人命救助に向けて結束が不可欠なはずの消防士の職場で、耳を疑うようなパワハラが常態化していた。東京消防庁は11月、後輩の消防士8人に賞味期限切れの温泉卵を無理やり口に押し込んだり、首を絞めるプロレス技を掛けて気絶寸前に追い込んだりしたとして、赤羽署の男性消防副士長(57)を停職6カ月の懲戒処分にした。周囲からは「面倒見のいい人」との評価もあり、“親分肌”の気質が行き過ぎた指導を招いてしまったようだ。
■顔に粘着テープや包帯巻かれ写真撮影
「退職したいんです」
今年8月、赤羽署の20代の女性消防士が思い詰めた表情で上司に訴えた。上司が理由を尋ねると、4月以降、副士長から度重なるパワハラを受けていたことを明かしたという。
同庁によると、女性消防士は副士長と同じ勤務班で、「目を閉じろ」などと命令されて、賞味期限切れの温泉卵を3回にわたり口に入れられたり、顔に粘着テープや包帯を巻き付けられた状態で写真を撮影されたりしていたという。
だが、被害者は1人ではなかった。同庁が詳しく調査した結果、平成21年以降、女性消防士を含めた20~27歳の消防士ら計8人にパワハラを行っていたことが明らかになった。
■「LINE消せ」と証拠隠滅を指示
8人はいずれもパワハラを受けた当時、副士長と同じ勤務班で、プロレス技をかけられたり、火薬入りのおもちゃのピストルを口の中に入れられたりしていた。実際に背中や脇腹を撃たれた職員もいたという。業務上のミスなどパワハラのきっかけになるような
女性消防士にプロレス技、期限切れ卵を口に… 消防署で相次ぐパワハラの実態
■顔に粘着テープや包帯巻かれ写真撮影
「退職したいんです」
今年8月、赤羽署の20代の女性消防士が思い詰めた表情で上司に訴えた。上司が理由を尋ねると、4月以降、副士長から度重なるパワハラを受けていたことを明かしたという。
同庁によると、女性消防士は副士長と同じ勤務班で、「目を閉じろ」などと命令されて、賞味期限切れの温泉卵を3回にわたり口に入れられたり、顔に粘着テープや包帯を巻き付けられた状態で写真を撮影されたりしていたという。
だが、被害者は1人ではなかった。同庁が詳しく調査した結果、平成21年以降、女性消防士を含めた20~27歳の消防士ら計8人にパワハラを行っていたことが明らかになった。
■「LINE消せ」と証拠隠滅を指示
8人はいずれもパワハラを受けた当時、副士長と同じ勤務班で、プロレス技をかけられたり、火薬入りのおもちゃのピストルを口の中に入れられたりしていた。実際に背中や脇腹を撃たれた職員もいたという。業務上のミスなどパワハラのきっかけになるような
女性消防士にプロレス技、期限切れ卵を口に… 消防署で相次ぐパワハラの実態