無料映画、「蘇る金狼」を観る:
スカパーの販売促進一環での無料映画鑑賞である。日本映画専門のベスという番組である。随分、昔の話であるが、1979年制作の所謂、角川映画、メディア・ミックスを謳った当時の一連の角川春樹が提唱した「本と映画」の相乗効果を狙った作品である。既に、大藪春彦による原作は、友人の勧めで、と言うよりも、当時、ハードボイルドが好きだった友人が、「野獣死すべし」も含めて、原作を読むことを勧められた経緯があったことを想い出す。従って、映画は、製作時点では、観ることがなかったが、何故か、米国駐在時代に、ベータ版でのビデオを購入して、観た記憶があるが、今にして思えば、随分と、製作後、恐らく5年ほど経った後のことである。それにしても、若い時には、我々の世代は、学生時代、銀座・並木座で、高倉健主演のヤクザ映画や様々な映画を観たものである。その延長線上から云えば、主演の松田優作は、謂わば、この映画の中での演技は、多少、癖のある、大げさな仕草も含めて、鼻持ちならないものがなくはないが、それでも、遺作となってしまった「ブラック・レイン」での鬼気迫る演技の原型は、この作品でも、すごみのある演技を、コミカルな演技とは別に、見てとれる。今、存命していたら、アウトレイジ・シリーズを凌ぐような迫真のヒットマンの演技が、観られたのではないだろうか?その点では、おおいに残念でもある。考えてみれば、脇役陣も、曲者ばかりの俳優が、随分とみられなくなってしまったが、、、、、、、、ここにも、顔を見せ、しっかりした演技をしていることは見逃せない。ヤクザ映画でも常連だった、安倍徹の総会屋役、佐藤慶の社長、成田三樹夫、小池朝雄、そして、久米明、待田京介、他、千葉真一、岩城滉一、風吹ジュンなどは、未だ、この頃は、ひよこ同然であろう。ヒッチコック監督なみに、後ろ姿で、出演している未だ若い頃の角川春樹も、今にしてみると、こうした手法も懐かしい限りである。あんなに鍛えていた肉体も、結局、大腸癌という病には勝てず、後年、ハリウッド進出を眼の前にして、スクリーンから消えてしまったが、こうして、再び、松田優作の勇姿を観ることが出来ると、当時の想い出やら、懐かしい臭いまでもが、記憶の片隅から、蘇ってくるような気がしてならない。今度は、ブラック・レインでも、ビデオを借りてくることにしようか?二代目の石原裕次郎と目されて選ばれた俳優も、その後、パットしないし、アクションでも、演技でも、しっかりと出来るような体育会系のアクション・スターは、出てこないのであろうか?それとも、もはや、時代は、そんなタイプの役者は、必要とはしていないのであろうか?映画は、所詮、時代の臭いと背景・ニーズを反映しているものなのか?そして、俳優も、結局は、そういうモノなのであろうか?俳優を通して、時代が透けて見える。
スカパーの販売促進一環での無料映画鑑賞である。日本映画専門のベスという番組である。随分、昔の話であるが、1979年制作の所謂、角川映画、メディア・ミックスを謳った当時の一連の角川春樹が提唱した「本と映画」の相乗効果を狙った作品である。既に、大藪春彦による原作は、友人の勧めで、と言うよりも、当時、ハードボイルドが好きだった友人が、「野獣死すべし」も含めて、原作を読むことを勧められた経緯があったことを想い出す。従って、映画は、製作時点では、観ることがなかったが、何故か、米国駐在時代に、ベータ版でのビデオを購入して、観た記憶があるが、今にして思えば、随分と、製作後、恐らく5年ほど経った後のことである。それにしても、若い時には、我々の世代は、学生時代、銀座・並木座で、高倉健主演のヤクザ映画や様々な映画を観たものである。その延長線上から云えば、主演の松田優作は、謂わば、この映画の中での演技は、多少、癖のある、大げさな仕草も含めて、鼻持ちならないものがなくはないが、それでも、遺作となってしまった「ブラック・レイン」での鬼気迫る演技の原型は、この作品でも、すごみのある演技を、コミカルな演技とは別に、見てとれる。今、存命していたら、アウトレイジ・シリーズを凌ぐような迫真のヒットマンの演技が、観られたのではないだろうか?その点では、おおいに残念でもある。考えてみれば、脇役陣も、曲者ばかりの俳優が、随分とみられなくなってしまったが、、、、、、、、ここにも、顔を見せ、しっかりした演技をしていることは見逃せない。ヤクザ映画でも常連だった、安倍徹の総会屋役、佐藤慶の社長、成田三樹夫、小池朝雄、そして、久米明、待田京介、他、千葉真一、岩城滉一、風吹ジュンなどは、未だ、この頃は、ひよこ同然であろう。ヒッチコック監督なみに、後ろ姿で、出演している未だ若い頃の角川春樹も、今にしてみると、こうした手法も懐かしい限りである。あんなに鍛えていた肉体も、結局、大腸癌という病には勝てず、後年、ハリウッド進出を眼の前にして、スクリーンから消えてしまったが、こうして、再び、松田優作の勇姿を観ることが出来ると、当時の想い出やら、懐かしい臭いまでもが、記憶の片隅から、蘇ってくるような気がしてならない。今度は、ブラック・レインでも、ビデオを借りてくることにしようか?二代目の石原裕次郎と目されて選ばれた俳優も、その後、パットしないし、アクションでも、演技でも、しっかりと出来るような体育会系のアクション・スターは、出てこないのであろうか?それとも、もはや、時代は、そんなタイプの役者は、必要とはしていないのであろうか?映画は、所詮、時代の臭いと背景・ニーズを反映しているものなのか?そして、俳優も、結局は、そういうモノなのであろうか?俳優を通して、時代が透けて見える。