木のぬくもりから、和歌山県を思い出す機会があった。
場所は関西国際空港内にある空港見学施設「関空展望ホール Sky View」。
8月1日にリニューアル・オープンした同施設の4階にある「スカイデッキ」に和歌山県産のヒノキが敷き詰められている。そこでヒノキの香りやぬくもりを感じたとき、ふと私は中学校の課外授業で経験した林業体験を思い出した。
体験場所は紀南の山奥で、スギやヒノキの間伐を手伝った。
森林組合の方々からうかがった、森を守るために必要な間伐作業の意義と、後継者づくりへの熱い思いは今でも記憶に残っている。
今回、和歌山県産のヒノキが実用されている場に触れ、木のぬくもりを感じ、和歌山県(紀州)の方々のあたたかさを思い出したのだ。
関西の空の玄関口に、奇遇にも和歌山県を感じられる施設が出来たことは、県土の約8割を森林が占める和歌山県の魅力発信につなげられるはずだ。
県は、県内で採れる木を「紀州材」とし、ブランド化を図っている。「紀州備長炭」もそのひとつだ。
「紀州備長炭」は炭の中で唯一、空輸できるものであることをご存知だろうか。
県木炭協会が発行する「紀州備長炭証」が貼られていることが条件。
平成12年、県の申し出により燃焼速度、自然発火の可能性が低いと認定されたのだ。適用は国内線に限るが、紀州材ブランドが全国、そして世界へ羽ばたき、いつまでも和歌山県の主力産業であるよう応援したい。
(岸村敏充/大阪・次田尚弘/広島)
【写真】 リニューアルされた「関空展望ホール」
大阪府泉佐野市泉州空港北1(関西国際空港株式会社提供)