一連のオウム真理教事件を首謀したとされる、教祖の麻原彰晃こと教団元代表の松本智津夫死刑囚に死刑が執行されました。
松本死刑囚に死刑が執行されることに関しては、僕は強く異を唱える立ち位置にはおりません。
しかし、「オウム事件」と称される一連の事件に関して、その背景事情や、指揮命令が実際にはどういう状態であったのかは、長い裁判過程を経ても不透明な部分は大きいままです。また、サリンという化学兵器製造にまでどうして至ったのか、そこに第三者的介在があったのではないのかという疑いは実は消えていません。
松本死刑囚が死刑に値することをしていたとしても、その核心的部分に関しては口をつぐんだままで、しかも検察側からは「詐病」、弁護側からは「何らかの精神的疾患」と主張される状態で、まともな意思疎通がなされないまま、今回の死刑執行に至ったと思います。
地下鉄サリン事件から23年が経過し、当時の状況を克明に理解している人の方が少なくなっていると僕は感じています。異常なカルト集団による、首都壊滅を目論んだ化学兵器テロがなぜおきたのかという国家の根底に関わる部分について、日本の捜査当局は解明しないまま、時間が経過しました。オウム真理教事件の本質がわからないまま、首謀者とされる麻原彰晃こと教団元代表の松本智津夫死刑囚の死刑執行ですべてが蓋をされることになります。
もちろんオウム事件との関わりが指摘されたものの未解決となった国松警察庁長官狙撃事件もありますから。
そして今回の事態は、日本国内の特定カルト集団による化学兵器テロ事件の全容解明が不十分な結末を迎えたという側面だけでなく、実は東アジアにおける日本の安全保障にも大きく関わってくる話であると僕は思いますし、極東における国際情勢が激変したことも背景にはあると感じています。
僕自身が松本サリン事件から24年間取材した内容をベースに、麻原教祖に診察を行った精神科医へのインタビューなども踏まえて、本日僕のメールマガジンの臨時増刊を配信致します。
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