この国の為政者たちや当局者たちの言説が嘘にまみれていることが日々酷くなっています。
こうした中で、いくつかおきる出来事が、その爛れた姿を象徴するような状況です。
きょうは福島第一原発事故を巡って、検察当局が不起訴処分とした東電の勝俣元会長等3人が、検察審査会の決定を受けて、指定検察官によって、本日強制起訴されました。
現行法の規定の中で、その事故の予見可能性をどう考えるのかという判断は難しいものがあります。
ふつうの検察的判断なら、不起訴処分としたい感覚はよくわかります。
法の判断というのは、この事例にとどまらず、似たような事例で同じように法的な対応ができるのかどうかという普遍性が求められるからです。
法律処理的な感覚では、従来の感覚なら、やりにくい話です。
しかし、それを、通常感覚だけでやらないと検察は判断してよかったのか?
僕は疑問に思います。
原発被害に関して、東京で訴訟もおこなっている紀藤弁護士にも伺いました。
「検察は国策不捜査なんですよね。東京地検はやりたいものだけはやる。やらないものはやらない。自分たちで、選択して捜査する。それは、事案的に国策不捜査という状態になる。もっとはやくに、東電に家宅捜索をすれば、証拠が固められるんですよ。おそらく、もう散逸していると思います。。清水社長辞任後、2011年6月以前の証拠は、散逸している可能性がかなり高いでしょうね。苦しくなります。
検察がやらないことを市民の動きでここまでは持っていた状態です。
しかし初動の捜査がなされていない付けはまわってきますから。指定検察官は大変な状態になると思いますよ。こうした検察審査会によって強制捜査となった事案は、検察庁がまともに捜査していない事案が多いから、同様の構図ですよね。最初から、ちゃんとやっていれば、問題はないことなのに。だから、結局は無罪となってしまう背景には、こうした構造があるということです。」
「検察という組織は、そもそも嫌疑があったら、捜査するという積極的な発想が無い。自分たちが、やりたい事件だけやっている印象というか。また、有罪が堅い事案であるのか、そうでないのかという判断が大きすぎる。確実に有罪に出来る事案しかやりたがらない構造ですよね。」
僕は、感覚的に、欧米の捜査機関なら、少なくとも初動の捜査は、電力会社に対して行った事案と思います。
犯罪性があるのかないのかということは、簡単にハードルは越えられないかもしれません。
しかし、まずは積極的に捜査をしてみないと、犯罪として、立件可能な道筋が何か見えてくる可能性もありません。
それに、これだけ多くの人々の人生が狂って行ったことも間違いありません。
そうした状況の中で、何か問えることはないのか? 正義は無いのか? そうした問いに対して、何かの答えを出せる可能性がある捜査機関が、動こうとはしなかった。そうしたことによって、何とか市民の力で、指定検察官が起訴に踏み出したのが、本日の強制起訴です。
しかし、それは日本が爛れていることを、象徴している話でもあるということです。
そして、もう一つ、西でも爛れた話です。
ボルトが緩んで高濃度放射能汚染水が漏れたばかりの高浜原発4号機。
多くの国民の反対を押し切って、こんな状況のなかで再稼動しています。
その再稼動を先週したと思ったら、早速、発電機がトラブルを起こして、全面停止しました。
わずか数日でこの事態。
よいですか、そもそも再稼動にはリスクが伴います。
圧倒的に、一定期間稼動していなかった原発をまた動かすのは、いろんな系統でトラブルがおこりやすい。
そうしたトラブルがおきやすい原発で、今度は高濃度に汚染された一次冷却水が漏水したのです。
こんなことがおきたら、通常は、点検も含めて一定期間様子を見るのが当たり前。
しかし、一週間くらいで、関電は再稼動に踏み切りました。ありえません。こんなことを許容している原子力安全委員会や政府も。
僕は26日のブログでこう書きました。
ボルトが緩んで放射能漏水がおきた原発を、一週間程度で再稼動という判断をする事の異様さについて。
「高浜原発が再稼動です。
ボルトが緩んで、一次冷却水の放射能漏水がおきた原発を、そのまま再稼動させるこの国は、明らかにおかしいと思います。
こうしたスタンスは、予期せぬ事態を招く可能性はあります。
きっと、なにかがおきます。
こんな話は予言でもなんでもなく、普通に状況を見ていたら、あたりまえの感覚があれば、ほとんどの人には理解できる話です。」
そのとおりに、4号機は発電機が止まり、全面停止しています。
僕は予言者でもないのに、予言は見事にあたりました(笑)。
いいですか、今度西日本で、原発事故がおきたら、日本は間違いなく崩壊します。
原発を継続する、為政者、官僚、電力会社などは頭がおかしいとしか言えません。
日本人が生存を更に危うくする、原発再稼動は絶対におこなうべきではありません。左右とか、イデオロギーの話ではありません。
僕と貴女の生存を確保するかどうかの闘いなのですから。
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2011.3.11.から五年が過ぎて、僕と貴女の立ち位置を確認したいと思っています。
東京に続き、来月下旬に、沖縄・那覇で開催いたしますので、ご来場ください。定員50人。
3/26(土)夜
【「原発事故後、5年が経過して確認すること」木下黄太講演会IN沖縄】
18時受付開始。 18時15分~20時半
場所 牧志駅前ほしぞら公民館 会議室(定員50名)
沖縄県那覇市安里2丁目1番地1号 モノレール牧志駅よりすぐ
申込&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/377656/
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原発事故から、まる5年が経過した日に、東京の自由が丘駅近くで、僕と貴女の立ち位置を確認したいと思います。
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3/11(金)夜
【「原発事故後、5年が経過して確認すること」木下黄太講演会IN世田谷】
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18:30 受付開始
19:00 開演〜21:00頃
奥沢区民センター第一会議室 定員100名
(世田谷区奥沢3-47-8(自由が丘駅南口徒歩9分、東急目黒線奥沢駅すぐ。 ))
詳細&予約⇒ http://kokucheese.com/event/index/377150/
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