ユメユメ物語

ユメユメ物語

大きな
黄色いパンケーキのように
夜空に月がぶら下がっていた

周りには金平糖のような星が
夜空にぶら下がっていた

そして綿菓子のような雲が
夜空にもくもくとぶら下がっていた

お菓子のような夜空に
僕らは息を飲んで迷い込んでいた

この世はお菓子のような
ユメユメ物語のようだ

自然と人間

自然と人間

自然は
人間のことなど
まるで気にしていない

地球は
ニュートン力学の法則に従って
只々、太陽系の軌道を
回っている

人間は自然を驚異に感じ
自然を駆逐せんがために
それをコントールしようと試みた

それでも自然は頑として
動かない
人間は自然に包括されていて
閉じ込められている
いくら暴れようがそれからは
逃れられない

つまるところ人間は
自然を偏愛し嫉妬しているだけで
一方的な片思いなのだ

自然は一切人間のことなど
知らぬ存ぜぬなのだ

onna - 307

onna - 307

彼女の涙

彼女の涙

彼女は走りながら
涙を流していた
星屑のように
きらきら輝きながら
砕け散った涙は
御伽噺の中に
迷い込んで
雨となり稲妻が轟いた
雷鳴に驚いた鳩たちが
一斉に飛び立つと
卵がかえって雛が歩き出した
これは長い長い御伽噺の
序章だったのだ