2020年締めの山は日光白根山。
実際登ったのは年が明けてからですが、自分の中では毎年恒例の年末年始雪山遠征で一区切りとしています。
自分が山屋何年生か数えるときは、年末年始に登った山を数えるのです。去年は病欠ですが。
初めの冬は遠征ではなく地元の三郡山。
次は伯耆大山。
そのあとは八ヶ岳3回、南ア3回、そして北アの西穂・焼岳。
どの山行も鮮明に覚えています。
そして今回も忘れがたき旅となりました。
初日。
今回の登山基地となる湯元入り。
宿はミノヤさん。
とても良い宿で、スタッフも親切。
この日は温泉に入って明日に備えますが…
天候が悪すぎましていきなり停滞決定。1日ずらすことにしました。
2日目
朝風呂に入っておいしいご飯を頂いたら、湯元の街を散策します。
風情がありますな。
湿原を見たりしながら散歩。
とても静か。
次はバスに乗り中禅寺湖を目指します。
ウインダムヒルのジャケみたいに美しく、静かで、すごく寒い。
この湖は子供のころからの憧れでして、感慨深いです。
何にあこがれていたかというと、釣りです。
トラウトのメッカでして、特にブラウントラウトに強く惹かれていました。
授業中教科書の端っこにブラウントラウトの絵を描いては思いを馳せていました。
いつか竿をもって、また来たいものです。
華厳の滝も見学しました。
この後は滝の近くのお土産屋さんで昼食。
すいとうという郷土料理と栃木レモン。
どちらもおいしかったです。
こういう処で食べるこういうものが一番旨いと思っています。
再びバスに乗り湯元に戻ります。
凍結した湯元湖
ハスキー君たちは嬉しそう。
宿に戻って温泉で温まり、食事を頂いたら今度こそ明日に備えて就寝。
3日目。
天気は前日よりよさそうです。
ただし気温はかなり下がるようす。
スタートはスキー場から。
リフトに乗って少し楽をします。
そしていよいよ登山開始。
今回この山を選んだのは理由があります。
まだリハビリ中の身体でも行けそうな山を選んだつもりなのですが…
理由の1つ目は雪が少ないと聞いていたから。
しかし、大寒波到来でかなりの積雪があります。
そして2つ目の理由は1日の行動時間が少ないから。
避難小屋で1泊するのでコースタイムで1日4~5時間ほど。
体力が落ちている状態でもゆっくり行けば最悪日没までには行動を終えることができるでしょう。と思っていたのですがラッセルが続くようならあまり余裕もないかも。
かなり当てが外れたといってよいでしょう。
とりあえず出発。はじめからワカン装着。持ってきてよかった。
今回はワカンの出番が多かったのです。
スキー場は晴れていましたが高いところは曇り。
しょっぱなから急登です。
ラッセルしながらの急登はなかなかしんどいですが、先行者のトレースがあるので大分助かります。
この後先行者に追いつきますが、その人はワカンをアイゼンに変えているところでした。
聞いてみると、ここからさらに勾配がきつくなるとのこと。
何度もこの山に登られていて詳しいようですし、行程も同じのようですので、私も真似してアイゼンに替えてあとをついていくことにしました。
この方のトレースにはこの後もかなり助けられることになります。
さて、予言通り激坂となった登山道をヒイヒイ言いながら雪をかき分け登っていきますが、すぐにバテ上がってしまいます。
仕方ないのでゆっくり自分のペースで焦らず行くことにしました。
急登ゾーンを何とかクリアすると
少し視界が広がります。
この後現れる森が非常に魅力的なのです。
とても神秘的な場所でした。
帰りも通るのが楽しみ。
森を抜けるといよいよ稜線に出ます。
時折青空が見えるので下界は晴れているのでしょう。
前白根に到着しました。
ここから望む奥白根と五色沼を見るのが楽しみだったのですが、残念ながらガスってなにも見えません。
しかし、これはこれで美しい景色。
しばらく見入ってしまいました。寒いけど。
前白根を降りると再びラッセル。
膝ほどのラッセルですがトレースがないところも有り、なかなかしんどい。
そのあとの稜線は雪が飛ばされて歩きやすく楽しいものでした。
振り返る前白根
一瞬ですが五色沼が見えました。
この向こうに奥白根があるはずです。
この後は再び樹林帯に入り、ラッセルしながら避難小屋へと降りていきます。
結局日没間際までかかってしまいました。
小屋には朝会った人がすでにいて、私の到着が遅いから心配をかけてしまったようです。
明日登る道はトレースが全くなくなっているので、再びこの方のトレースに頼ることにしました。
西穂に続き今回も自分ひとりでは登れない山行となってしまったようです。
少し話をしたあと、しっかりと食事をとり、コーヒーをすすってシュラフに潜り込みました。
とても寒いのですが、雪山で過ごす夜は好きです。
ゆっくりと体を休めたら、あくる朝はいよいよ山頂アタック!
つづく