旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Biz-Lunch 近頃のレストラン兆峰@大塚

2024-09-25 | Biz-Lunch60分1本勝負

未だにこの店のことはよく分からない。
屋号に「レストラン」と付いているし、雰囲気は町中華そのものだし、味噌汁付きの定食は美味しい。
とりあえず美味しい「茶色」を並べてみた。

熱々の具沢山な餡をかけて “五目焼きそば”、小袋の辛子をふた袋切ったら餡の頂点に絞り出す。
黄色い小山を溶かすようにお酢をかけたら、大掴みの一口めを頬張る。美味い。

黄色い短冊に描かれたメニューが壁中に貼ってある。町中華的でしょう。“ナポリタン” を択んだ。
普段は卓に並んでいないKraftのパルメザンが供される。ちゃんと冷えている。かけ放題なのだ。
モチモチの太麺にケチャップソース、昭和な呑み人には懐かしいおふくろの味だ。
フライパンから無造作に盛り付けた平皿と、安っぽいフォークが、この場合演出効果が効いている。

「揚げ物は控えましょ」って可愛らしい保健師さんとの約束を破って “エビとイカのフライ” が並んだ。
それ位ここのフライは美味しい。グランドメニューから一種類を日替り定食に仕立てて750円で提供している。
そのお得感がまたいい。味噌汁と香の物が付くのが、洋食屋というより和定食な感じなのだ。

っで、この店のことで分かっていることは、指を折って確認する帰り道。
13:30で閉まってしまう、切り盛りするご夫婦の愛想は良くない、どのメニューを択んでもハズレなく美味い。
それでついつい、照りつける残暑の日でも、山手線を越えて歩いてしまうのだ。
いやいや、ごちそうさまです。今日も美味しゅうございました。

<40年前に街で流れたJ-POP>
リトル プリンセス / 岡田有希子 1984


酒と肴と男と女 たく庵@四谷三丁目

2024-09-18 | 日記・エッセイ・コラム

一杯の生ビールを呷ったら、手書きの品書きから大好きな “花垣” を択ぶ。
はじめましての一杯は、福井県産の酒造好適米「九頭竜」を醸した純米無濾過生原酒だ。
シャープでスッキリな純米酒は、ほんのり甘い “だし巻き玉子” をアテに美味い。

荒木町で落ち合う大人の時間は、この日ばかりは新宿通りを渡らずに、四谷三丁目の地下に消える。
隠れ家のような店は、スマホのマップでも開かなければ、その穴蔵は見つからないのだ。

仄暗い隠れ家には7席ばかりのカウンターが延びて、趣味のいい陶器を並べている。
久しぶりの人は最奥の席で、タンブラーを弄んでいる。挨拶はなしだ。

日本海の幸を陶器に盛ったら、山葵と岩塩と辛味噌を添える。キレイだね。いやお造りのこと。
雫石の “菊の司” は、ひとめぼれを磨いた純米生原酒うすにごり、少しガスを感じる爽やでフルーティな酒。
“線香花火” に和金が遊ぶガラスの酒器を並べて、ゆく夏を感じるのもまたいい。

被災した珠洲の櫻田酒造に天狗舞が手を差し伸べて “能登大慶×天狗舞”、ちょっぴり苦味も感じる旨酒だ。
さすればアテは “能登のへしこ” を。この塩辛い糠漬けで何杯かいけそうだ。酒器は陶器に代わっている。

大将のお薦めは “不二正宗” は乾坤一を醸す宮城の蔵、リンゴの香りを感じる甘味あるサッパリした酒だ。
〆は “塩むすび” をひとつずつ、へしこを齧りながら米の旨みを堪能する。

夜の帳が下りるのも少しづつ早くなって、これからの季節、ゆったりと大人のふたり酒もいい。

あなたに逢いたくて / 稲垣潤一 with 松浦亜弥


Go!Go!West! 9 駅そば日記 いろり庵きらく@平塚「冷やしとろろ玉子そば」

2024-09-11 | 旅のアクセント

酷暑は続くし、いつ激しい雨が降り出すか分からない空模様。
案外と、ガンガンに冷房の効いた電車にただ乗っていることが、実に快適だと気付いたこの頃。
読みかけの新書を一冊携えて、昼過ぎの東京上野ラインに乗る。
グリーンとオレンジの湘南電車に揺られること90分、頁がそう進まないうちに平塚に着く。

平塚にも改札内に「いろり庵きらく」がある。
そしてややゆったりしたこの店では、メニューに “ヱビス” の小瓶がならぶ。
よく冷えたタンブラーに黄金色を注いで、真昼のビールが楽しい。

そして “冷やしとろろ玉子そば”、黄身がかった “とろろ” を絡めて、冷たいそばが美味しい。
海岸沿いの町の駅そばは、ふんだんに振りかけた “あおさ” が気の利いたアクセントだ。

さて、次は小田原あたりまで、避暑の駅そば電車旅に出かけようか。

<40年前に街で流れたJ-POP>
SUMMER EYES / 菊池桃子 1984


Go!Go!West! 8 駅そば日記 濱そば@辻堂「冷やしかき揚げ天玉そば」

2024-09-04 | 旅のアクセント

昨年11月、藤沢駅の3・4番ホームで営業していた大船軒が閉店してしまったから、次は辻堂になる。
辻堂のホームは思いがけず幅が広いのだけど、めざす「駅そば」は見つからない。
っで、東改札へと向かう階段を登っていくと。辛うじて改札内に「濱そば」を見つけた。
そして辻堂での選択は、オーソドックスにしかしちょっと贅沢に “冷やしかき揚げ天玉そば” なのだ。

先ずはワサビを満遍なくつゆに溶いて、ピリッとした冷たいそばを啜る。美味しいね。
次にかき揚げをつゆに浸して、解れるほどにそばに絡めて、その甘さを楽しむ。
そばが三分の一くらいになったところで、玉子を箸で割る。ほら麺に絡みはじめた。
玉子の絡み方で味が七変化してこれまた楽しい。最後につゆまで飲み干して満足なのだ。

再びホームに降りる。青いラインの特急が案外心地よい風を起こして通り過ぎていった。
さて、次回は小田原あたりで旅情の一杯を啜るとしましょうか。

<40年前に街で流れたJ-POP>
夏のフォトグラフ / 石川秀美 1984