面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

戦争絶滅受合法案は念仏平和主義の亜種

2019-05-25 22:02:13 | 日本人への呼びかけ
左翼が「戦争絶滅受合法案」喝采していたが、「戦争絶滅受合法案」は念仏平和主義、あるいは一国平和主義の亜種でしかない。憲法9条を唱えればたちまち戦争は吹っ飛んで、平和が訪れるという。

~~引用ここから~~
戦争絶滅受合法案

(略)

内容

戦争行為の開始後または宣戦布告の効力が生じた後、10時間以内に、以下の各項目いずれか一つでも該当する者は最下級の兵卒として召集。出来るだけ早急にこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従わせるべきとしている。

君主や大統領を含めた元首で男性
元首の16歳以上の男性親族
首相、大臣、次官
開戦に反対しなかった男性の国会議員及び高位聖職者

上記該当者は本人の年齢や健康状態などを考慮に入れてはならず、健康状態については召集後軍医官の検査を受けるべきとした。また、上記該当者の妻や娘、姉妹なども戦争継続中、看護師や使役婦として召集、最も砲火に接近した野戦病院に勤務させるべきと述べている。

(略)

評価

吉武信彦高崎経済大学地域政策学部教授は、戦争が始まれば国家元首や政治家が率先して戦地に赴くべき、という提案は当時としては衝撃的な内容で、現在においても大胆な提案と総括。また、長谷川が述べた戦争の危険という「火の手の風上にあるのはデンマーク位」であろうという表現についても、同国の平和国家という理想主義的なイメージを形成する上で重要な役割を果たしたと結論付けている。

(略)
~~引用ここまで~~


確かに戦争が始まれば国家の指導者を最下級の兵卒として最前線に送る法律があれば、戦争は起こらないだろう。国家の指導者も死にたくはないだろうから戦争を避ける。

それに国家の指導者を最前線の最下級の兵卒として最前線に送れば国家の運営は崩壊する。たちまち国家は崩壊し、戦争どころではなくなる。

しかし誰がこんな法律を立法化するだろうか。自国から戦争することへの歯止めとしてならまだしも敵国に侵略されたら国家の指導者がたちまち「絶滅」して敗北必至の法律を。

「戦争絶滅受合法案」は列強各国に軍備放棄を迫ることと同じことだ。確かに列強全てが受け入れれば戦争はなくなるかもしれない。

しかし協定をこっそり破る國がひとつでもあれば。軍備を放棄した他国を易々と蹂躙できる。国家は他の国家を容易く信用しないから疑心暗鬼になりどの国家も採用しない。

「戦争絶滅受合法案」は空理空論の念仏平和主義と同義である。

左翼は憲法9条を神から与えられた聖書のごとくありがたがっているが、その実態は日本を2度と米国の脅威にしないための米国による米国のための規定だった。

第一次世界大戦後のドイツの軍備を制限するヴェルサイユ条約とその性質は変わらない。ヴェルサイユ条約はヒトラーに破棄されたが。

軍隊の保有の禁止、制限。交戦権の否定。これらは他国に押しつけるもので自国を制限するものではないのだ。中距離核戦力全廃条約(INF条約)などはあるが。結局はこれも破棄された。

憲法9条を他国が自国の憲法に採り入れようとする動きはない。軍隊の保有の禁止、交戦権の否定など主権国家としてあり得ないことだからだ。

その意図はわからなかったが、マレーシア首相に返り咲いたマハティールが憲法9条を称賛していたことには失望した。マハティールとはこの程度の政治家だったのかと。

「戦争絶滅受合法案」はデンマークのイメージ作り程度の役割でしかない。現実性が全くないのだから。

現実に向き合うことは憲法9条を唱えていれば平和が到来すると考えている左翼には一番困難なことだ。

その左翼が憲法9条の改正の邪魔をして日本の自立の邪魔をするのだから堪らない。面倒だが、ひとつひとつ潰していくしかないのかもしれない。

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