やまかげの 黄金の瓜を ひとつとり こまかにきりて 君に食はさむ
*最近わたしの句が強いので、また友達の歌を借りました。この人の作品はやさしい。
山影の畑にこしらえている、黄金色の瓜を一つとり、小さく切って、あなたに食べさせてあげよう。
愛おしさに目を細めている様子が、目に見える。
瓜のみずみずしい甘さや、歯に染みる冷たさまでもが、伝わってくるようです。
無防備な子供の寝顔というものは、愛を掻き立てるものです。見つめているだけで、心の中に愛がわいてきて、なんでもしてやりたいと思う。そして、なんでもやるための力が湧いてくる。この人のためなら、なんでもできると思う。
愛というのはいつも、人を動かすものだ。
山影の土地に畑を作り、瓜を育てているのも、自分が食うためだけではない。愛する者のためなのだ。自分が食うだけなら、こんな立派なことはしない。人間はいつも、誰か、愛する者がいるから、立派なことができる。
誰かのために、精を出して働いて、作った瓜は、宝物のようだ。まるで黄金のようだ。あたたかい。
愛がこもっているからです。