吃飯了没有?

元中国深セン駐在員のブログ~中国・中国芸能情報・各方面の旅行日記、日本の街歩き情報を配信します。

邱永漢著「食は広州に在り」

2009-05-29 23:51:14 | 本・雑誌関連
中国華南地区にお住まいの方で、少しでも食に興味があって本がお好きな方でしたらこの本をお読みになられていることでしょう。その本は「食は広州に在り」。「食は広州に在り」と言われるように中国料理の代表格・広東料理にまつわる数々のエピソードを食通の著者がウンチクを傾けて書いた傑作エッセイ集ですが、書かれたのが50年も前というのが不思議なくらい、古さを感じさせない内容となっています。

食への洞察、軽妙なユーモアを確かな文章力が支えていて、巷の食物エッセイとは一線を画します。それもそのはず、台湾で生まれ、東大を卒業し、その後亡命に近い形で香港に居を構え、文筆活動を始めるため東京に移住する中で、望郷の念を感じつつ、日々の生活の情景描写の中に著者の食へのこだわりがにじみ出てきているからです。面白いエッセイが多く、非常に参考になる1冊です。

粽の話、魚の話、酒の話、冬瓜の話、マカオ名物塩漬け魚(ハムイ)の話、豆腐の話、お粥の話等々・・・、面白い話ばかりですので食にこだわりのある方は是非一度はお読みになってみてください。

尚、彼はようやく食エッセイの新作「口奢りて久し」を昨年単行本で出しました。今それを読んでいますが、これもまた面白い内容です。

ちまき(粽子)

2009-05-29 23:16:07 | 食関連
ときどき
昨日紹介したちまき(粽子)ですが、ちまき1つとっても中国は広いですので色々あるようです。昨日の深センの「一時間」という情報番組で、「中国人は粽子や餃子を作る方法を習うべきか?」という討論がなされていました。中国の伝統的な食事である粽子や餃子の作り方を知らない人が増えてきたということなのでしょう。

邱永漢著「食は広州に在り」の中に粽子を紹介した章がありますが、日本のちまきは甘いのが普通で塩味のちまきは逆に変り種になってしまうと書かれていました。

一方、著者の故郷である台湾では菜粽と肉粽の2種類があって、菜粽の方は生の南京豆を糯米を混ぜて竹の皮で包み、肉粽は糯米の他に豚肉や海老や椎茸などを一度しょうゆで炒めてから入れるようです。

ところが広州の粽はまず形が違って、竹の皮ではなく葉っぱを利用し、真ん中に米や具を入れて両側をたたみ、ついで縁を折って細長い形に縛り上げるのだとか。中身も南京豆の代わりに緑豆を用い、豚肉の他に鶏肉や栗、蓮の実を入れるようです。無視時間も違うようで、ところによって料理法も様々なのでしょう。

粽の由来は、楚の忠臣屈原が石を抱いて河の流れに身を沈めた思いを察し、その土地の人々が高潔な屈原の死を悼み、河中の魚が死体を食べないようにとの願いで竹の葉に飯を包んで水中に投じたことに起源しています。賽龍船も彼の死を弔うための行事なんですよね。