NATO首脳会議が核兵器への固執を再確認したことも決して許せません。軍事対軍事、核対核の悪循環は事態を一層悪化させるだけです。
ロシアがウクライナ侵略を直ちにやめ、撤退することを強く求めましょう。軍事ブロックによる世界の分断を許さず、国連憲章擁護の立場で結束し、国連総会決議に基づく解決をめざしましょう。ロシアのウクライナ侵略を口実に、核大国が核不拡散条約(NPT)の核軍縮交渉義務やこれまでの合意の履行に背を向けるのを許してはなりません。日本政府が唯一の戦争被爆国として、こうした義務や合意の履行のために行動するよう強く求めましょう。
核兵器禁止条約は、第1回締約国会議で「ウィーン宣言」を採択するとともに、核兵器使用と核実験の被害者支援を含む「行動計画」を策定し、国際法として機能し始めています。この条約を力に、草の根の運動と市民社会、諸国政府の共同を大きく発展させ、今日の危機をのりこえていかなければなりません。
すべての国の政府に対し核兵器禁止条約への支持と参加を求めましょう。第78回国連総会、核兵器禁止条約第2回締約国会議(11月27日~ニューヨーク)、第11回NPT再検討会議(2026年)の準備委員会を節目に、諸国政府と市民社会、草の根の運動の共同を発展させましょう。日本政府が、第2回締約国会議に少なくともオブザーバー参加して、開始された被害者支援への国際協力に加わるよう求めましょう。
被爆の実相をひろめ、核兵器の非人道性を告発しましょう。すべての地域で「原爆展」や被爆体験を語る集いにとりくみましょう。原爆症認定制度の抜本的改善と原爆被害への国家補償の実現めざし、被爆者援護・連帯の活動を強めましょう。広島・長崎の「黒い雨」の被害者に対する国による全面救済を実現しましょう。日本と韓国の被爆者と世界の核被害者の活動を支援しましょう。
G7広島サミットが「核抑止力」を公然と主張したことへの議長国・日本の責任は重大です。岸田政権は、アメリカの「核の傘」への依存を一層深め、「抑止力」強化を口実に、憲法違反の大軍拡や「敵基地攻撃能力」の保有、沖縄など南西諸島の軍事化など日米軍事同盟のもとでの「戦争する国」づくりへと暴走しています。これはアジア・太平洋地域の平和と安全を脅かすものにほかなりません。
9条改憲の企てを阻止しましょう。「敵基地攻撃能力」の保有、軍事費倍増など、大軍拡に反対しましょう。戦争法を廃止しましょう。「オール沖縄」のたたかいに連帯し、辺野古新基地建設の断念、普天間基地の即時返還を求めましょう。朝鮮半島の非核化と東アジアの平和構築のため、憲法を活かした外交を求めましょう。日本政府が「核抑止力」論から脱却し、核兵器禁止条約に署名・批准することを強く求めましょう。条約への署名・批准を求める署名運動や自治体意見書の運動をいっそう発展させましょう。日米核密約の破棄、非核三原則の厳守・法制化を求めましょう。
福島第一原発事故の「ALPS処理水」(汚染水)の海洋放出に反対し、原発ゼロ、気候危機の打開、貧困と格差の克服、軍事費削減とくらし・福祉・教育の拡充、ジェンダー平等、LGBTの権利拡大を求める運動など、人間らしく生きたいと願うすべての人びとと手を携え、人間の尊厳のための壮大な共同をつくり出しましょう。
被爆者とともに、若い世代とともに、未来を切りひらいていきましょう。
ノーモア・ヒロシマ ノーモア・ナガサキ ノーモア・ヒバクシャ ノーモア・ウォー 長崎を最後の被爆地に!(原文のまま)
昼からの雨予報も逃げてしまった。
雨も少ない、日照も少ない。
畑にはとんでもない天気だった。
間に合ううちに、地球を助ける動きを起こしてほしいです!