左目
暗く寝静まった夜、私は激痛で起き上がった。左目が腫れて熱を持っている。熱い、熱い。私は左目を両手で抑え、床でもだえ苦しんだ。しかし容態は一向によくならず、左目は膨れ上がるばかり。そして左目は白眼を剥き、その中から極彩色のアゲハ蝶が孵化して眼を突き破り、夜空にきらきらと輝く鱗粉を散らしながら、飛び立った。左目は失明したが、その夜空に舞う見事な蝶の舞いを右目が捉えていた。
暗く寝静まった夜、私は激痛で起き上がった。左目が腫れて熱を持っている。熱い、熱い。私は左目を両手で抑え、床でもだえ苦しんだ。しかし容態は一向によくならず、左目は膨れ上がるばかり。そして左目は白眼を剥き、その中から極彩色のアゲハ蝶が孵化して眼を突き破り、夜空にきらきらと輝く鱗粉を散らしながら、飛び立った。左目は失明したが、その夜空に舞う見事な蝶の舞いを右目が捉えていた。
女の肢体
どんなにきれいな身体をした女でも
命を奪われ腐乱した女の身体は醜い
数限りない綺麗な肢体の女を抱いて
そしてこの世から葬り去ってきた
今頃、沢山のうじ虫が女の肢体に
たかっていることだろう
私はそんな想像しなからゆっくりと
深いソファに腰をかけた
どんなにきれいな身体をした女でも
命を奪われ腐乱した女の身体は醜い
数限りない綺麗な肢体の女を抱いて
そしてこの世から葬り去ってきた
今頃、沢山のうじ虫が女の肢体に
たかっていることだろう
私はそんな想像しなからゆっくりと
深いソファに腰をかけた
種
僕の撒いた種は
花を咲かせるだろうか
果たしてその芽は
どんな成長を見せるだろうか
太陽と月の光を浴びて
ひっそりと芽を出し
するすると茎を伸ばして
花をつける
その花は誰に見せるともなく
太陽と月の光を浴びて
人知れず枯れる
それでも生きていたのだ
僕の撒いた種は
花を咲かせるだろうか
果たしてその芽は
どんな成長を見せるだろうか
太陽と月の光を浴びて
ひっそりと芽を出し
するすると茎を伸ばして
花をつける
その花は誰に見せるともなく
太陽と月の光を浴びて
人知れず枯れる
それでも生きていたのだ