青春18きっぷ、余らせてしまった。使用期限はあと2日。
書棚から司馬遼太郎を二冊ほど抜き出して電車に乗る。缶ビール片手に読書でもしよう。
やはり車窓は海岸が良い。東京から総武本線に飛び乗り、内房線に乗り継ぎ安房鴨川へ。
乗り換えた外房線は、空と海の青さに魅かれて、次の安房天津で見送ることにしました。
ひと駅分歩いてみようと。
歩き始めてすぐさま後悔した。とにかく暑い。
今更後には引けず、城崎海岸、内浦海岸を経て小湊までの6km弱を強歩する。
まだ夏の陽に照らされた海岸は、幾人かの釣り人と空を我が物顔で舞う猛禽。
夏の終わりの風景だね。
小湊には日蓮上人開基の「小湊山誕生寺」がある。すぐ側から鯛の浦遊覧船が出ている。
内浦湾は妙の浦(鯛の浦)とも呼ばれマダイの生息地として知られている。
この地に大小の鯛が群れ泳ぐのは、日蓮上人誕生時の3つの奇跡のひとつと伝わる。
安房小湊駅に向かう途中、気になる造作のお店があった。
「地魚懐石 魚村」はホテル三日月の正面。平日限定ランチの品書きに魅かれる。
焼き魚定食は、タイ、イサキ、アジ、スズキの4種の切り身が器に載っている。
ちょっと珍しいね、でも其々の味を美味しく楽しめた。
安房小湊駅で時刻表と睨めっこ、で外房線で房総半島周遊するのを止め内房線を戻る。
浜金谷へ。ここから東京湾フェリーで浦賀水道を横切りる。東京湾周遊に変更だ。
浜金谷港17:20発、対岸の久里浜までは35分。陽は水道上で三浦半島に没した。
それにしても航行量の多い浦賀水道を横切るのは容易ではない。
水道を出ていく大型船に合わせて減速したり、迂回したり、久里浜入港は5分遅れ。
至近を横切るコンテナ船との距離感は緊張と迫力があったね。
港からは路線バスで市街へ。京浜急行と比べてなんとも慎ましい久里浜駅から横須賀線。
途中逗子にて湘南新宿ラインに乗り換えて浦和まで、通算370kmの東京湾周遊の旅だ。