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たくひれの 白き面を すきとほり こころのかげの しみいづるかな
*今週も歌が一つも詠めませんでした。ちょっと危機的ですね。歌を詠もうとしても、頭がまるで木偶のようで、何も言葉が思い浮かばないのです。感性の中枢を厳重に厳重に封じ込められていて、詩的な活動が何もできないようにされています。馬鹿の妨害はますますひどくなるばかりだ。つらいですね。
なので表題の作は過去作からもってきました。まだこのころはちびちびとでも感性の泉から染み出てくる水があった。それが今はからからという状態です。さて。
「たくひれの」は「白」にかかる枕詞です。「面」は「おもて」と読んでください。わかると思いますが、一応。
白く塗り上げた顔を透き通って、心の影が、染み出てきてますよ。
要するに、どんなに表面をきれいにしても、目つきや表情から、心の中のものが丸見えだということですね。これは偽物の美人にこんこんと言い聞かせたいことだ。馬鹿が人から盗んだ美貌をかぶって、どんな美人に化けていても、心の未熟さは隠せない。愛の勉強をまるでやってなくて、人を愛することも、人の心を理解することもまだうまくできない、そんな幼稚な心の影が見えている。
悲しいことですが、今はそんな心の未熟な女性ばかりが、他人の美貌を盗んで、美人の位を独占しているのです。それも天使の真似をして、ひどく高い美人に化けている。
馬鹿な女性は、突出した美人が一人出てくると、みんなで吸い付くようにそれに集まって、みんなでそのコピーをとって自分にかぶせるのです。それで、美人になって、いい目を見ようとするのだが。
そういう欲張りな心が、きれいな顔の奥から染み出てくると、目も当てられないほど、気色の悪い馬鹿になるのです。どんなに上手に天使の真似をしても、心の影は隠せない。
本当の美人になりたいなら、美貌の盗みなどせずに、真面目に自分の勉強をして、本当の自分をきれいにしていくべきなのです。でも馬鹿の心はなかなかそっちにいかない。
盗みをすれば簡単に美人になれるということが、癖になっているからです。