面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

米国は政治システムが優れている

2019-05-11 22:04:40 | 政治
米国を世界一の大国に登らせたその理由は政治システムが優れているからではないか。大統領に権限を集中させつつも決して独裁者にしない政治システム。そして前任者の失敗を容赦なく追及し、改善できる政権交代にある。

大統領選挙は予備選も含めると一年以上掛けて大統領を選ぶ。それにより対立陣営にネガティブキャンペーンをされるから人間誰しもが持つ欠点を曝される。政権をを担う準備期間にもなる。

クリントン元大統領がベトナム戦争への従軍を逃れるためにスウェーデンに亡命していた。ブッシュジュニア元大統領もベトナム戦争への従軍を逃れるためにテキサス州空軍に入隊している。

欠点を曝された人間は「独裁者」にはなれなくなる。権限を集中させつつも個人崇拝には至らないから「独裁者」にはならない。任期が最大で8年しかないこともそれを後押しする。

だが、今回注目したいのは政権交代だ。政権交代そのものは世界各国にある。日本でも10年前に民主党に政権交代した。まあ評価は散々だったが。

人間誰しも間違いを認めることは難しいものだ。神ならぬ人間だから致命的な失敗さえ繰り返す。しかし簡単な間違いなら謝罪できても致命的な失敗は間違いと認められない。社会的な地位と名誉を失いかないからだ。あるいは罪の意識に苛まれるか。

支那事変が泥沼化し、にっちもさっちもいかなくなっても陸軍は支那から撤収しようとはしなかった。間違いを認められなかったからだ。

日露戦争で戦死した10万の英霊に申し訳が立たない、そうだ。そのせいで軍民併せて300万人以上の日本人が死に、大日本帝国を道連れにして滅ぶのだが。

海軍が頼りなかったせいもある。ほとんどワンサイドでボロ負けするのだから。勝ったのは最初の真珠湾攻撃くらいで、ミッドウェーから負けっぱなしだ。

まあそれは別の話だ。

米国はベトナム戦争を始めて泥沼化し、枯葉剤などの非人道的な化学兵器を使っても勝てなかった。戦死者は増え戦費も増えた。それでも勝てる見込みはない。

誰が見てもベトナム戦争は失敗だった。しかし国家も指導者も簡単には間違いを認められないのだ。しかし議会がベトナム戦争の軍費を打ち切る形でベトナム戦争は終結した。

支那事変も帝国議会が軍費を打ち切ることができれば戦争を終結できたのだ。山本七平はそう著作に書いている。そうすれば大日本帝国は破滅せずに済んだかもしれない。

ブッシュジュニアが始めたイラク侵略戦争も後任のオバマは間違った戦争と非難した。イラクの方はベトナムやアフガニスタンと違って混乱が収束しているように見えるが。

陸軍が支那事変を間違いと認められなかったように、旧大蔵省現財務省も消費税導入及び緊縮財政を間違いと認められない。それを煽ってきたマスコミもだ。それを「センメルヴェイス反射」というそうだ。

~~引用ここから~~
センメルヴェイス反射(新世紀のビッグブラザーへ)

(略)

 センメルヴェイス反射とは、通説や常識から外れたことを、「事実」であるにも関わらず受け入れられない傾向のことですが、逸話の源は実に恐ろしい。

 オーストリアの病院で妊婦が次々に産褥熱で亡くなっている状況で、センメルヴェイスは医師として「接触感染」に気が付き、対策を訴えたにも関わらず、他の医師たちからむしろ攻撃され、不遇の生涯を終えました。

 なぜ、センメルヴェイスの訴えた「事実」が広まらなかったのか。
「患者を殺していたのは、実は医師の手である」
 という事実が、医師たちに受け入れがたいものだったためです。

 以前書きましたが、「自分の言動のせいで、大勢の人が死んだ」という現実があったとして、多くの人間は、
1.「自分の言動⇒大勢の人々が死んだ」という事実をなかったことにする(記憶の消去)
2.上記の因果関係を認めず、それまでと同じ言動を続けることで、自己正当化を図る
 の、2パターンで自己防衛に走ります。そして、自分を守るために真実を語る者を攻撃する。まさに、センメルヴェイスと同じ状況になるのです。

 冗談でも何でもなく、財政破綻論者、主流派経済学者、あるいは財務官僚の天動説的「財政破綻論」が原因で、日本において緊縮財政が継続し、実際に何万もの人が死んだのです。身内を失った日本国民は、例えば財務省が、
「実は緊縮財政は間違っていました」
 と、正直に「事実」を語ったとき、果たして許すのでしょうか。許せない人が少なくないでしょう。

 そんなことは誰にでも想像がつくわけですが、となると、財政破綻論者や主流派経済学者の「センメルヴェイス反射」は終わらず、彼らが死滅するまで「正しい主張」には転じない可能性が高いのです。

 天動説を人々が信じていても、イデオロギー的闘争以外では人死には出ませんが、財政破綻論の場合は、冗談でも何でもなく大勢の人が死んでいるのです。さらに、貧困化した国民が数百万人、下手をすると数千万に達し、日本国が小国化し、発展途上国化していっている。

 正直、これほどの罪悪があるのか、という印象ですが、罪人である財政破綻論者たちは、今後、どうするのでしょうか。これまで通り、財政破綻を叫び続けるのか。

 あるいは、彼らが万が一(億が一)改心したとして、身内が緊縮財政で自殺した国民は、彼らを許すことができるのか。

 分かりません。
(略)
~~引用ここまで~~


人間は自分の間違いを認められないものだが、センメルヴェイス反射、他人の間違いを認めることは容易い。それが政敵ならばなおのことだ。

米国の政権交代の真価は間違いの修正にあると見る。韓国でも政権交代により「積弊清算」と称して政敵を叩いているが、あれは間違いの修正ではなく政敵への報復に過ぎない。社会の分断を煽るだけだ。

しかしせっかく政権交代が起きたのに民主党の菅、野田の両首相は財務省に取り込まれ、自民党以上に消費税増税にひた走り、緊縮財政を直すことをしなかった。

準備期間が短かったということはあるかもしれないが、自民党の緊縮財政、消費税増税を批判し、修正するべきだった。鳩山だけは消費税増税だけはしなかったのだが。

昔陸軍、今財務省。彼らエリートはマスコミを操作することで世論、国民を操ってきた。支那事変には厭戦気分が溢れていたが、大東亜戦争に世論は反対ではなかった。消費税増税や緊縮財政に反対の声が小さいように。

間違った経済政策、緊縮財政をもう30年も続けている。しかし日本中が仕方ないと消費税増税と緊縮財政を受け入れてしまっているから、政権交代でもこの病は治せない。MMT(現代貨幣理論)が広がればまた違うかもしれないが。

陸軍に道連れにされ大日本帝国が滅びたように、財務省に日本は滅ぼされるのであろうか。それだけは防ぎたいものだ。

夏の参院選では安倍晋三を負けさせ消費税増税だけは止めさせないといけない。 

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