盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

本来であれば

2018-08-23 20:31:37 | にゃんころ
数ページの書類を十数種類、今週中に書いて提出するはずでしたが、その大部分の締め切りが再来週以降に変更になったので、そっちの方が五月雨になってしまいました。

そこで以前にも少し触れましたが、MLB・エンゼルスの(というより去年までファイターズにいた)大谷の事を、もう少し掘り下げて考えてみましょう。

私は大谷は投手としても打者としても、MLB で充分に通用すると評価しています。
そして日本のプロになった時から一貫して「二刀流」に反対してきました。

栗山監督やマスコミは盛んに「ベーブ・ルース以来 100 年ぶりの快挙」と持て囃したがります。
しかしルースは「最初は優秀な投手で、途中から優秀な打者になった選手」であって、投手としても打者としても凄かったのはほんの1年か2年です。
「ない」といってもよいでしょう。

たとえば 1917 年の成績を見てみます。

  38先発 35完投 24勝18敗 野手出場52試合142打席 本塁打2 打率.325

投手としてはものすごい成績ですが、野手としては規定打席にまったく足りません。
では次に、1920年の成績を。

  1先発 0完投 1勝0敗 野手出場142試合616打席 本塁打54 打率.376

今度は打者として猛烈な成績ですが、投手としてはほとんどゼロに近い。

ウィキペディアに各年の成績一覧が掲載されているので、よく読んでください。
ルースは投打共に凄かった選手ではありますが、投打「同時に」共に凄かった選手ではありません。

話を大谷に戻しましょう。

今年は早々に投手として脱落しましたから、体が完治して投打共に完璧ならば、という「たられば」の話をします。

監督は彼を中6日(週1回)で投げさせようとしています。
つまり1週間を、

  登板  完全オフ  ベンチスタート DH  DH  DH  DH

で回そうという目論見です。

すると、まず投げる方は規定投球回数が「試合数×1.0」ですから、試合数と同じで 162 イニング。
中6日で投げると 23 試合に投げられますから、すべて9回まで完投すれば規定投球回数に達しますが、実際は1試合で5か6イニングが平均なので、6とすると 138 イニング、とてもじゃないが足りません。
規定回数に達していないと、たとえ防御率がいちばんよくてもカウントされません。

打撃のほうも、規定打席は「試合数×3.1」なので ほぼ 500 打席。
週4日の DH で1日4打席とすると、代打を入れてもせいぜい400打席、こちらも足りません。

つまり彼らのいう「二刀流」とは、投打どちらも中途半端な選手、ということです。
どちらかに集中したルースとは全然違う。
これは彼にとってもエンゼルスにとっても、実にもったいないと私は思うのです。

彼は背丈があるので、ファーストなら向いているでしょう。
投手も打席に立つナショナルリーグのチームに移って中4日で投げて、たまに守備についてやはり打席に立つ。
これで規定投球回数も規定打席もクリアできる。
それができて初めて「二刀流」といえるのではないでしょうか。

まあいずれにせよ、今年は来月の下旬に1回投げるくらいでしょう。
同じ治療をしたマーくんはなかなか勝ち星が伸びないし、ダルビッシュは今季絶望、岩隈も戻ってこられない。
来年、全員がベストの状態で開幕を迎えられたら、またこの話題でもしましょうか。


とか何とかいってると

2018-08-23 14:19:48 | にゃんころ
いきなり時間がぽっかり空いてしまうものでして。

MLB・ナショナルリーグ西地区のアリゾナ・ダイヤモンドバックスは、ポストシーズンに向けて熾烈な戦いをしています。
きょうの試合が終わった時点で勝ち越し 15。地区優勝、いけるんじゃないかなあ。

ダイヤモンドバックスといえば十数年前、ランディ・ジョンソンとカート・シリングを擁して創立4年目でワールドシリーズを制したことで有名です。
相手はクローザーのリベラが全盛期のニューヨーク・ヤンキース。
いま考えればよく勝てたものです。
現在は平野がいることで、ご存知の人もいるでしょう。

そのダイヤモンドバックスに、ジェリー・ナロンというコーチがいます。
この人は「ある事」で地味に有名人です。

彼の書くメンバー表は、とても美しいのです。

 https://news.yahoo.co.jp/byline/kiyokotaniguchi/20180821-00093887/

試合の時は、互いに打順やポジションやブルペンメンバーなどを書いたメンバー表を作ります。
毎試合使い捨てなので適当に走り書きすれば用が足りるのですが、彼はそれをよしとしません。
まるで中世の公文書のようです。

そして彼は、英語圏でない国からきた選手を、その国の字で書くのです。

きっかけはイチローが渡米した時で、普通なら「SUZUKI」と書くところをカタカナで「イチロー」と書いた。
それ以来、日本や台湾の出身選手の名前は(どうやって調べるのかは企業秘密だそうですが)、漢字で書いています。

これを逆に日本にあてはめたら、つまり日本でアルファベットで書いたら、逆にそぐわないでしょう。
アルファベットしかないアメリカで、アルファベットでない名前を尊重してくれる人がいるから「ちょっといい話」になるわけです。


あれ? ダルビッシュはどっちなんだろう?