さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

和歌山生まれの完全甘柿 期待の品種「溝端早生柿」

2023-01-15 13:31:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では天然の羊羹と称され、甘柿のルーツとされる「御所柿(ごしょがき)」を取り上げた。
今週は和歌山県内で生まれた「溝端早生柿(みぞばたわせがき)」を紹介したい。


【写真】カリっとした食感と甘さが特徴の「溝端早生柿」

溝端早生柿は「松本早生富有柿(まつもとわせふゆうがき)」の変異種で、1980年に発見、2005年に品種登録されたもの。複数植えた松本早生富有柿の1つが早く色付くことに生産者が気づき、大玉の実が出来ることから変異種であることが判明したという。
かつらぎ町で農業を営む溝端さんが発見し自らの名前を付けたことがその名の由来である。

富有柿よりも少し早い10月中旬に成熟する完全甘柿で、果実は大きいもので400gを超えるものもある。果形はやや扁円をしている。食してみると果肉が緻密でカリっとした食感。甘さも抜群で糖度は20度になるものもある。

完全甘柿とは果実に種が入らなくても渋みが抜けるもの。柿には甘柿と渋柿があることは前述のとおりであるが、実際には「完全甘柿」「不完全甘柿」「不完全渋柿」「完全渋柿」の4種類がある。
不完全甘柿とは果実に種が多く入ることで渋みが抜けるもの(西村早生柿や禅寺丸柿など)。
不完全渋柿とは種の周辺だけ渋みが抜けるもので(刀根早生柿や平核無柿など)、いずれも渋抜き後に出荷される。
溝端早生柿は富有柿や次郎柿と同様に渋抜きが不要な品種である。

農水省統計で栽培面積の記録は無いが、市場に出荷される程度の収穫量はあるよう。
筆者はかつらぎ町内の産直市場で購入。品種登録されているかつらぎ町を中心に出回るとみられる。

サイズが大きく甘さも抜群の溝端早生柿。来シーズン、見かけることがあれば購入し、和歌山生まれの柿を存分に味わってみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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