電通が「鬼十則」の社員手帳Dennoteへの掲載中止を検討しているという。木曜日から複数のメディアが報じている。これは対応として正しいのか。
不祥事が起こった場合、社外から叩かれそうな、組織のカルチャーに関する言葉を取り下げたり、修正するのは企業においてはよくある話ではある。拙著『リクルートという幻想』(中央公論新社)でも紹介したエピソードだが、リクルート事件後、創業者江副浩正氏の言葉であり社訓だった「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」は取り下げられた。バッシングの嵐の中であり、会社として生まれ変わる時期であったが、それだけでなく「何のため?」「誰のため?」が不明確だったということが問題とされたからだ。ワタミも自死事件が起こったあと、理念集から「24時間365日死ぬまで働け」を削除した。
実は同社がDennoteから伝統ある言葉を削除するのは、これが初めてではない。1987年には「責任三ヵ条」という言葉が削除されている。それまでDennoteには経営理念の次に「鬼十則」と「責任三ヵ条」が記載されていた。この「責任三ヵ条」は、「鬼十則」が定められた1951年の2年後、1953年に発表された。これもまた第4代社長であり、中興の祖、広告の鬼と呼ばれた吉田秀雄氏によるものである。
このような内容だ。 ・・・・続きはこちら
不祥事が起こった場合、社外から叩かれそうな、組織のカルチャーに関する言葉を取り下げたり、修正するのは企業においてはよくある話ではある。拙著『リクルートという幻想』(中央公論新社)でも紹介したエピソードだが、リクルート事件後、創業者江副浩正氏の言葉であり社訓だった「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」は取り下げられた。バッシングの嵐の中であり、会社として生まれ変わる時期であったが、それだけでなく「何のため?」「誰のため?」が不明確だったということが問題とされたからだ。ワタミも自死事件が起こったあと、理念集から「24時間365日死ぬまで働け」を削除した。
実は同社がDennoteから伝統ある言葉を削除するのは、これが初めてではない。1987年には「責任三ヵ条」という言葉が削除されている。それまでDennoteには経営理念の次に「鬼十則」と「責任三ヵ条」が記載されていた。この「責任三ヵ条」は、「鬼十則」が定められた1951年の2年後、1953年に発表された。これもまた第4代社長であり、中興の祖、広告の鬼と呼ばれた吉田秀雄氏によるものである。
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