さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

期待集まる、県オリジナル品種 極早生のトップバッター「YN26」

2021-08-22 16:30:03 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、糖度が高く香り豊かな極早生みかん「ゆら早生」を取り上げた。
今週は、ゆら早生を親とする新品種「YN26(ワイエヌニジュウロク)」を紹介したい。


【写真】収穫が早く甘味が強い「YN26」

YN26は平成13年に県果樹試験場で、ゆら早生と紅まどかを交配させてできた、ウンシュウミカンの新品種。着色や減酸が早く、早期の収穫が可能。
ゆら早生よりも成熟が早く、露地栽培でも9月中旬には収穫でき、ハウス栽培であれば8月上旬から出回る。
平成24年に品種登録されてから約10年。ゆら早生よりも一足早く、極早生みかんのトップバッターとして期待が集まる、県のオリジナル品種である。

見た目は、ゆら早生と瓜二つだが、外皮の着色がやや早く黄色の部分が多め。皮に張りが出るほど実がよく膨らみ、ゆら早生よりも外皮が剥きづらい印象。
じょうのうは薄くて食べやすく、糖度が高く減酸が早いことから、極早生みかんに見られる酸っぱさはなく、甘味が優勢。酸味が苦手な方には、ゆら早生よりもこちらをおすすめしたい。

YN26には、ゆら早生や宮川早生のような名称がなく、新品種の研究段階で機械的に付けられたであろう名称のまま。
ネット通販などではこの名称で販売されているケースが多いが、市場では生産者が独自に名付けた愛称で出回っている。

例えば、ゆら早生よりも早く収穫できることから「ゆらのさきがけ」、産地である紀州と親品種の名前をかけた「紀のゆらら」、ゆら早生の子供であることから「由良子」と名付けられるなど、生産者それぞれの思いが込められている。

ハウス栽培のものは、1玉100円から150円程度で販売。極早生みかんの新しい味を試してみては。

(次田尚弘/和歌山市)
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