旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Biz-Lunch 広州市場@大塚「わんたん」

2023-06-28 | Biz-Lunch60分1本勝負

レンゲが下唇にあたってアチぃ、このコクのある塩味ベースのスープは悪くない。
手包の大ぶりな “わんたん” は、たっぷりの挽肉が詰まって、このもちもちが美味しい。
通はレンゲにすくった “わんたん” に、食べるラー油・塩しょうがダレ・にんにくダレを絡めて食べるらしい。
初めましてのボクは、ただただ塩味ベースを楽しむのみだ。

大塚駅から南大塚通りに入ると、ほどなく「わんたん麺 広州市場」が見えてくる。
昼間っから大きな看板にライトが当たって、真っ赤な扉が否が応でも目を引く。

ホールのお姉さんは見たところ5人のうち4人は彼方の人、扉を押した途端に広州(らしい?)雰囲気を感じる。
もっとも彼女たちが話しているのが広東語か北京語かボクには分からないんだけどね。ごちそうさまでした。

<40年前に街で流れたJ-POP>
青い夏のエピローグ / 堀ちえみ 1983


風を感じて! 天空のポピーとZと鬼うどん

2023-06-24 | 単車でGO!

ZはR254をひたすら北上し、東武東上線の急行の終点小川町で左に折れる。
槻川に沿ったワインディングを楽しむうちに、関東平野と秩父盆地を分つ尾根筋に駆け上がるのだ。

標高500m、尾根筋まで続く広大な斜面で約1,000万本のポピーが涼風に揺れている。
決して溶け合うことのないポピーの赤と、澄んだ空の青のコントラストが美しい。

カランカランと鐘の音が響いて秩父高原牧場、見下ろすのは “あついぞ!熊谷” あたりか。
仔牛や羊が遊ぶ放牧地に子どもたちの歓声が聞こえる。

お嬢さんたちの真似をして、右手のスマホで撮ろうと思うが、なかなか上手くいかない。
そうこうしているうちに濃厚なミルクが指に絡んでくる。口を窄めて冷たいソフトクリームが美味しい。

尾根を越えるピークは天空の展望台、東に関東平野、西に秩父の山々を眺める。

ひとつふたつとカーブに身体を合わせると、突然、視界いっぱいに赤が広がる。
ところどころにピンクやオレンジを従えて、赤いシャーレーポピーが彩る牧草地はまさに天空の楽園。

槻川の谷まで降りて、今度は県道11号を定峰峠へと登っていく。
この峠はヒルクライムの入門的なコースらしく、多くのロードバイクとすれ違う。

走り屋の若者たちを描いたアニメ「頭文字D」の聖地に、名物「定峰峠の鬼うどん」がある。
っとタイガーカラーのZが停まっている。なんだか嬉しい。

冷たい麦茶を飲みながら10〜15分、本格手打うどんの茹で上がりを待つ田舎家での時間を愉しんで、
ゴボウ、ニンジン、おろし大根、かつおぶし、天かすを満載して “きんぴらからみ鬼うどん” が美味しい。

涼しい早朝に発ってワインディングを走り、ご当地グルメを楽しんだら、昼下がりには帰路につく。
夏のツーリングは始まったばかりなのだ。

<40年前に街で流れたjazz fusion>
Hello Goodbye / The Square 1983


Biz-Lunch きょうは榕城@旧東海道・品川宿「エビそば」

2023-06-21 | Biz-Lunch60分1本勝負

ゴロっと大きなむき海老を浮かべて “エビそば” が着丼。美味いんだなコレが。
エビが主役の五目そばってところかな、濃ぉい塩味のスープを絡めて中太麺が美味しい。
案外ガテン系のお客さんも多いから、この街の中華はどこも盛りがよく味が濃い。ボクの年代は要注意。

そうそう「登龍」じゃないよ。きょうは「榕城」って品川神社に向かう北馬場参道の町中華。
麺類や定食ものならこの店がお勧め、旨辛の “ミニ麻婆丼” が脇を固めて美味しい嬉しい。
この日も連日の30度超え、ランチ遠征が少し辛くなってきたこの頃なのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
渚のライオン / 早見優 1983


富山湾と立山連峰をのぞむワイナリーで

2023-06-17 | 旅行記

富山湾と立山連峰をのぞむ丘の上のワイナリーにやって来た。
もっとも午後から降り出した五月雨に山は霞んでいる。今日は緑に囲まれたゲストハウスで呑みたい。

酔う前にレポートしておく。
エントランスの左側には12人掛けのテーブルを設えたリビングダイニングがある。
壁際にはアンティークな薪ストーブがあって、黒々とした煙突が天井を越えて立ち上がっている。
広々としたオープンキッチンは仲間でワイワイやりながら料理するのも楽しそうだ。

エントランスから右へは白く長い廊下が延びていて、ベットルームが3つ並んでいる。
突き当たりには、オープンスペースにつながる広々としたジャグジーがある。
なぜかここにワインセラーがある。このオープンスペースでシャンパンを開けるのもいい。

ゆったりとしたソファーに身体を沈めたら、二度と立ち上がれそうもないくらい心地よい。
“シードル” のマグナムボトルを開けて華やかな香りをワイングラスに注ぐ。
BluetoothスピーカーからJazzが流れる。
この雨で葡萄畑を散策できないから、ゆっくりと流れる時間を愉しみたい。

最後のひとりが呼び鈴を鳴らすころ、ディナーサービスが運ばれて来た。
ワイングラスとシルバーセットはいそいそと並べて置いたから、宴を始めるのに時間はかからない。

“SAUVIGNON BLANC 2022” で互いのグラスをあわせたら、オードブルを取り分ける。
鯵のマリネ、鰆のカルピオーネ、自家農園の卵のフリタータ、豚肉のパテ・ド・カンパーニュ、
白ワインに合わない訳がない。

氷見で揚がった黒鯛と真鯛、アサリとムール貝をしたがえて “アクアパッツァ”。
爽やかな “YOKAWA BLANC 2020” に漁師飯が美味しい。

色鮮やかな野菜たち、STAUB鍋は “富山ポークのブレゼ” だ。
オープンキッチンのコンロの弱火で40分ほど、重い蓋を開けるとオリーブオイルの香りが広がる。
出来上がりを待つのは “Merlot 2020”、華やかで優しい口当たりだね。

コクと旨みがぎゅうと詰まった “氷見牛ボロネーゼ” を抓む?言っていることが怪しくなっている。
ワインももう分からない。目の前の “ROSE 2019” を自ら注いでゆるりと愉しんでいる。

翌朝のダイニングテーブルに空いたボトルを並べて一枚、よく呑みました。
昨年、室町和久傳 × SAYS FARM のイベントに参加して嵌ってしまったワイナリー、
とうとう現地まで来てしまって、ワイワイと楽しく美味しいステイだったね。

ひんやりとしたワインセラーに降りる。
樽やボトルで眠る子たちに「美味しくなって出ておいで」っと思わず声をかけるのだ。

Tell Her About It / Manhattan Jazz Quintet 1983


Biz-Lunch きょうの登龍@旧東海道・品川宿「麻婆丼」

2023-06-14 | Biz-Lunch60分1本勝負

大盛りどんぶり飯をボウルに伏せたら、惜しげもなく麻婆豆腐をかけて “麻婆丼” が着丼。
差し込むレンゲが埋まってしまうほど、この大盛り、手応えあり。

決して本格中華ではない。唐辛子も花椒も感じない。子どもも喜ぶ家庭の麻婆豆腐が美味しい。
具だくさんの豆腐が不揃いだったり、ひき肉が塊になってたりするのも楽しい嬉しい、呑み人のNo1メニュー。

前に並んでいた3人組は会話の内容からして初見参組、2人は大盛り炒飯を注文していた。
なぜだか最近ブレーク気味、北品川商店街の大盛り中華の「登龍」なのだ。

Gemini / 川島なお美 1983


ドラえもんと海の貴婦人と運河沿いのBARと 万葉線を完乗!

2023-06-10 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

合掌造りの白川郷を流れる庄川は100kmの旅を終えて富山県射水市で富山湾に注ぐ。
その河口近くの庄川鉄橋、轟音を響かせて超低床電車「アイトラム」が渡っていく。
こんな鉄橋を軌道車両(路面電車)が走る風景は、そうそう多くで見ることはできないだろう。

高岡の街は「ドラえもん」に溢れている。ここは藤子・F・不二雄氏の故郷なのだ。
駅前の「ドラえもんの散歩道」には、高岡ならではの銅像のキャラクターが遊んでいる。

瀟洒な高岡駅ステーションビルには「ドラえもんポスト」がある。これも銅製だ。
このポストに手紙を投函すると、ドラえもんの消印が押されるからぜひお試しを。
そうこうしているうちに、07:45発の越ノ潟行きが、駅ビルに突っ込むように高岡駅停留場に入ってきた。

黄色い矢印のシグナルが点灯して「ドラえもんとらむ」がゆっくりと滑り出す。
青×赤のドラカラーを装い、ほら、ピンクに塗られた乗降口は「どこでもドア」になっている。

万葉線の高岡駅停留所から庄川鉄橋手前の六渡寺駅は軌道法という法律に準拠するいわゆる路面電車。
官庁や銀行、オフィスや病院がならぶ電車通りをドラえもんが走る。

3つ目の電停で途中下車、坂下町交差点から緩やかな坂を上って行くと、端正な仏様が見えてくる。
銅器製造技術の粋を集めた高岡大仏、歌人与謝野晶子は「鎌倉の大仏様より一段と美男子」と言ったとか。

真紅の「アイトラム」が庄川鉄橋をまるで這うように渡っていく。
六渡寺駅から庄川を渡って終点の越ノ潟駅までは鉄道事業法に拠るところの鉄道線になる。

ドラえもんトラムの旅は続く。射水市新湊、この辺りの海岸を「奈呉ノ浦」といった。
『あゆの風 いたく吹くらし なごの海士(あま)の 釣する小舟 漕ぎかくる見ゆ』
万葉の歌人大伴家持は国司として赴任したこの地で歌を残している。
なっなるほど、それで万葉線なのか。

新湊漁港の「きときと食堂」でお昼にしよう。キトキトとは富山の方言で「新鮮」な様をいう。

白えびとカニがハーフ&ハーフの “紅白丼” を択ぶ。ワサビをたっぷりと溶いた醤油を垂らして旨い。
この時季、最後のベニズワイと獲れはじめた白えびが出会って、美味しいハーモニーの丼なのだ。

海の貴婦人「海王丸」が、雪が残る剱岳を背景に白いドレスを広げて美しい。
この日は「総帆展帆」のイベント(年10回)開催日、これを狙って訪ねたわけだ。
(総帆展帆と言いながら上部が張られていないのは「ボランティアが足りなかった」とのこと)

余談だけれど、弟は商船時代にこの「海王丸」で世界周航の訓練航海をしている。

最後のひと区間、まもなく還暦を迎える デ7000形 の電車に揺られる。
唸りを上げるモーター音、オイルの匂い、揺れに合わせてラインダンスする吊り革たち、
夕暮れの風景の中、こんな旧い電車に揺られるのも、また愉しい。

終点の越ノ潟駅は越ノ潟フェリー(富山県営渡船)に直結している。
富山新港造成に伴う港口切断により廃止された鉄道や県道の代替交通手段は無料、対岸までは7分の旅だ。
「兄ちゃん乗ってみるかい」って声をかけられた。この便は誰ひとり乗船することなく桟橋を離れた。

駅を4つ戻ってノスタルジックな雰囲気漂う内川エリアを歩く。潮の香りがする。

橋の上でカメラマン氏と談笑、今日はこの運河の延長線上に夕陽が落ちる日だそうだ。が、あいにく厚い雲だ。
氏のInstagramを拝見する、茜に染まる空とそれを映す運河、運河の先で朝陽に輝く剱岳、美しい。

古民家をリノベーションした隠れ家的な運河沿いのBAR、重い扉を押すと異空間が広がる。
カウンターに落ち着いたら、まずは冷たい “スプマンテ” を一杯。

黙々とグラスを磨いているバーテンダーのひとりは甥っ子だ。
国立の修士を終えた彼、そのまま富山に残って何やら地域おこしの活動をしているらしい。
そんな生き方も良いかもしれない。

BARのオーナーはアメリカ人、いきおいアメリカンウイスキーのラインナップが多い。
生ハムとナッツを並べてライ麦のウイスキー、ほろ苦くてスパイシーな一杯を愉しんでいる。
グラスを傾けるほどに、初めてだけどどこか懐かしい、そして案外縁のある新湊の夜が更けゆく。

万葉線 高岡駅前〜越ノ潟 12.8km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
メリーアン / THE ALFEE 1983


Biz-Lunch 娘娘(ニャンニャン)@浦和「スタミナラーメン」

2023-06-07 | Biz-Lunch60分1本勝負

熱々の餡かけスープをひと口ふた口、中太の麺をズズッと啜る。もう頭皮に汗を感じる。
醤油味のスープに、ニラ、挽肉、豆板醤を入れた「ピリ辛」の “スタミナラーメン” が美味しい。
酢醤油を付けて小ぶりな餃子を口にを放り込む。ジュわぁっと肉汁が溢れるモチモチがこれまた旨い。

賑やかな街並みが閑静な住宅街に変わるあたり、瀟洒なマンションの1階に暖簾分けの店ができた。
南欧風の洋食屋さんを居抜きした店舗でこのソールフードを食べるのはなんだか勝手が違う。
いずれ豆板醤の匂いが染みついた、あの北浦和の路地裏のような味のある店になるだろうか。

<40年前に街で流れたJ-POP>
エスカレーション / 河合奈保子 1983


能登の里山里海とis68と旬鮨と のと鉄道を完乗!

2023-06-03 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

シグナルが青に変わった。交換の上り列車を待って「のと里山里海1号」が走り出す。
終点まではあと2駅のラストスパート、緩いカーブの先には海が再び見えてくるはずだ。

能登キリコ祭りの山車の車輪が存在感ある和倉温泉駅、朱に白地の駅名板が雅やかだ。

09:01、日本海の深い青を表現した濃紺のボディーを輝かせて「のと里山里海1号」が入線してきた。
アテンダントに迎えられて「のと鉄道」の旅は始まる。穴水までは約1時間だ。

のと鉄道は七尾湾を抱き込むようにして北へ走る。
田植えを終えた田圃の向こうには、鏡面のように穏やかな七尾湾が広がっている。

往路はオレンジ色を基調の里山車両、海に向いたカウンター席で車窓を流れる風景に心を癒し、
復路はブルーを基調にした里海車両、ボックスシートで地酒を呑みながら気動車の揺れに身を任すのだ。

交換駅ですれ違うのはなんと3両編成、「花咲くいろは」ってヘッドマークをつけている。

どうやら石川県の湯乃鷺温泉の旅館喜翆荘(きっすいそう)を舞台としたアニメらしい。
西岸駅は作中に登場する「湯乃鷺駅」のモデルであり、駅名標も設置されている。

ひとつ手前の能登中島駅は旅の中間点、のと里山里海1号は10分間の停車となる。
留置された旧国鉄の郵便車オユ10形客車を見学したり、かき釜飯弁当を求めたり、乗客には楽しい時間だ。

能登中島を発った気動車は山越えをする。案外急な勾配にディーゼルエンジンが唸りを上げる。
ピークを越えた下り勾配で一瞬山が途切れると、深浦のエメラルドグリーンの入江が見える。キレイだ。

こんな景色を眺めながらの地酒 “is68百万石乃白” は県産米を能登杜氏が醸したまさに石川の純米大吟醸。
甘く華やかな香りのジューシーな酒と能登の旬鮨を愉しむ。いや旨いねぇ。

再び車窓いっぱいに広がる七尾湾が中天にかかる陽に煌めく。
整然と並ぶのは牡蠣筏か。こんどは旬の時季に訪ねたいものだ。

2つの短いトンネルを潜ると旅の終わりの穴水駅。
かつては輪島までさらに20km、ここから分岐して蛸島まで能登線が60km延びていた。
今では穴水が終着駅。奥能登へは路線バスが細々と津々浦々を結んでいる。

のと鉄道 和倉温泉〜穴水 28.0km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
天国のキッス / 松田聖子 1983