旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

休日はローカル線で "揚げゆばまんじゅう" が美味い

2015-04-25 | 日記・エッセイ・コラム

スペーシアは揺れが少ない快適な乗り心地で行程の半分は惰眠を貪った。
"特急けごん7号" は、浅草から東武動物公園を経由して東武日光までを1時間45分で結ぶ。

東武日光線は、東武動物公園前で伊勢崎線と分岐し、世界遺産の町・日光をめざす。
訪日外国人は、円高や東南アジア諸国へのビザ要件緩和で急激にその数を増やしている。
JNTO発表によると、3月期は単月最高の152万人が日本を訪れている。
浅草から乗車した "特急けごん7号" は、満席の乗客の概ね3~4割は外国人観光客だ。

東武日光駅前の「さかえや」で "揚げゆばまんじゅう" を求める。
行列のできる人気店だけど、休日とはいえ午前中なので比較的容易に買うことができた。
日光名物のゆばと豆乳を練りこんだ饅頭に衣をつけてカラっと油で揚げた一品。
饅頭の甘味と衣にふられた天然塩の絶妙のバランス、サクサク感が良い。

今日は午後から日光で会議ということで肝心の「呑み」は我慢せざるをえなかった。
次回は栃木の地酒を味わいながらの旅にしたいね。

Only Yesterday / CARPENTERS 1975年


休日はローカル線で 利根運河と鯉のぼりと勝鹿と

2015-04-18 | 日記・エッセイ・コラム

「呑み鉄」乗り潰しに私鉄線は課してないけど、天気が良いので野田線で出かけてみる。
最近はアーバンパークラインの愛称、新型車両を導入でイメージアップを狙っている。

早速、始発の大宮から二つ目の大宮公園駅で早速途中下車する。
大宮公園にはアルディージャの聖地NACK5スタジアム大宮がある。

氷川神社は武蔵一宮、今日もたくさんの人で賑わったいた。
御祭神は須佐之男命、氷川神社は埼玉・東京・神奈川に280社もあるそうだ。

春日部駅でクロスする伊勢崎線は、日光や鬼怒川へと向かう特急電車が停車する。
野田線の4・5番ホームには立ち喰いラーメンのスタンド、これって珍しい?

利根運河は、利根川と江戸川をつなぐ8.5kmの日本初の西洋式運河。
銚子と東京を結ぶ物流のルートとして1890年に完成、株式会社として運営されたそうだ。
ここを訪ねたのは『勝鹿』という銘柄をだす窪田酒造があるからだ。

 運河駅に途中下車する。東京理科大学のキャンパスが在って、ずいぶん若い人が多い。
真面目そうな学生達の流れは「ふれあい橋」へ、並行して東武電車も利根運河を渡る。
下流へ1kmほど歩くと窪田酒造、残念ながらお酒を求めることはできなかった。

 沿線の中心駅柏は、東武デパートの下に駅がある。
大宮から船橋からの線路がYの字に入線するので、2面4線のホームは一方が行き止まりだ。
直通列車は柏駅で進行方向を変える。手前に大宮行、左手奥に船橋行の新型車両が並ぶ。

柏から船橋は30分ほどで走り抜ける。
野田線は春日部・柏で東京へ向かう幹線とクロスするので、満員の乗客は殆ど入れ替わる。
もちろん、ロングシートの車両では缶ビールさえも楽しめる環境ではない。

<40年前に街で流れたJ-POP>
卒業写真 / ハイ・ファイ・セット 1975年


枝垂れ桜の旧安田楠雄邸にて

2015-04-11 | 日記・エッセイ・コラム


観光関係団体の会合で、千駄木の閑静な高台に在る旧安田楠雄邸を訪ねた。
大正8年の近代和風建築は、関東大震災、東京大空襲の被災を免れて当時の姿を残している。
2階客間から庭園を望む。枯山水の庭園に何故か植えられてしまった枝垂れ桜が雨に濡れて美しい。



サンルームに囲まれた邸内唯一の洋間である応接間、
京都・表千家の残月亭を模した残月の間は、しばしば映画やドラマのロケに使われるそうだ。 

嫁いで来られる夫人のために改造された台所は、当時最新であったアイランド型キッチン、
ガスレンジ、木製の冷蔵庫が残されている。天井には明り取りの窓が設けられている。

旧安田楠雄邸は、公益財団法人日本ナショナルトラストに寄贈・管理され、毎週水・土曜日には一般公開されている。
一般市民はもとより、建築やデザインの専門家や学生、最近では欧米からの外国人観光客が多く訪れるそうだ。

さて会合は、緑豊かな庭園を見渡せる2階の客間で開催された。
格式の高い書院造も、枯山水の庭園も、枝垂れ桜も素晴らしかったけれど、
実のところ私には会合前に供せられた「なだ万」のお弁当が一番満足度が高かった。

<40年前に街で流れたJ-POP>
 シクラメンのかほり / 布施明 1975年


休日はローカル線で 鰆のポアレと湘南ビールと烏帽子岩と

2015-04-04 | 日記・エッセイ・コラム

湘南にだって酒蔵がある。茅ヶ崎の熊澤酒造では丹沢水系の伏流水で酒を醸している。
土産に求めた『千峰天青』は、軽快な味わいの純米吟醸酒だ。
「千峰」は山の頂と交わる青空。「天青」は雨上りの突き抜けるようなすずやかな青だ。

香川駅から徒歩10分、熊澤酒造は「湘南ビール」の醸造元でもある。
酒蔵のトラットリア「MOKICHI TRATTORIA」で鰆のポアレを肴にピルスナーをいただく。
ピルスナーの微かな苦みが美味しい。

あっ、ピルスナーグラスに描かれていたのは烏帽子岩か。海岸に出て気付いた昼さがり。

希望の轍 / サザンオールスターズ