面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

政府はホルムズ海峡付近に護衛艦派遣を決めたが

2019-10-26 23:29:00 | 外交・安全保障・国際
政府は自衛隊のホルムズ海峡「付近」への派遣を決めた(まだ検討中との報道もある)。これは日本の石油タンカーが攻撃を受けたことに対する措置だ。日本の石油タンカーを攻撃したのはイランの犯行と考えられている。

中東から石油が入ってこないと日本は干上がる。脱原発派はたかが電気というが、電気がなければ家庭も産業も立ち行かない。石油タンカーを守るために海上自衛隊の護衛艦を派遣するのは当然の措置だ。

しかし大丈夫なのか。安保法制を左翼の反対を押しきって成立させたが、自衛隊の有事ないしグレーゾーンでの権限は十分にあるのか。

戦後日本は自衛隊に対する文民統制が過剰なほど強調されてきた。軍部の暴走を許さないためとされているが、それなら責任も政治が取らなくてはいけない。

現場の自衛隊に責任まで押し付けて違法でも民間船舶を守るための行動を採れとか、そこは察して欲しいなどとすることをやってはいけない。

民間船舶を守るためには他国への領海侵犯、場合によっては交戦も許可すると命じなければ政治の責任を果たしたとは言えない。

イランと米国の双方の顔を立てるために米国主導の有志連合には参加せず、日本独自で護衛艦を派遣する。あるいは憲法と安保法制の縛りのせいで有志連合には参加できないのかもしれない。しかし海は広い。護衛艦一隻でできることは限られる。

チョークポイントであるホルムズ海峡は狭いので一隻でもいくらかはできるかもしれない。しかしホルムズ海峡は狭いからイランかオマーンどちらかの領海でもある。領海侵犯しなければならないのだ。

法律上それができるのか。また自衛隊の最高指揮官たる安倍晋三にその覚悟があるのか。

イランが日本の石油タンカーを攻撃しないよう抑止効果を働かせるのが派遣の最大の目的だろう。しかし目の前で石油タンカーが攻撃を受ければ参戦しなくてはならない。日本の石油タンカーなら守るだろうが、他国の船舶だったらどうするのか。他国(友好国とそうでない場合もある)の軍艦が攻撃された場合もどうするのか決めているのか。

ホルムズ海峡に護衛艦を派遣せよではホルムズ海峡に護衛艦を派遣するよう書いた。法律的な問題やイランの反発に対する懸念も書いた。

しかし中東から石油が入ってこなければ日本は干上がるのだ。法律的な問題は立法すれば良いのだが時間がなさそうだ。イランとの関係が悪化したとしても優先するべきは日本の石油タンカーの護衛だ。「犯人不明」の攻撃から石油タンカー、シーレーンを守るためと言えばイランも反対できないだろう。

国会ではこの問題こそ質疑して欲しいものだが、与野党ともにやる気はなさそうだ。それが残念だ。日本の国会は野党が与党の失政を追及する場でしかないのだ。


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