Festina Lente

ゆっくり急いでまいります

今日の1枚

2004年11月03日 | MUSIC&ART
ベートーヴェン チェロソナタ全集

チェロ:ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ
ピアノ:スヴャトスラフ・リヒテル

これが、チェロ弾きの「新約聖書」です。
これもいつか弾けるようになりたいなあ・・・
でも到底無理だな。

これを聴くとベートーヴェンという人はとてもやさしい心の持ち主だったんじゃないか
と僕は思います。
このチェロソナタは1番から5番まで全部で5曲あり、どの曲も表情豊かに聴かせてくれますが
僕は特に3番が好きです。3番は、第一楽章のアレグロ・マ・ノンタントからはじまります。
冷たく凍えた頑なな心に、まるで春の太陽がやさしく雪を溶かすようにチェロの独奏が語りかけます。
それから、それに応えるようにまるで大地の息吹をあらわすようにピアノが続きます。
そして第2楽章のスケルツォにゆったりゆっくりと入っていきます。もう心はすっかり凍えた状態から
解き放たれ、緩やかに楽曲に合わせて踊りだします。そして生命の喜び、人生の深みを味わうかのように
第3楽章のアダージオカンタービレからアレグロビバーチェに一気に盛り上がります。辛抱強くここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

最後に演奏者について一言。彼らの演奏がとにかく多くのこの曲のCDのなかで僕は一番好きです。
神業としか思えない完成度の高さ、絶妙なバランス、とにかく絶品です。


ベートーヴェン : チェロ・ソナタ全集
ベートーヴェン, スヴャトスラフ・リヒテル, ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
ユニバーサルクラシック

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コメント (1)
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