長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

波間にまごう墓なれば…

2011年12月06日 11時30分31秒 | お知らせ
 ♪…折りた(焚)く柴のくすぼりに 心気を燃やす かせ世帯

 文楽『奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)』より「善知鳥文治住家(うとうぶんじすみか)の場」。
 「かせ」はこの場合、貧しいという意味ですが、日本語って、いいですね。同音異義語が多いので、二重三重の意味が文章に持たせられて。
 そしてまた七五調の詞章が、リズムを生んで、口にしやすく、覚えやすく。
 いまさらながら、立作者・近松半二は天才なんじゃないかしら…。

 ところで「善知鳥」はお能がもとですね。
 謡のお稽古に通っていたとき、先生に「なんかね、変な節がついてますよ」とたびたびご注意を賜りました。
 …どーも、スミマセン(^_^)ゞ
 どうも、無意識に、言葉に無駄な節をつけてしまうのは、唄の癖。

 来たる12月18日、ご縁ありまして奥州伊達藩府、杜の都・仙台にて勉強会をさせていただくことになりました。
 筝曲と三絃がメインの会ですが、私も長唄を1曲、現代邦楽を1曲、そして、わが師・杵屋徳衛が作曲いたしました、朗読三絃「耳なし芳一」を出曲させていただくことになりました。

 長唄三味線の可能性と新表現を模索して、徳衛が昭和55年(1980)に造り上げた朗読三絃の曲。弾き語りです。私はもちろん初めての挑戦。

 唄わないで、朗々と語る。
 …難しいですね。いまさらながら、お芝居の演技指導を受けたい今日この頃なのでした。
 
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2 コメント

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語らずして語る (座長)
2011-12-22 12:02:06
耳なし芳一、聞きたかったです。

芝居をする時によく言われたのが、「泣くのはお客さんだ、役者が泣くな」「セリフに書いてあることは、やる必要はない」

書いてあることと違う心根の時が見せ場です。出来るだけ、心の中にエネルギーを溜めて、我慢する、どんどん溜めて、どうしても我慢できなくなったときにこぼれ出る。これが理想ですな。

ところで、今度はお能に行きませんか?
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後ジテLOVE (徳桜)
2011-12-23 00:24:27
座長!!

ありがたきお言葉!ぜひぜひまた一献。
お能、行きましょう!!

3.11以降、中止になった公演の切符が流れたまま(七に入れたわけじゃないですョ)、
その後、本公演を観に行けぬまま、今年も暮れまする。
(明日から戦国鍋TVの明治座公演、大江戸鍋祭に行くのですじゃ)

来年は心静かに、能楽堂で瞑想いたしましょう。…とか言いながら、つらつら思いますに、今年の能納は2月観た…たしか嵐山で、赤頭にフィーバー!!してきました。

つくづく私、異形の者が好きなのだ、と、実感。
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