さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

天然の羊羹と称される 甘柿のルーツ「御所柿」

2023-01-08 13:39:58 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では糖度が高く程よい食感が特徴の「甘秋柿(かんしゅうがき)」を取り上げた。
今週は甘柿のルーツともいわれる「御所柿(ごしょがき)」を紹介したい。


【写真】甘味・粘り気が強い「御所柿」

御所柿は奈良県御所市で生まれたとされる。歴史は古く1645年の書物で大和の名産品として取り上げられており、甘味が強く粘り気が多い食感から「天然の羊羹」といわれ、極上の柿として幕府や宮中に献上されていたという。

御所柿は突然変異によりできた品種とされ、成長過程で渋みが無くなる完全甘柿として各地へ広まった。
富有柿は、御所柿を別の木に接ぎ木して育成されたもので、やがて御所柿よりも富有柿が一般的となっていく。
外観が優れず、栽培が難しいことから次第に栽培される本数が減り、今や「幻の柿」とまで言われるようになった。

現在、奈良県御所市では御所柿を復興させ特産品にする動きが起きている。2009年には市場への出荷を開始し2012年の出荷数は700kgとなった。
奈良県内に残る御所柿の古木は約50箇所。樹齢300年を超えても十分に味の良い果実ができるという。

御所柿のサイズは小ぶりで150g程度。扁平で果頂部はやや尖った形をしている。ヘタは5~6弁と個体によって差があり、果形も五角形や六角形と様々。糖度は17~20度と高い。食してみると粘り気のある肉質が特徴で、まさに天然の羊羹といえる。

筆者は御所柿をかつらぎ町内の産直市場で購入した。奈良県内でも僅かな栽培量の希少品種でありながら、和歌山県内でも栽培されている。
御所柿の旬は11月中旬から12月上旬頃。和歌山県内のみならず手にする機会は稀であると思うが、見つけた際はぜひご賞味いただきたい逸品である。

(次田尚弘/和歌山市)
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