長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

長唄絵合せ3

2018年03月09日 22時23分02秒 | お知らせ


 【番組】
長唄「喜撰/きせん」
 小町以外の五歌仙を早替り的に踊りぬいた二代目中村芝翫「六歌仙容彩/ろっかせん すがたのいろどり」天保2年(1831)のうちの一曲。
 ちょぼくれ、住吉踊り…愉しさここに極まれり。

舞踊「蓬莱/ほうらい」
 改革により天保13年、大火による芝居町の焼失もあって江戸三座は浅草に移転。
 遊里に耽り名曲をものした四代目杵屋六三郎の描く仙境とは。

 【今回の浮世絵の見どころ】
 浮世絵愛好家垂涎の小町シリーズを、春信から芳年までのもの4点
 爛熟した風俗を描いた英泉の藍摺りの花魁「花紫」
 廣重「吉原の夜桜」
 天保の改革での風紀取締りを風刺した國芳「無駄書き」など11点
 

 第3回 崩れゆく憂き世をよそに

人間界に何が起きようと、四季は廻り再び春がやって来ます。
絵と音と立体が紡ぎ出すUKINEの世界。

今回は、平安時代の六歌仙を大胆に脚色した、
粋で洒脱な歌舞伎舞踊曲をご紹介いたします。

一八五三、嫌でござんすペリーさん
その蒸気船にかけられた、たった四杯で夜も眠れぬほどの銘茶・上喜撰。
このネーミングの素でもある、
墨染の身でありながら、桜の花枝を肩にかけ、
小町姫を口説く伝法な喜撰法師。

江戸後期、文化が爛熟した化政時代を過ぎ、
頻発する打ちこわし、外国船の到来、
果ては幕府の役人が反乱を起こし、
苛烈な政治改革が断行された、幕末前夜の天保年間。

底抜けに明るく賑やかな音曲で踊り騒ぐ一方で、
鮮やかな景色を見る心の闇。
人々は桜の花に何を見たのでしょうか?




 旗揚げ公演、第2回公演から少し間が空きましたが、また来る春、4月21日土曜日に、第3回公演を行う運びとなりました。ありがとうございます。

 今回は、ただ季節感を味わっていただくだけでなく、江戸時代の様子をさらに身近に感じていただけますよう、テーマを区切りまして、天保年間に作曲された長唄の番組にいたしました。

 唄は世につれ、世は唄につれ…(ロッテ歌のアルバムという番組が昭和のころありました。名司会者・玉置宏…千秋さまの玉木宏じゃないですょ…)

 天保年間(1830年12月10日~1844年12月1日)は、幕末となる黒船来航の嘉永6(1853)年より20年ほど前の時代ですが、それまでの国の在りようが制度疲労を起こして、なし崩し的に崩壊していく…なんだか現在の日本と酷似しているような気がしてなりません。

 そんな憂きことの多き世を、一般庶民はどう暮らしていったのか、音楽からひも解いてゆきたいと思います。

 そして、第1回にお越しくださいましたお客さま、2回公演よりタテの客席をヨコにいたしました。
 最後部の座席も前から3列目ということで、よりご覧いただきやすくなっております。
 ぜひまたお越しくださいませ。

 (ただ、それがため、40名様より座席スペースが減りまして、ご予約38名様限りとさせていただきます。申し訳ないことでございます…)

 なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 
コメント (2)
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