奈良散策 第147弾
7月10日の夕方、家族と家の近くをぶらぶらと散歩に行きました。
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いつもの湿地に行くと、何やら毛深い草が生えていました。たぶん、ケイヌビエではないかと思っています。長田武正著の「日本イネ科植物図譜」を見ると、ケイヌビエはイヌビエ Echinochlora crus-galliの変種 echinataとなっていますが、学者によってはイヌビエとの中間型が出るので、変種扱いをしていないとのことです。長い芒がありますが、若いうちは淡緑色、熟せば暗紫褐色になるとのことで、注目していくことにします。
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この湿地にはガマが生えていたのですが、ヒメガマとの違いを見るために、少し離れたところにある湿地を見に行きました。ここにはヒメガマがたくさん生えています。
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ヒメガマは上にある雄花と下にある雌花の間に隙間があるのが特徴です。
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こちらはガマですが、もう枯れてしまった雄花が雌花のすぐ上にあるのが分かります。ヒメガマと比較すると、大きさもだいぶ違います。
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このガマの生えた湿地の脇にチョウトンボがたくさん止まっていることに気が付きました。上の写真では全部で10匹います。
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皆同じ方向を見て、風に揺られてゆらゆらしています。この湿地ではせいぜい2匹程度のチョウトンボしか見ていないので、ひょっとすると、この地域にいるチョウトンボがみな集まってきて夜を過ごすのかもしれません。
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ここからいつもは歩かない住宅地の方に歩いてみました。これはたぶん、ナガイモ。
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そして、民家の庭にあったサルスベリ。
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民家の近くにオモダカが群生しているところがありました。8月頃に花が咲くはずなので、そのころにまた行ってみることにします。
雑談1)昨日のテレビで、京都府立植物園でショクダイオオコンニャクというインドネシア原産のサトイモ科の花が咲いたとニュースで伝えていました。世界最大の花で、臭いにおいがするということでした。今日まで公開ということなので、家族と一緒に車で行ってみました。京都もたぶん一年振りくらいになるのではと思います。世界最大の花ではありますが、別に綺麗な花というわけでなく、ましてや臭いというので、たぶん、見に来る人は少ないだろうと思っていたのですが、なぜか、植物園近傍の駐車場がすべて満車。嫌な予感がしたのですが、実際、賀茂川門から入ってみると、もう人の列が見えていました。列の最後に並ぶと、だいたい2時間待ちだそうです。でも、これを目的に来たのに見ないで帰るのも癪なので、並んでいると1時間ちょっとで見ることができました。でも、まるで有名な絵を特別展示する美術館みたい。「立ち止まらないでください」としきりに言われて、数枚写真を撮っただけで終わってしまいました。高さ2mほどはある大きな花で、コンニャクイモの花を大きくしたような形でした。臭いは昨日で消えてしまったようです。我々が帰る時もまだ長い列ができていました。いったい何人ぐらいの方が見に来られたのでしょう。帰りの車から見ると、二条城などはガラガラ。この日の観光客はみな植物園に集まってきていたみたいでした。
雑談2)昨日、杉本順一著の「日本草本植物総検索誌I~III」が届きました。Iは双子葉、IIは単子葉、IIIはシダです。サイズがB6版で、思ったより小さな装丁でしたが、中は検索表と簡単な種の説明がぎっしり書かれています。これから少しずつ試してみようと思っています。
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