旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Biz-Lunch 幸龍軒@大塚「味噌葱チャーシュー麺」

2024-11-27 | Biz-Lunch60分1本勝負

下町の路地にひときわ目立つ黄色い庇、朱書きで「モツあんかけラーメン」と抜いてある。
テーブルには赤いパイプの丸イス、壁一面にメニューの写真と短冊がペタペタと。これぞ街中華。

そして今日の “味噌葱チャーシュー麺” が着丼。
ちょっと小ぶりな丼に麺がぎっしり入っている。なんだか汁物というイメージではないなぁ。
ピリ辛の葱が山盛りで、サイコロ状のチャーシューが散りばめられて見た目よし。
レンゲでスープを一口、んっ美味い。コクがあってニンニクが利いて食欲を唆る。
あとはひたすらに麺を啜る。ネギといっしょにスープを絡めてね。

満腹を抱えてオフィスに戻る。乾いた北風に背中を少し丸めてね。
口の中に残ったスープのコクと、薄っすら滲んだ汗が今日ばかりは心地よい。
ご馳走さまでした。

<40年前に街で流れたJ-POP>
東京Sugar Town / 堀ちえみ 1984


Biz-Lunch 月見そばとカレー南蛮と ぎんねこ@浦和

2024-11-20 | Biz-Lunch60分1本勝負

急に寒くなったこの頃、10月には “冷やしたぬき” とか “冷やし中華” とか食べていたのに。
たしか先週は “月見そば” をいただいた。暖かいのが恋しい季節になりましたね。
昔ながらの一杯は、海苔にワカメにほうれん草、それにナルトをのせている。
ちょっと濃いめのつゆで楽しんだら、半ばで玉子を割ってマイルドに味変、最後まで美味しい。

さらに今年一番の冷え込みになったきょう、とうとう “カレー南蛮” をいただく。
お出汁の効いた蕎麦屋のカレー、なんでこんなに美味いのだろう。うっすら汗を浮かべてもこの一杯がいい。
そばを啜り終えたら(よせば良いのに)半ライスを追加、丼にそっくり投入して一粒で二度美味しい。

最近は週に一回ほど、浦和の街でランチを食べる機会がある。
モルタルの壁に立体的なサインの老舗は、呑み人が気に入っているお店のひとつだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
十戒 / 中森明菜 1984 1984


布多天神社と鬼太郎と天狗舞と 京王相模原線を完乗!

2024-11-16 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

大きなカーブで横浜線と相模線を跨いだ9000系が、ステンレスを茜に染めて橋本駅に進入する。
LEDはすでに折り返しの本八幡の行先表示になっている。今回は相模原線を旅している。

調布駅からは真っ直ぐ北へ延びる参道があって、正面に布多天神社の鳥居が見える。
布多天神社は少名毘古那神(スクナヒコナノカミ)を祀り、延喜式に名を連ねる古社である。
菅原道真公を配祀しているから、臥して動かない御神牛が本殿を見つめていた。

天神通り商店街の中ほどには「鬼太郎茶屋」って店があって、親子連れやカップルで賑わっている。
なんでも調布は氏が長年創作活動を続けてきた街らしい。命日には「ゲゲゲ忌」なるイベントが催される。

参道にはうっかり見過ごしてしまうほど、キャラクターたちが街並みに溶け込んで居る。
原作と比べると、ずいぶん現代風に柔和な表情になっている、っと感じるのはボクだけだろうか。

相模原線の起点調布駅は、連続立体交差事業の完成により地下化された。
駅舎がない跡地は、バスが頻繁に発着するロータリーがなければ、ここが駅であるとは思えない。

相模原線のホームは地下2階の1番ホーム、おとなり2番ホームの京王線と連絡をとっての発車となる。
地下区間ならではの軽やかなホーンを鳴らして、ちょうど堂々10両編成の区間急行が滑り降りてきた。

調布を発った区間急行は、すぐさま90度の大カーブを描いて南へ転針する。
右手に東京オーヴァルを見て多摩川鉄橋を渡ると。二度目の90度の大カーブを切って再び西へ転針するのだ。

4つ目の若葉台には電車区が併設されていて、様々な表情の電車たちを見ることができる。
電車区から現れた赤いスカートを穿いた5000系は、クロスシートに転換して座席指定列車になる新鋭だ。

若葉台辺りから多摩丘陵に差し掛かり、鉄路には急勾配とトンネルが現れる。
そもそも相模原線の歴史は、この先広がる多摩ニュータウンに急速に増えた人口の都心へのアクセス確保にある。
その中心駅は多摩センター、発車案内板の傍で、駅長の格好をしたハローキティーが「出発進行」のポーズ。

先に小田急多摩線の呑み旅でご紹介したとおり、多摩センターはハローキティにあえる街。
女の子を持つ親御さんにはご存知、サンリオピューロランドがこの街にはあるからだ。

さてこの街にはもう一つ重要なキャラクターが居る。それが縞野さん宅の「しまじろう」だ。
サンリオピューロランドに通じるハローキティストリートに折れると、聳えているのがベネッセ東京ビル。
ビル前の広場には、まるで睦まじい兄妹のようなモニュメント、まぁ虎と猫だから親和性がある。

急勾配を駆け上がってくるのは10-300形、グリーンのイチョウのマークは都営線の車両だ。
終点橋本までのラストランは4区間、ひとつ手前の多摩境から先は神奈川県になる。

さて今宵の一杯はどこで?いや実は乗車前に天神通り商店街の「布多天神社」で蕎麦前を楽しんでいる。

“天狗舞” は霊峰白山をいただく石川の酒、旨味あり酸味ありの “旨醇” 濃い味の料理に合う。
アテは海苔入りの “だし巻き玉子” に “富山の板わさ” を択ぶ。昆布巻きにした蒲鉾ですね。
濃厚な出汁の一品と、さっぱりとワサビ醤油でいただく一品とで、ゆるりと蕎麦前のひとときを単横します。

蕎麦はと云うと “新そば” の食べ比べ、白い陶器は栃木県矢板産、角の陶器は石狩沼田産、どちらも名産地。
いずれも香り高く、指で摘んで食すと確かに味わいも違うなぁ。
でもそれ以上表現する知見も語彙も十分でない呑み人、まぁ美味かったと云うことでご容赦を。

さてっ9年ぶりの京王電鉄の呑み旅を始めたこの頃です。路線の数だけお付き合いくださいね。

京王相模原線 調布~橋本 22.6km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
Masquerade / 安全地帯 1984


酒と肴と男と女 鳥昇@浦和

2024-11-13 | 津々浦々酒場探訪

今宵は雪国の酒で酔うと決めた。まずは “ゆきつばき”、山田錦で醸した純米吟醸は新潟らしい淡麗辛口だ。
そしてこの “肉どうふ” が絶品、モツ煮の鍋で煮込むのかな?豆腐の色が変わるほど煮込んであるね。

飛び込んだ駅近の老舗っぽい焼きとり屋は、木目調のカウンターの奥に二人掛けのテーブルが並ぶ。
乾杯は “ハートランド” って、ふたりが同じものを択ぶのって珍しいと、顔を見合わせて苦笑する。

とりあえずは “やきとり” を塩で、“つくね” は辛子明太子とチーズを1本ずつ焼いてもらう。
この注文が素人っぽくて良いでしょう。実際そうなんだけどね。

コップから升へ “ゆきつばき” が溢れたら、ネギ、ししとう、しいたけを焼いてもらう。
あと “タコのお刺身” ね。これっ箸休めにいいでしょう。

“なす焼き” は生姜で食べると美味しい。すでにここが焼きとり屋ということを忘れているかも。
酒は “住吉” の特別純米に代わっている。これまた雪深い置賜に蔵元がある。
ササニシキを醸したこの酒は、あえて濾過をしないそうで、薄い山吹色をしている。

一昨年の初秋、富山地方鉄道の呑み鉄旅で訪ねた黒部の “銀盤” を品書きに見つけた。こういう再会は嬉しい。
穏やかな香り、まろやかな口当たりの淡麗辛口が美味しい。
こいつをチビリチビリ飲みながら、〆の “おやこなべ” を突っつく。出汁玉子でとじた鶏で温まる。

コートの襟を立てる夜、温かい料理を並べて杯を重ねる幸せ。また日本酒、付き合わせちゃったね。

Piece Of My Wish  / 稲垣潤一&辛島美登里


冠雪の富士と竜宮城としらす丼と 小田急江ノ島線を完乗!

2024-11-09 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

精悍なマスクの新鋭5000形が堂々の10連をくねらせて、相模大野駅の1番ホームに入ってきた。
放射冷却で冷えた朝は真っ青な空が広がっている。湘南海岸からはたぶん雪を被った富士が見れそうだ。

江ノ島線の起点は相模大野、ここで本線と分岐して、湘南の中核都市・藤沢そして片瀬江ノ島を結ぶ。
station SQUARE の吹き抜けには、すでに巨大なX'masツリーが登場して、華やいだ雰囲気だ。

相模野台地大地を貫く江ノ島線は、気持ちが良いほど直線が続く。
最後尾車両で後方を眺めていると、遥か遠くに後続列車の前照灯がチカチカと煌めいている。
その正体は 特急えのしま91号、さしもの快速急行もとうとう大和駅で捕まった。
フェルメール・ブルーの
MSE60000形は、ホーンの音色も軽やかに、先行列車を抜き去って行く。

一転追う立場になった5000形だが、大和駅を出発する頃には、すでにロマンスカーの背中は見えない。
快速を飛ばした快速急行は、やがて大きく減速するや、左に急カーブを切って東海道本線をオーバークロスする。

藤沢駅はスイッチバック構造になっていて、行手は車止めで遮られている。
したがって駅名表示板には、向かって左側に上下線の次駅が、並んで示されているのだ。

片瀬江ノ島までのラストランナーは、クリーム色にブルーをひいた8000形の6両編成。
1983年から走り始めた形式だから、ボクの世代にはしっくりくる小田急電車なのだ。

これに乗ってしまえば潮の香りまではあと15分。クリーム色の6両編成は居合わせた乗客を竜宮城へと誘う。

午前の眩しい陽を受けて江の島大橋を渡る。
濃紺の相模湾にセイルが滑り、白いクルーザーが遊ぶ。
そして童謡そのまま、雲の上に望む富士が、うっすらと雪化粧して神々しい。

賑わう参道を抜けて、鮮やかな朱の鳥居が見えてきた。宗像三女神といって三姉妹の女神様を祀る江島神社だ。
長い階段を登って先ずは辺津宮、田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)を祀る。
八角のお堂・奉安殿には妙音弁財天が安置されている。琵琶を抱えた真っ白な裸体が眩しい。

続く中津宮は朱色の社殿、市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)をお祀りする。

島のピークまで登り詰めると、青空に白い江の島シーキャンドルが映える。
この辺りには茶屋が並んでいるから、混んでくる前に今日の一杯と行きたい。

イカの塩辛をアテに生ビール。ここは “The Premium Malts”、富士を眺めながらの一杯だ。

そしてお待ちかねの “生・釜揚げしらす丼” が着丼、江ノ島まで運んだ目的がこれだ。
生姜を醤油に溶いて、丁寧に慎重に  “生しらす” の上に垂らす。喉が鳴るね。
先ずは “生” をビールのアテにいただく。微妙な苦味がいい。
ビールを終えたら、今度は生姜醤油を大胆に “釜揚げしらす” にかける。
レンゲで運ぶと、海の香りとほんのり甘みが口の中に広がる。美味しい。

満腹を抱えて最後に奥津宮、多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)を参る。
社殿の隣には新しく “龍宮” が建てらた。弁財天である天女と結ばれた龍神が災いから村々を守る伝説に依る。

お昼を迎えて片瀬江ノ島駅は、外国人旅行客や若いカップルで賑わっている。
混雑を見込んで朝活を決めた呑み人は、すでに一杯を楽しんで、江ノ島線の旅を終えるのだ。

小田急電鉄 江ノ島線 相模大野〜片瀬江ノ島 27.6km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
ミス・ブランニュー・デイ / サザンオールスターズ 1984


津々浦々酒場探訪 炉端焼き居酒屋 浦しま@浦和

2024-11-06 | 津々浦々酒場探訪

炉端焼きのその店は、確か1年くらい前にこの交差点に暖簾を掛けたんだと思う。今宵は新規開拓にかかる。
生ビールは “黒ラベル” ね。名入れのジョッキーが誇らしい。星にならないと。
酒場を判断するのに “ポテサラ” は一つの物差し、しっとりしたポテトにいぶりがっこをのせてgood!

刺身が食べたいから日本酒に代えよう。“浦霞” は夏を越えて純米秋あがり、旨味と酸味を感じる良き食中酒。
いいところを切って貰って美味しいんだけれど “刺盛り”、量がちょっとね。
浦和は人気の居酒屋でも刺身はこんな感じの店が多い気がする。たった30キロだけど豊洲は遠いか。

目の前の囲炉裏がパチパチと音を立てて、ボクの “サバくん” が焼き上がった。
燻した香りを楽しみながら箸を入れる。酒は “春鹿” の超辛口、このコクは燻製にも負けない。
北へ行ったり、西へ足を延ばしたり、節操のないチョイスだけど、旨いからいいか。

〆はさらに南へ延ばして、なぜか “ソーキそば” がある。
コーレーグースを適量振ってズズっと啜る。ちょいピリ辛だけどさっぱりと美味しく締める。

次回はも少し炉端メニューで攻めますか。料理は美味しいし明るく爽やかなスタッフに好感度上々の店なのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
六本木心中 / アン・ルイス 1984


春菊天そばとハローキティーと55ホッピーと 小田急多摩線を完乗!

2024-11-02 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

クリーム色にブルーをひいた8000形の6両編成が緩やかに高架から降りてきた。
1983年から走り出したこの形式は、ボクらの世代にとってまさに The 小田急 なのである。

駅ビル acorde の駅名表示はピンクに縁取られて、その駅名と併せてフェミニンな雰囲気だ。
この日は新百合ヶ丘から小田急線を離れ、乗車時間15分、多摩線に寄り道する。

「名代 箱根そば」は小田急沿線に展開していて、新百合ヶ丘では北口構内の壁一面を占めている。
ここは朝食と兼ねて、温かいのを啜っていこう。

背くらべしているのは “春菊天” と “のどぐろ天”、それに青森産の “ほたて天” が参戦して豪華版。
さくさくの春菊天はなかなかの出来で、JR系より高めの料金設定だけど味は申し分ないと思う。

多摩線は3,4番ホームから、生真面目に10分ごと、唐木田に向けて出発していく。
新宿から来る10両編成が3番ホームから、当駅始発の6両編成が4番ホームから交互に出るのがお約束のようだ。

多摩丘陵の低い尾根をいくつも越えていくから、多摩線はけっこうアップダウンがあるしトンネルもある。
3つ目のトンネルを抜けると小田急永山、ここから京王相模原線と並走すると中心駅の多摩センターだ。

「ハローキティにあえる街 多摩センター」と多摩市のホームページではこうPRしている。
なるほど、駅の壁面や柱、パルテノン多摩、たしかに街はハローキティで溢れている。
女の子がいない呑み人には縁はないけれど、この街にはサンリオピューロランドがあるからだ。

結構な勾配を駆け上がって、後続の10両編成は新宿から直通してきた電車だ。
多摩線は京王多摩センターからわずかに1.5キロ、進路を南に転じて唐木田に終着する。

多摩線はいずれ延伸して、相模原で横浜線に上溝で相模線に連絡するらしいが、実現はいつのことだろうか。
そして当面の終着駅 唐木田は閑静な住宅街の中にある。
菖蒲をモチーフにしたステンドグラスのドームを屋根に載せて、1990年開業のこの駅はバブリーな造りだ。

ホームから路線の延伸先を覗くと電車区が展開している。
時には間合いのロマンスカーなども現れて、小田急の車両ってけっこう多彩な顔ぶれなのです。

この時分の日没は16時半頃だから、赤ちょうちんが点る時刻には辺りは真っ暗だ。
そして今宵の酒場は多摩センターに戻って「串焼たくま」の暖簾を潜った。

お品書きに “赤星” を見つけたら迷うことはない。ちょっと一杯な酒場によく似合う渋い奴だと思う。
アテに “タコのネギ塩まみれ” が美味い。このしょっぱさは酒を煽るに違いない。

こうしたニュータウンでチェーン店の向こうを張るのだから、メニューに創意があって楽しい。
続いて “塩辛じゃがバター”、熱々ホクホクのじゃがバターに塩辛のせて、これって焼き過ぎだよね。残念。

ビールのあとは “55ホッピー(赤ホッピー)” を択ぶ。地酒のラインナップもあったけど今回は封印。
ご自慢の串焼きは変わり種を、“柚子ポンレタス” と ベーコントマト” を焼いてもらった。
いい加減に焦げ目のついた肉やベーコンと、ジューシーな野菜の組み合わせがいいね。

今宵、ニュータウンのご同輩サラリーマンやこれから電車に乗る大学関係者に混ざってのカウンター。
聞き耳を立てる訳ではないけれど、ひと様の世迷言などを耳に流しながら、串焼き酒場の一杯が面白い。

小田急電鉄 多摩線 新百合ヶ丘〜唐木田 10.6km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
ピンクのモーツアルト / 松田聖子 1984