小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

小布施と湯布院に共通するまちづくりの極意:

2012年12月03日 | 社会戯評
小布施と湯布院に共通するまちづくりの極意:
「小布施まちづくりの奇跡」と、「湯布院の小さな奇跡」を読みながら、地域まちづくりの共通性を考えながら、小諸市や東御市などのまちづくりについて、一寸、考察してみたくなった。ブログだから、論文や著作という訳ではないが、基本的な方向性のようなものは、うっすらと、見えてくれば良いのではないだろうか?
まちづくりは、根本的に、どうやら、地域を担う「ひとを創り出すこと」のようである。そして、そこには、単なる観光都市というものではなくて、「生活に根ざした文化や歴史」が「まちづくりの核」でなくてはならないようである。ベトナム人の友人達が、初めて、小諸の里山に、やってきたときに、彼らが、まず、驚いたことは、クリーンな空気・おいしい水・緑豊かな自然な景観・音の静けさ(夜、物音ひとつしないことの驚き)・朝採りの新鮮な安全な野菜・温泉・文化・歴史、等が、そこに現に、あったことである。医食同源・美食同源ではないが、確かに、小諸の里山での私の個人的な体験でも、美味しい空気と水と食は、互いに、密接、不可分な関係で、それは、自然な景観の維持と農業や林業、畜産・酪農業等とも深く関わりが、きちんと底流にあるのではないかと確信する。福祉ですら、セラピーですら、そこに、温泉という健康や肉体的、精神的な癒やしの横断的な中核媒体が入ることで、更に、それは、地域まちづくりの大きな流れへと誘われることになろう。それは、決して、湯布院がモデルとしたドイツの小さなバーデンヴァイラーのようなまちにも、勝るとも劣らないモノがあると思うが、、、、、。小諸の御牧ヶ原台地の風景、画家の小山敬三が、描き出した浅間山や台地の景観、或いは、著名な昆虫写真家、海野和男が魅せられた自然豊かな大地に生息する蛍や蝶や昆虫、野鳥が育まれる等の環境、更には、朝鮮人参や白土馬鈴薯などの火山灰台地独特の農産品、農業・林業などをベースにした多様性に富むまちづくり、等、生産者、そして、その野菜や果物・米などの商品を加工する料理人、フランス・イタリア料理、創作和食料理人、蕎麦打ち職人、パティシエ、パン作り・チーズ工房、或いは、陶磁器や食器・箸や家具の木工工房、広葉樹林の薪や炭焼き小屋、等…、多様性に富んだ分野で、作ること、食べること、紅葉樹林の杜や田んぼの畦道、溜め池を散策すること、景観や空気や陽の光や音の静けさを愉しむこと、真っ暗闇の中で、ろうそくの光や蛍の光と陰を見出したり、四季折々の自然の中で、歴史や文化を五感で感じながら、一緒に、地元の人々と、内・外を問わず、互いにオープンに交流でき、和やかな人間関係が構築でき、且つ、日常生活を感じられるそういう地域を、絵を描いたり、詩を読んだり、絵本を読みながら、音楽を身近に聴いたり、唄ったり、楽器を叩いたり、踊ったり、一緒に、体験を通じて、子供から、若いパパ・ママから、お年寄りまで、「地産地消」のコンセプトの下で、労働し、モノを作り・食べ・飲み・笑い・そして、健康に、肉体的、精神的に、癒やされて、明日への生きる希望を充足できるようなそうした雰囲気がある生活を感じる地域づくり、まちづくりを目指す。そんな所に、イジメやひきこもりや鬱病などの精神疾患などは、無縁である。農村、里山の原風景・景観を大切にして、しかも、小さくても、こぢんまりとした地域産業を創出して、地域に根ざした生活環境が保全され、自然に抱かれる中で、若者から、おばちゃん、おじさん、年寄りまで、外部からの来る人間も含めて、ボランティアでも、元気に働けるような、将来へ繋げられる、いつでも、「更新中」の持続的なサポート体制の構築を、地域に根ざした人材育成や行政組織との協同で、構築して行く。狭小な閉鎖的なワン・ストップ・ショッピング的な箱物ではなくて、空間を尊重して、景観と建物の調和を、多様性の中で調和させて、水平的に、拡がりを持ちながら、まち歩きや散策により、回遊・分散・拡散できるようなまちづくりを目指す。そこには、自由な自主・独立・進取の精神に富んだ内部・外部の人材育成をする仕組みがなければならない。こぢんまりでも、小さいながらも、そこには、自然な生活の場が、感じられるような雰囲気をもった、自然な風合いを大切にしてゆく地域づくり、人づくりが、なければならないであろう。そういうNPOも含めた人脈ネットワ-クづくりも大切なことであろう。単なる箱物的な美術館や文化財保護、建物遺産の保護ではなくて、生きた芸術・文化・歴史を感じられ、映画や音楽や絵画や祭り、ウォーキング、マラソン・サイクリングなどのてづくりスポーツ・イベントで、お互いに、地域ファンつくりを出来る仕組み、決して、小さな京都や別府温泉や熱海温泉にしてはいけない。個々の地域としての点の点の展開から、もっと、広域的な点と点との繋がり、線へ、そして、面へ、旧信州北国街道沿いというような信州横断ルートのような横への地域的な融合・連携とオーバーラップに至れば、東信ワイン・バレー回廊のような面白い地域活性化構想が、可能なものになってこよう。それは、産業だけでなくて、新しい文化と地域発展に、まちだけでなくて、地域全体が、結実してゆくのではないだろうか?そういうものに、最新のIT技術を取り入れて、道の駅や日帰り温泉施設・産直販売施設での無料WiFi整備とか、携帯スマホ、タブレット端末向けなどへのネット情報網の整備、インフラの整備を、鉄道・道路交通網とともに、構築してゆけば、必ずしも、新幹線の誘致から取り残されても、「独自の地域発展モデル」が、作り出せるのではないかと思われるが、、、、、、。むしろ、健全な形での「日本の成長戦略」のモデルケースにもなる可能性が大きいと信じるが、、、、、。信州サーモンだけでなく、皮ごと食べられる種なしブドウのシナノ・パープルとか、加工用の青い林檎、プライムリーとか、ワイナリーの拡大、等、林業・農業・水産養殖の新興などと有機的に連携して、十分、まちおこしが進行できるのではないだろうか?決して、閉鎖的な考え方ではなくて、むしろ、具体的な新しい成長戦略のビジネス・モデルを創出するくらいの気構えで、取り組みたいものである。高齢化や過疎化や、商店街のシャッター街化などの喫緊の課題は、この中で、初めて、議論されなければならないのではないだろうか、、、、、、、。そして、それらの解決策も、その中には、一つのヒントとして、あるのではないだろうか、、、、、、とも。夜、物音一つしないことや、真っ暗闇であること自体が、今や、24時間サービス全盛の都会に、対峙する武器になるのかも知れないことを、未だ、そこに住んでいる人達は、気が付いていないのかも知れない。