教育テレビ 高校生数学講座
大学生の時、とある日のお昼頃、私と姉と父は居間でくつろいでテレビを見ていた。母は台所に立ってご飯の用意をしていた。
たまたま、何故だか忘れたが、教育テレビの高校生数学講座を皆で見ていた。そこでは幾何だか、代数だか、ある定理の証明を説明していた。講師は淡々としゃべって証明を進めていく。もちろん、私は全て理解していたのだが、父と姉はまるで分からず、しかしながら何とか理解しようと必死に画面に食い入りながら、講師の説明を聞いていた。
説明が終わりにさしかかったところで、姉が
「あー!あたし全然理解できなかった!」
と嘆いたところ、父は笑いながら、
「何言ってんだ!
これから始まるんじゃないか!これから!」
と反論した。しかしテレビは非情である。講師は
「これで終わりです。また来週。」
と言って、終了のテロップが流れた。
父は半分口をあげたまま、ポカンとして、私を見た。
私はおかしくて仕方がなく、笑いを堪えていた。
父は私が理解していると知るや、何とも言えない顔をしていた。
大学生の時、とある日のお昼頃、私と姉と父は居間でくつろいでテレビを見ていた。母は台所に立ってご飯の用意をしていた。
たまたま、何故だか忘れたが、教育テレビの高校生数学講座を皆で見ていた。そこでは幾何だか、代数だか、ある定理の証明を説明していた。講師は淡々としゃべって証明を進めていく。もちろん、私は全て理解していたのだが、父と姉はまるで分からず、しかしながら何とか理解しようと必死に画面に食い入りながら、講師の説明を聞いていた。
説明が終わりにさしかかったところで、姉が
「あー!あたし全然理解できなかった!」
と嘆いたところ、父は笑いながら、
「何言ってんだ!
これから始まるんじゃないか!これから!」
と反論した。しかしテレビは非情である。講師は
「これで終わりです。また来週。」
と言って、終了のテロップが流れた。
父は半分口をあげたまま、ポカンとして、私を見た。
私はおかしくて仕方がなく、笑いを堪えていた。
父は私が理解していると知るや、何とも言えない顔をしていた。