面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

人や言動への評価は党派ではなく、質によって是々非々で、決められるべきだ

2020-07-02 22:23:36 | 日本人への呼びかけ
~~引用ここから~~

「安倍は戦犯の孫」という低質さ…ネット右翼とネット左翼が似ている理由(辻田 真佐憲) @gendai_biz

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「真の保守」「本当の保守」「まともな保守」――。

こう言葉を使うと、SNS上では決まって、「そんなものはない」「妄想お疲れさま」と左派やリベラルとされる者に茶化され、バカにされる。だが、筆者は以前からこの反応に疑問を感じてきた。

というのも、その左派も、スターリン、毛沢東、ポルポト、あるいは連合赤軍などと同類扱いされると、「あれは本当の左翼ではない」などと途端に同じような言葉づかいに走るからである。

まさに不毛な左右の応酬。これを避けるためには、どうすればよいか。それは、思想の左右ではなく、クオリティーの高低で、ものごとを区別するように心がけることしかない。

反安倍でも「戦犯岸の孫だから」は論外

たとえば、自身が安倍政権に批判的だとしよう。それはまったく問題ないけれども、同じ思想信条だからといって、あらゆる「反安倍」を見境なく肯定するのでは話にならない。

重要なのは、どういう理由でそう主張しているかだ。仮に「戦犯岸の孫だから」という低次元な理由であれば、その者から距離を取る必要が出てくるだろう。祖父と孫は別人格であるし、そもそも岸信介はA級戦犯ではないからである(容疑者として逮捕されたが、不起訴)。

以上のことは、安倍政権支持側にも、何にでも、当てはまる。

「教育勅語」を例にあげてもよい。自身が「教育勅語」を肯定しているならば、同じ肯定論者の意見でも、ちゃんと中身を真剣に読んでいるかどうか、精査しなければならない。得票や愛国ビジネスのため「スゴイ、スゴイ。復活、復活」と譫言のように唱えている不届き者は、むしろ積極的に批判すべき対象となるだろう。

近年、「教育勅語スゴイ」と言っていた者が、何かのきっかけに「安倍は戦犯の孫」と言うようになり、これまでの「敵」から拍手喝采されるという事態も生じている。「なんでこの人が左翼/右翼の英雄になっているの」現象とでも呼べば、パッと誰かが思い浮かぶだろう。

だが、良識ある者は、これを一顧だにしてこなかった。なぜならそれは、クオリティーの低い者が記号を弄び、脊髄反射する者たちを喜ばせているにすぎないとわかっていたからだ。

こういう事例に一喜一憂しても仕方ない。右でも左でも、できるだけ質を高めることが肝心なのであって、「本当の保守」や「本当の左翼」を目指すことは、けっして嘲笑されるべきではないのである。

クオリティーさえ担保されていれば、右も左も多様性のうちだし、両者のあいだで実りあるコミュニケーションも可能とさえいえる。

「どっちもどっち論」ではない

逆に、クオリティーが低ければ、箸にも棒にもかからない。

昨今、「岸信介が731部隊の最高責任者」などというツイートが、安倍首相を批判したいリベラル系と思われる者たちの間で広がっている。

よく知られるように、731部隊は、細菌兵器の研究・開発・運用などを行った日本陸軍の機関だけれども、最高責任者は岸ではない。そもそも文官の岸が陸軍を指揮するなどありえないわけで、これはきわめて初歩的な知識だ。

ここで、「リベラルなアカウントが『731部隊は存在しなかった』並の歴史修正主義に走るとは」と驚くのは、まったくのお門違いである。

両者は同じ穴の狢なのであって、クオリティーが低い者(インターネット・トロール)が、右や左の衣裳をまとって、適当なことを言っているにすぎないと理解すべきなのだ。

SNSで四六時中暴れまわっている、いわゆる「ネット右翼」と「ネット左翼」が、その無理解、暴言、粘着ぶりなどできわめてよく似ているのは、まさにこれが理由にほかならない。

あらためて強調するまでもないが、これは「右も左もどっちもどっち」という話ではない。ただ、「右だ、左だ」という議論は、ある程度の質が確保されてはじめて成り立つと言っているのである。

これ以外にも、「岸信介が731部隊の最高責任者」レベルの意見は、SNSに山のように存在している。そこからはじまる議論の不毛なこと! 

たまたま同じ政治的な傾向を持つからといって、低質な者を持ち上げてはならないし、またSNSのその手の揉めごとからできるだけ距離を取らなければならない所以もここにある。

SNSと適切な距離を取る

言われてみれば当たり前なのだが、ネットの左右対立は、あまりにも党派性を重んじて、クオリティーへの配慮を怠ってきたのではないか。こうなった背景には、SNSの存在も無視できない。

(略)

ネット右翼とネット左翼から離れて

ここまで読んでもらえれば誤解の余地はないと思うが、本稿の目的は、「真の〜」「本当の〜」「まともな〜」を名乗りながら、みずからの党派に安住して開き直っている、事実上の「ネット右翼」や「ネット左翼」の類を肯定することではない。

人間は誰しも完璧ではない。そのなかで、不断に努力して、みずからの質を高めていくことが肝心なのであって、そのために(SNS外で)試行錯誤しなければならないと言っているのだ。

それゆえ、最後にもういちど強調しておこう。今日、われわれが本当に区別しなければならないのは、思想の左右ではなく、クオリティーの高低である。そしてそれは、「ネット右翼」や「ネット左翼」の不毛な議論を切り離した場所で追求されなければならないだろう。
~~引用ここまで~~


左右対立はネット上だけではあるまい。現実でもマスコミは自分達に向けられる批判をネトウヨの揚げ足取りとしか考えていない。だから自浄作用が働かないし、マスコミが偏向報道を繰り返す理由にもなる。もちろん誹謗中傷としか思えない意見も多いのだが、的を射た意見も自分達は批判するものは「ネトウヨ」なのである。マスコミが信用を失う所以だ。

その人をどう評価するか。その言動についてはどう評価するか。それは右翼左翼の党派ではなく、質によって決められるべきだ。

私は安倍晋三に極めて批判的だが、それは安倍晋三が靖国神社に参拝せず、河野・村山談話を踏襲し、米国に媚び、支那に朝貢し、ロシアに3000億円献上し北方領土を放棄し、拉致問題に全く進展がなく、韓国に慰安婦に対する強制を認めて謝罪と賠償をするからだ。

そしてそれ以上に労働分配率を引き下げ、非正規労働者の割合を高め、消費税増税で中間層、貧困層を痛め付けて、法人税減税で大企業ばかり優遇するからだ。社会保障も引き下げに次ぐ引き下げだ。

ほぼ美点がない。それでも第一次内閣で防衛「庁」を防衛「省」に昇格させたことは評価しているのだ。確かに誰でも出来ることだが、安倍晋三以前の歴代首相は左翼の反発を恐れて誰もしなったのだから。

「朝日新聞の逆が正しい」などというのは間違いだ。朝日新聞が慰安婦報道で強制連行を捏造してきたことを始めに捏造、偏向報道だらけにしろ、「掃き溜めに鶴」。正しい報道があるかもしれないのだ。朝日新聞の記事はほとんど有料なので朝日新聞に金を払う気がない私には読めない。読めないから評価しようがないのだが。

現在は左右を問わずネット上でも現実でも党派性ばかりを気にするのだ。自分と同じ党派なら莫迦でも褒め称え、違う党派なら「ネトウヨ」「パヨク」扱いで意見を聞こうともしない。

それでは議論の質は下がる一方だし、政治家に対して正しい評価を下せない。宗教ではないのだ。誰々だから正しいということはない。言動がこうだからこの政治家は評価できる、とならなければならない。

政治家に完全を求めてはならない - 面白く、そして下らない

出来れば人物評価は加点主義といきたいものだ。

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