明日散る 梅のゆくへは しらねども 星の川辺に 立つ君を見る
*今日も短歌です。これはかのじょの作品です。2013年のもの。
わたしは、明日には散る梅の花のように、いつかはどこか知らぬところに消えてゆく身なのだが、そのわたしは今、星の川辺に、天狼のように一人立つ、あなたの姿を見ている。
もはや自分はだめだということが、だんだんわかってきたころでした。それでも、それを信じたくない心もあったから、一縷の望みを抱いてやってはいるのだが、運命の音はだんだん大きく聞こえ始めてくる。
自分がいなくなったら、彼らはどうなるだろう。どうか助けてほしい。そういう思いを、あの人はこの歌に込めたのです。
美しい女性というものは、人間の男が本気で自分を愛しはしないことを、知っています。
形だけを見て、性欲にあぶられて、自分を手に入れるために、あらゆる馬鹿なことをするものなのだが、それは決して自分を愛しているからではないのだと、知っている。結局はそれも愛の一種だとはわかっているが、それを認めたくない馬鹿は、愛を自分の手下にするために、どれほど汚いことをするかわからない。
汚いのは美女の方だにしなければ、自分の方が嫌なものになる。相手にしてほしいというだけで男がやっていることが、あまりにひどいからだ。
本当の美女というものは、男のそういう心理を見抜いているのです。だから、本気で男を信用したりはしない。男に頼り切ったりはしない。できることはすべて自分でやらねばならないということを、知っている。
だからできる努力はすべて自分でやってきた。あらゆることに耐えてきた。
だが、その自分にも限界がある。できることをやりつくして、三倍も無理をしていても、誰も助けてはくれない。そんなのは当たり前だ。やらねばならないのが美女というものだ。だがそれでもやり抜こうとしたとき、とうとう限界の壁を見る。そのとき、神は奇跡のように、一つの星を見せてくれた。
あの人だけは、信じていいのだと。