村本さんの最後の映像を各ニュースで見ました。
ロイターの配信映像の全貌を確認していないので
なんともいえないところもありますが
タイ軍治安部隊とデモ隊の衝突は
すさまじい状況になっていたことがわかります。
村本さんはこの現場でおきている事実のありのままを
伝えるために真っ只中で撮り続けていたことは
間違いありません。
日本の組織ジャーナリストならためらうかもしれません。
私自身カメラマンではありませんが
この状況で自分が先頭で撮り続けることができるのか
かなり厳しいレベルと感じています。
長井さんが置かれた
民衆と軍とのパワーに圧倒的に差があるミャンマーの時よりも
今回のタイの方が
お互いの応酬がひどくなっていて、
突発的に危険な状況が襲う感覚ではないでしょうか。
こういう状況はアクシデントが極めて起こりやすいです。
狙われるというよりも
本当にアクシデントにまきこまれやすい感覚。
弾が左胸から入ったことなどが
明らかとなるにつれて、
防弾チョッキなどの装備が生死を分けたような気もします。
昔、アジアカップで日本相手に暴動が起きたとき
北京でその現場付近や
市内での緊迫した状況の真っ只中にいたことがありますが
そういうときに何か歯車が狂うと思わぬことになるなと
感じたことも思い出される村本さんの映像でした。
少し気になったのは
なくなるきっかけの出来事は
映像にはおさめられていなかったのでしょうか。
ニュースではその点が分かりにくかったと思いました。
亡くなることへの手がかりがあるのかどうか。
もちろんロイターは各社に渡していないかもしれませんが。
そのポイントだけが気になります。
村本さんが狙われて亡くなったのか、流れ弾の死なのか。
究明の声を挙げねばなりません。
また軍でも、赤シャツのデモ隊参加者でもない
第三者の存在が映像にあることも気になります。
それにしても、今回、村本さんのカメラは
デモ隊側からロイターに引き渡されました。
彼自身の映像で分かることは本当に多く、
これが長井さんの事件とは大きな違いです。
長井さんの死は他のカメラの写真と映像で
確認するだけなのです。
長井さんのカメラもテープも
ミャンマー政府は未だに戻さないのですから。
そして、これは
タイとミャンマーの大きな違いでもあるのです。
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村本氏の遺品のカメラに映像、バンコクの騒乱を生々しく証言(トムソンロイター) - goo ニュース
村本氏の遺品のカメラに映像、バンコクの騒乱を生々しく証言
2010年4月12日(月)19:30
(トムソンロイター)
[バンコク 12日 ロイター] 激しい爆発音、路上に吹き上がる炎と煙、血まみれで転がる人々-。今月10日、バンコク市内で、武力衝突を取材中に銃撃を受けて死亡したロイター・テレビジョンのジャーナリスト、村本博之さん(43)のカメラには、反政府グループと治安部隊の間の緊張が一気に流血の騒乱にエスカレートする生々しい映像が残っていた。
村本さんのカメラは、武力衝突に加わった反政府グループからロイターに返却された。この映像が、銃撃を受けた村本さんによる最後の撮影かどうか不明だが、それまではお祭りムードさえあった政府への抗議運動とは様変わりした市街戦のような状況をとらえている。
およそ7分間の映像の最初の場面は、バンコク旧市街にある民主記念塔付近から始まり、治安部隊側から撮影されている。完全武装した兵士がライフルを空に向け、あたりに絶え間なく銃声が響く。突然、村本さんが立っていた場所の近くで爆発が発生。立ち込める煙と炎の中で、少なくとも4人の兵士が倒れ、その姿を村本さんのカメラが追う。
次の場面では、負傷して立てなくなった兵士が部隊に次々保護される。そのあと、カメラはアングルを変え、反政府勢力である赤シャツ隊の動きを映し出した。反政府グループは大声で兵士たちに向かって叫び、何かを投げつける。この間、治安部隊も反対派も村本さんの撮影に注意を払うそぶりはない。
この同じ状況下で撮影された別のカメラマンによる映像では、所属の分からない人々の姿も捉えている。治安部隊の緑色の制服でもなく、反対派の赤シャツでもなく、黒っぽい普通の市民のような服装の人々だが、手に銃を持ち走っている様子が映っている。
タイ政府は、反政府グループに「第三勢力」が加わっているとの見方をしており、村本さんの悲劇を招いた状況を調査することを約束している。
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