癌痛が発生する根本的原因は陰陽気血の平衡失調にある。
癌の本質は本虚標実である。
即ち全身は虚で局部は実の病症である。
基本病理としては“虚”“於血”“痰”“毒”の四つに概括できる。
虚は“不栄なれば痛む”で、実は“不通なれば痛む”である。
従って扶正補虚・化於通絡は癌瘤の治療法の基本であると同時に
癌痛の予防の基本でもある。
癌患者に対して弁証選薬した以外に、常に健脾益気・補腎化於・軟堅散結の
中薬を用いると、それが固体の免疫機能を高め、癌瘤を抗縮させると同時に
癌痛の発生を軽減緩和させることにもなるだろう。
この他に現代医学的診断に応じても用薬しなければならない。
例えば肝癌や膵臓癌では癌痛の発生は早く且つ重いから
中薬の使用は早期から始めなければならないし、
肝門静脈および肝動脈の血栓形成に対しては活血化於による通利法を
早期から始めなければならない。
中国中医薬報 1996.4.10