さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

目を見張る大きさ 長い歴史をもつ「文旦」

2024-01-14 14:02:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、福をもたらす縁起物として、サイズも価格も一流の「獅子柚子(ししゆず)」を取り上げた。獅子柚子は「文旦(ブンタン)」の一種。今週は文旦を紹介したい。


【写真】最大で重さ2kgにもなる「文旦」

文旦は東南アジアを原産とする柑橘。日本には室町時代の末期に伝来したとされる。伝来した地は鹿児島県の阿久根市といわれ、市の木に制定されるほど。

一説には、中国の広東と長崎を往来する貿易船が難破し、現在の阿久根市に漂着し、助けられたお礼に文旦が贈られたことがきかっけ。船長の名が「謝文旦」といい、それにちなんで、文旦と名付けられたという。
文旦は正式には「ザボン」という和名が付けられており、この名称でご存知の方もいるだろう。

品種により多少の差異はあるが、果実の直径は15㎝から25㎝程度。重さは500g程度のものから大きいものでは2kgになるものもある。見た目が似ているグレープフルーツやハッサクは、文旦と別の柑橘の交配により生まれたもの。古くから存在する、伝統のある柑橘である。

食してみると、果汁が多く、実の一粒ずつがプリプリとしている。小玉のものは味が濃く、甘味と酸味を強く感じるが、大玉のものは水っぽさを感じてしまう。

11月頃から翌年4月頃まで収穫されるが、主に出荷されるのは2月から3月頃。
農水省統計によると、収穫量の第1位は高知県(約1万1千トン)で全国シェアの約95%を占める。愛媛県、鹿児島県、宮崎県、大分県と続き、主に西日本の地域で栽培されている。

筆者は県内の産直市場で購入。僅かながらであるが県内でも栽培されているようだ。
新春を彩り、歴史をもつ文旦。その大きさに目を見張るが、ぜひ、その味わいを楽しんでみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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