盗人宿

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大谷翔平とベーブ・ルース

2018-08-08 12:11:29 | にゃんころ
きょうも本塁打を打ったようで、大谷のいわゆる二刀流は「100 年前のルースの再来」と向こうでもずいぶん騒がれております。

確かに彼は凄い。投げても打っても凄い。
しかしルースと比較するのは、あまりに時期尚早でしょう。

DH のなかった時代、ルースは 1916 年に 41 試合に先発し、23 勝 12 敗という成績を残しています。
しかも 67 試合に野手として出場し守備につき、打席にも立っています。
41 先発といえば、ほぼ中3日で先発した計算になります。

一方、大谷はどうでしょう。
1週間で登板は1回(中6日)、1日は完全オフ、残りは守備なしの DH。
いまは肘の怪我で投げていませんから DH のみ。
おかげで本来 DH に置きたいプーホールズに1塁を守らせねばなりません。

ちなみにいま現役で 3,000 安打を超えているのは、ベルトレ、イチロー(来年はまた打つといってるので引退はしていない)、そしてプーホールズの3人だけです。
もう今年は優勝もプレーオフも狙えない成績なんだから、プーホールズを DH に置いて個人成績を大事にしてあげるべきなんじゃないでしょうかねえ。

確かにエンゼルスも、大谷を客寄せパンダにしたい思惑も理解できます。
しかし、一般的に投手登録は 11 人。先発5人、ブルペン6人です(例外もあります)。
先発5人ということは、中4日で投げるわけですね。
ここに中6日をひとり入れると、ブルペンをひとり先発兼任にしたり、野手をひとり減らして先発を増やさなくてはなりません。

大谷ひとりのために、チーム全体にそこまで負担を強いるのは、賢い選択でしょうか。

ルースも最初は投手で、二刀流だったのはほんの数年。
キャリアの後半は完全に打者でした。
その「数年」に大谷が比肩するとしたら、

・シーズンを通じて中4日で投げる
・15 勝以上
・100 試合以上野手として出場
・20 本塁打以上、3割以上

これを最低3年間続けたら、私は大谷をルースと同列に評価します。
投手としても打者としても中途半端なら、二刀流なんかやる意味はありません。

別に大谷が嫌いだとか、アンチということではありません。
やるならどちらも突出してくれ、それができないならどちらかに専念してくれ、という思いです。

今年のエンゼルスは、先発もプルペンもぼろぼろです。
来季は大きな手術が必要です。
大谷と天秤にかけねばならない日が、必ずやってくるでしょう。