労働条件の底が抜けて雇用身分社会が出現した。
その実態を概観し、まともな雇用を再建する道筋を探る。
■著者からのメッセージ
ここ30年ほど日本の労働社会の変化を追いかけてきました。過労死が深刻な社会問題になったのは1980代末ですが、当時はまだ全労働者の8割強が正社員・正職員などの正規労働者でした。しかし、いまでは過労死は減らないまま、パート・アルバイト・契約社員・派遣などの非正規労働者が約2000万人、4割弱に増え、働きすぎと生きづらさが併存する状況になっています。
中所得層の没落と低所得層の貧困化には目を覆うものがあります。この十数年間に労働者1人当たりの年間賃金は70万円近く低下しました。パートの賃金は年間115万前後に押さえ込まれています。派遣はいつ使い捨てられるかわかりません。
10年ほど前からは、若者の酷い働かせ方が「ブラック企業」という言葉で語られるようになりました。最近は「ブラックバイト」も問題になっています。
あれもこれも「雇用形態の多様化」が進み、「雇用身分に引き裂かれた社会」が出現したからにほかなりません。この新書はそうなった原因と実態を明らかしようとしたものです。
雇用身分社会 森岡孝二著
その実態を概観し、まともな雇用を再建する道筋を探る。
■著者からのメッセージ
ここ30年ほど日本の労働社会の変化を追いかけてきました。過労死が深刻な社会問題になったのは1980代末ですが、当時はまだ全労働者の8割強が正社員・正職員などの正規労働者でした。しかし、いまでは過労死は減らないまま、パート・アルバイト・契約社員・派遣などの非正規労働者が約2000万人、4割弱に増え、働きすぎと生きづらさが併存する状況になっています。
中所得層の没落と低所得層の貧困化には目を覆うものがあります。この十数年間に労働者1人当たりの年間賃金は70万円近く低下しました。パートの賃金は年間115万前後に押さえ込まれています。派遣はいつ使い捨てられるかわかりません。
10年ほど前からは、若者の酷い働かせ方が「ブラック企業」という言葉で語られるようになりました。最近は「ブラックバイト」も問題になっています。
あれもこれも「雇用形態の多様化」が進み、「雇用身分に引き裂かれた社会」が出現したからにほかなりません。この新書はそうなった原因と実態を明らかしようとしたものです。
雇用身分社会 森岡孝二著