「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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チェルノブイリで事故処理「Hard Duty(苛酷な任務)」ある女性科学者の体験

2011-07-22 12:07:51 | 福島第一原発と放射能
 ナタリア・マンズロヴァの「Hard Duty」を読むと、チェルノブイリの事故処理に様々点で、関与した人々にどのようなことがおきたのか、健康面や精神面でどうした緊迫した事態が続いていたのかがはっきりとわかります。これは、福島でおきることを推定させる話であり、当時のソ連のような統制国家であれば、出来た話が、逆に日本のような制約がかけられない社会では、できないことが逆に多いことも理解できます。
 この文書は現地に入り込んだ人々に何がおきたのかが分かる話です「リクィデーター」といわれる人々がどのような状態になったのか、特に脳神経にどのようなことがおきたのかは、チェルノブイリを知る専門家が、今回危惧して僕に再三伝えていた情報とシンクロします。精神的な部分である種の障害がおきること、具体的に脳に影響が強い事。さらに欲望、特に性欲が増す事など、表で語られにくい事象も、文章にされています。こうしたことを確認しておく事が、これから僕らが生きていく状況を正確に認識する事にも通じると考えています。
 引用されている写真などには、正視に堪えない写真もあります。これを踏まえたうえで、しかしあなたは、きちんとご覧になることをすすめます。(小さいお子さんにはおやめになったほうがよいと思います)
 
これも翻訳された大羽さんなど米国在住の皆さんの努力の賜物です。皆さん、謝意を。
  
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放射線防御プロジェクト 木下黄太様

 
ブログを拝見させていただいております。日本の困難な状況の中での木下さんの御活動に注目しています。「ベラルーシからの報告」を読み、ナタリア・マンズロヴァの「Hard Duty」にも興味がおありかと思いメールさせていただきました。彼女は福島原発事故当初より、木下さんと同じように放射能防御、避難を呼びかけています。

 

 
様、
チェルノブイリの事故処理にあたった女性科学者、ナタリア・マンズロヴァが体験を語った「Hard Duty」の日本語訳が終わりましたので、お読み頂ければ幸いです。チェルノブイリの経験から学び、福島の原発事故による健康への被害が少しでも軽減されれば、という願いを込めて翻訳させていただきました。既にパート1はお読みになった方もいらっしゃるかと思いますが、翻訳のいきさつ、著作権のことなどについて前書きに目を通していただいてから、本文の方をご覧ください。

 


バークレー、カリフォルニア
大羽比早子
 
 

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前書きは下記に引用しました。緊急事態に対応するため、オープンソースになっていますので、ご了解の上、本文も読み、拡散して下さい。著者が、商業目的でなく、著作権明記さえすれば、オープンソースに同意するのは、普通はありません。
 
なお、私信ですが、大羽様にメール返信しましたが、リターンメールになります。サーバーの相性かもしれないので、別のアドレス発信か、フェイスブックなどで僕までご連絡下さい。「木下黄太」でフェイスブックにあります。

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 http://www.zenplanning.com/nuke/HardDuty/index.html 〔日本語訳前書き)

訳者より

 2011年4月10日にカリフォルニア州バークレーの街で「チェルノブイリの4分の1世紀」というタイトルで集会が行われました。主催はCenter for Safe Energy(安全なエネルギーのためのセンター)という米国のNGOで、バークレーの公共ラジオ放送局KPFAやその他の環境団体が共催しました。ロシアから3人の活動家がチェルノブイリについて話し、そのさい福島の事故についても触れてました。そのうちの一人が本書のナタリア・マンズロヴァでした。その集会で本書「Hard Duty」が配布されていました。福島第一原発の事故を受け、これからの日本でチェルノブイリでの経験から学べるものがあるのでは、ということで日本語訳について交渉し、彼女たちの著作権を明記すれば自由に日本語版を作ってよい、という了解を得ました。
 原書はロシア語の聞き書きを英文にしたものです。そのため固有名詞などが英語からの表音になっているものもあります。例えばチェルノブイリの除染作業者を指す言葉は、「リクィビダートル」とロシア語からの日本語表記の使用例もすでにありますが、原書の英語の「リクィデーター」の使用例もすでにあるため、後者で統一しました。また距離の単位が米国のマイルになっていたため、カッコ内でkmで概算していますが、端数は切り捨てている場合もあります。これは、ロシアではメートル法で語られてたものを、英語にするときにマイルに直したものを、またメートルに戻しているためです。
 PDFバージョンが下記のアドレスから閲覧、ダウンロードできます。英語版のMS Wordで作ったためレターサイズの半分になっており、A4の半分と少し異なりますが、日本でしたらA4の半分で印刷できると思います。本にする際は必ず、著作権や最後の参考資料の部分も含めて印刷してください。商業目的での販売はしないでください。

2011年7月カリフォルニア州バークレーにて

大羽正律

Hard Duty「過酷な任務」PDF

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明日です。名古屋近辺での交流会

 土壌調査結果など最新の情報を始め、「中部グループ」が「福島第一原発を考えます」の一つのモデルとなり、各地のグループと連携し全国的な広がりに繋がるよう、この会で話を深めてゆきたいと思っています。

 今月は「交流会」という形で、再び甚目寺観音法花院以下のように「語り合う集まりの機会」を持ちたいと思います。

「福島第一原発を考えます」〜中部グループ交流会〜
日時:7月23日(土)3時より5時まで
場所:愛知県あま市甚目寺町甚目寺観音法花院
会費:500円

申し込み先 oddiyana@gmail.com 
企画担当:林久義

中部関西などの土壌調査も始まりました。そして、放射能飛散問題、がれきや汚泥肥料問題、食品汚染問題など、様々な状況を皆さんと共に語り合いませんか。車座になって、ゆったりと交流の時を持ちたいと思います。
ご都合よろしければ、是非ともご参加ください。

 

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 来週火曜日横浜で講演会をおこないます

地元のお母さんたちの強いご要望に答えます。

僕自身左足を骨折中なので見苦しい姿で伺いますのでご了解下さい。

骨折のため首都圏の開催は一ヶ月ぶりになります。

日時: 7月26日 (火) 12:30 開場 / 13:00~講演開始
今回は主催者のご尽力で無料です。         

開催場所: 瀬谷公会堂
住所: 神奈川県横浜市瀬谷区二つ橋町190
交通アクセス:
   
http://www.seyakokaido.hall-info.jp/access/index.html

定員:492名 ※申し込み不要です。
開場時間に直接お越しください。

コメントでお問い合わせがありましたが、できるかぎり時間をかけて応対いたしますので、遅れてもおいで下さい。

 

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今月下旬に首都圏の土壌調査結果を発表します。西の調査は、募集をとめました。 

 

 

「放射能防御プロジェクト」沖縄は、一足先に活動が始まっています。汚泥肥料をくいとめるための、署名活動もおこなわれています。

http://houshanobogyookinawa.blogspot.com/2011/07/blog-post_14.html

 

 

 
 
ある程度被曝しているエリア(首都圏も入ります)の人、特に子ども、妊婦、妊娠可能な女性は、被曝線量の低い場所に退避すべきだと僕は思います。優先順位は「避難する」ことです。僕はそれしか言う事ありません。慢性的に被曝することは避けるべきですから、できる限り早く退避することをすすめます。 

 

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加工食品の原材料がどこのもので、さらにいつごろのものなのかで、内部被曝する可能性の有無を確認できる可能性があります。http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/b8c8f85c5ce80be6f2fafabcf0c8f66eこの記事のコメント欄で、それに特化した形でコメントをしてください。ネットからの二次情報でなく、ご自身が直接調べた情報をコメントしてください。この際、注意していただきたいのは、個別企業の批判的なコメントは一切書かずに、客観的に事実情報をまとめる形で作りたいです。下記のスタイルで書き込みを。

①企業名

②商品名

③製造場所(この記号はどこの工場までわかれば)

④主要な原材料

⑤原材料の産地

⑥賞味期限などから製造年月日がいつで、原材料の調達がいつか。

⑦放射能対応の有無、具体的な対応

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様々な問い合わせはまず、メールでお願いします。具体的なご相談は、コメント欄でなく、直接メールしてください。nagaikenji20070927@yahoo.co.jp

なお、連絡事項ですが、膝を骨折し、ギブスのため、三週間は身動きがとれません。このため、七月下旬まで、できることがかなり限定していますので、ご了解下さい。なお、完治までは三ヶ月ですし、特にリハビリで八月中も身動きはかなりしづらいです。講演会、ミーティングなどは、交通手段について打ち合わせが必要になります。よろしくお願いします。

 

 

 


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大変な作業、感謝いたします。 (アメリカの医師)
2011-07-22 14:12:42
大羽正律さん、大羽比早子さん、Hard Dutyの和訳、ご苦労さまでした。 大変だったであろうと察します。 しかし、これは、日本語で広められなければいけない情報だと思います。 原本を入手したいのですが、アマゾンでは在庫なしでした。
返信する
すっきりした (米1g)
2011-07-22 17:19:58
読みました。
これでいかに今回の福島の事故がチェルノブイリより小さいかがよくわかりました。
安心をありがとうございます。
返信する
Unknown (Unknown)
2011-07-22 18:06:32
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110722-00000140-san-soci

こういう記事を見ると、原発事故にもプラスの面があるんだなと考えさせられます。
返信する
ありがとうございました (下から目線)
2011-07-23 09:50:57
HardDuty拝読いたしました。
想像以上に過酷な状況だったことに、
日本が今後この道を辿るかもしれないことに
途中目を背けたくなりました。
チェルノブイリの記録は見ることができるものは見てきたつもりでした。

しかし、HardDutyを読み人々の普通の生活が突然奪われるという証言にあらためて驚愕し、放射能の恐ろしさに震えました。
映画の中の出来事ではなく、日本で起こってしまったこと、今起きていることなんですね。

人は「見たいものを見る」と言います。
でも見なくてはいけないものもあるんですね。
見たくなくても。
現実をしっかり見据え対策を考えなくては。

この文章を訳して載せてくださったことに
ほんとうに感謝いたします。

絶望しても生きていくしかありませんね。
木下さんありがとうございました。
返信する
貴重な「事実」をありがとうございます (ファニー)
2011-07-23 12:55:29
木下さん、翻訳して頂いた大羽さん、ありがとうございました。「公式」情報が嘘ばかりである状況において、こういった「生」の「事実」情報を提供して頂けること、大変感謝致します。一人でも多くの人々がこういった「事実」から目を背ける事無く、理不尽な世の中と戦う姿勢を持って欲しいです。

当時のソビエト原子力委員の「科学に犠牲はつきものだ」という思想は、現在の日本の政治家や原子力関係者と全く同じもので背筋が寒くなりました。日本の場合は、科学の代わりに、体面、官僚政治、特権の維持、金儲け、など色々な言葉が当てはまると思われますが、「犠牲」を何とも思わない非人間性という意味において、日本は旧ソ連と何も違わないのだということを痛感させられました。

HIVのミドリ十字の場合もそうでしたが、誰かの犠牲の上に成り立つ繁栄を享受する感覚って何なのでしょうか。動物より上等だと考えている人類ですがとんでもない。動物よりずっと下等な生物です。

北海道の牛も汚染されているとのこと。大きな犠牲を払って宮城から北海道に移住して来た私ですが、やはり、という感じです。食べられるものがどんどんなくなってきています。現在の中央や地方の政治家のもとでは、汚染は今後もどんどん広がって行くでしょう。日本国中に汚染を広め、世界にも今後広めて行く事になります。どこまで罪深いのでしょうか。大人で北海道在住の私はまだ恵まれており、ホットスポットなどに留まらざるを得ない、小さなお子さんを抱えた方達の心痛お察しします。日本の政治家に女性の割合が極端に少ないのも問題だと思います。やはり女性の方が子供を守る感覚や生活感に優れていますから、そういう感覚が日本の政治に全く繁栄されないのは問題です。

一方日本経済の将来も悲観的です。日本電産など優良企業が日本国外に出て行く事を検討しているらしいです。当然です。東電の体面のために節電を強要しているのですから製品を製造できなくなります。

長文失礼しました。それから今後嫌がらせの書き込みは承認しないという木下氏のお考えをサポートします。そういう人達に対処するのは、同氏の貴重な時間とエネルギーの浪費ですから無視して欲しいです。同氏もお書きになっているようにこちらは個人のHPであり公共性がある訳でも何でもありません。「公式発表」が「裏付けの無い個人情報」より絶対的に正しいと思い込んでいるような人々は救いようがありませんから無視するしかないと思います。
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