長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『美女と野獣』(2014年)

2020-03-30 | 映画レビュー(ひ)

 古くはジャン・コクトー、記憶に新しいところではディズニー映画史に燦然と輝くアニメ版とその実写リメイクが存在する古典の再映画化だ。レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセルという2大スター共演にこれまでにないセクシーでアダルトな新解釈を期待したが、クリストフ・ガンズ監督は今更スペクタクルを優先し、何とも味気ない娯楽作で終わってしまっている。幾度となくレア・セドゥの豊満な胸元を強調し、性の匂いを漂わせるも野獣とのケミカルは起こらない。かつて『リード・マイ・リップス』で猛禽類のような鋭い野生を放ったカッセルのフェロモンは野獣の毛皮に覆われてしまったかのようだ。

 だが『アデル、ブルーは熱い色』でパルムドールを獲得したセドゥは娯楽映画でも主演を張れるスターパワーを発揮。本作を興行的成功に導き、続く『007/スペクター』でボンドガールに抜擢。さらに007最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でシリーズ初のボンドガール続投を果たす事となる。


『美女と野獣』14・仏、独
監督 クリストフ・ガンズ
出演 レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル
 

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