旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

風を感じて! 白亜の蒸留所とZと八ヶ岳高原ライン

2024-11-09 | 単車でGO!

楓が真っ赤に色付いて、赤岳(2,899m)から吹き下ろしてくる風が冷たい。
八ヶ岳高原ラインを駆け上がって、まきば牧場までやって来た。谷の向こうには清泉寮が見える。

急に山が見たくなった。10時を回ってから中央フリーウェイに飛び乗る。
澄んだ秋の空だから、富士、甲斐駒、八ヶ岳はその秀麗な姿を見せてくれるだろうか。

韮崎ICを降りたらR20を信州方面に向かう。10年ほど前に甲州道中を歩いたのがなつかしい。
見覚えのある火の見櫓から右手に旧道を入ればそこは台ヶ原宿。
閑静な集落の中に “七賢” の山梨銘醸と “信玄餅” の金精軒が在って、そこだけ賑わいがある。

ロッジ風の建物は、七賢が直営するレストラン臺眠(だいみん)がある。
ここでは「発酵」の技を活かした酒蔵の伝統料理を味わうことができる。

択んだのは “甲州豚の塩糀づけ焼き”、七賢塩糀で漬け込んだ富士桜ポークが美味しい。
これに “麦ご飯” と “とろろ” がよく合う。田舎汁が泣かせるね。

ここからZで10分、南アルプスの麓に抱かれて白州蒸留所がある。
どうやらリニューアルしたばかりの白亜の蒸留所は完全予約制に変わっていて、今回は入場が適わなかった。

ところで白州からの八ヶ岳は美しい。
もう時計は15時を回っているんだけど、この山容にもう少し近づきたくなる。

無茶を承知で小淵沢ICを通過、右に左にZを倒し込んで八ヶ岳高原ラインのワインディングを駆け上がる。
徐々にシルエットに変わっていく八ヶ岳連峰と眼下に見渡す色付き始めた高原がキレイだ。

さてと震えて帰るか、山裾を下っていく赤や黄と競うように麓のICを目指してZを走らせるのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
悲しきダイアモンド・リング / 稲垣潤一 1984


風を感じて! 九十九里ビーチラインとZとオーシャン・ブルー

2024-10-12 | 単車でGO!

水揚げが終わって、静けさを取り戻した漁港には、釣り人が糸を垂れている。
少しだけ早起きをした連休のある日、美味いモノを食べようと遠出をする気になった。

っで、東金九十九里有料道路を海に向かっている。もう少し走れば潮の香りがして来そうだ。
zの丸みのあるタンクに、秋の深い青空と、夏の名残りの強い日差しが映り込んでいる。

海に出る前に、成東の浪切不動院に寄ろうと、台方ICで車体を左に倒し込んだ。
山門と本堂、緑に映えるその鮮やかな朱色にzが溶け込んで見える。

聖武天皇の御代、行基が難破船の海難除けとして、波を切る巌の上に不動尊像を刻んだものだと云う。
海岸線はかなり後退したけれど、不動明王は成東の町並みを一望し、その先の大海原を見つめている。

浪切不動院から海岸線までは約8キロ、はるかに太平洋が広がる。
片貝海岸では波に戯れる恋人たちがシルエットになって、ボクにはずいぶん前の想い出だけが残る。

振り返ると、いわし料理やらだんご汁の幟がはためいて、呑み人を誘う。
「まるに」は九十九里浜を一望して、浜焼きが楽しめる食事処だ。

鮮やかな赤身、舌の上で中トロがとろけて “まぐろ刺し” が美味しい。
なんとなく注文してしまうのがノンアル、まぁ気分の問題なのだ。

大ぶりな6尾を盛り付けて “いわしフライ” が登場、茶碗蒸しと2つの小鉢を従えて、食べ切れるだろうか。
小鉢の煮豆とイワシの酢漬けは泣かせる。この際冷えた酒を升に溢してもらいたくなる。
それにしても特製ソースと和辛子を少々付けて、揚げたてのイワシが美味しい。

午後は潮風を浴びながら、九十九里有料道路で緩やかな弧を描く。爽快そのものなのだ。
どこまでも走りたい海岸線だけど、とりあえず九十九里の南端、太東岬まで行ってみよう。

R128を左に折れて、リアス式の海岸崖を駆け上ると、突然、白亜の太東埼灯台が屹立する。
海抜58mから望む太平洋は、水平線に向かって「青」がグラデーションするオーシャンブルー。キレイだ。

遥かに弧を描いている九十九里を目に焼き付けたら、街に向かって北へ走ろう。
ようやくzと走るいい季節がやってきた。次の週末、風を感じてどこまで行こうか。

<40年前に街で流れたJ-POP>
オーシャン・ブルー / 稲垣潤一 1984


風を感じて! 奥多摩周遊道路とZと気ままにREFLECTION

2024-06-22 | 単車でGO!

もう朝とは言えない時間に階下に降りるる。そっと黒いシルクのシーツを少し捲ってみる。
「あらっ、ずいぶん久しぶりね」っと少し険がある。こういう時は逆らわない方がいい。
確かに春以来、酒呑みの鉄道旅ばかりが先行して、この季節まで一緒に出かけることはなかったから。

シーツを足首のあたりまで剥いでしまう。
覆い被さるように跨ると、骨ばった右手で優しく左手を包む。恋人繋ぎってやつだ。
少しだけ手首を手前にひねると、小刻みな鼓動が大きくなる。いつも通りだ。

奥多摩大橋を渡ると、ふたりが走る道はいよいよ渓谷の景色になってくる。
内緒だけれど、まったく思いつきのツーリングは、青梅街道を走らせてここまでやってきた。

しなやかな脚にブラウンのタイトスカートを纏い、さりげなくシャンパンゴールドのアンクレット。
上品なオレンジのトップスに案外ボリューミーな上半身を包むコーディネートはいつもの通りだ。

鳩ノ巣渓谷あたりだろうか、何艇かのカヌーが白い飛沫を滑っていった。
「知らないうちに季節が過ぎたみたいね。すっかり夏なのね」って、まだご機嫌は斜めなのだろうか。

ランチは沢井の「豆らく」にウインカーを出した。
渓谷の吊り橋の下をキラキラと清流が流れ、広葉樹の緑から初夏の日が溢れる。
渓谷を渡る風に髪をとかれ、「ステキなところね」と呟く。
だんだんペースを引き寄せただろうか。鉄道旅では何度か訪れたけど。ふたりで来たのは初めてだ。

鳩ノ巣あたりから、バイクの隊列に前とを塞がれて走ってきたけれど、
小河内ダムまで駆け上がるころ、ようやく二人きりになる。鼓動が伝わってくる。
夏に向かって水を湛えた奥多摩湖は深いエメラルド、山肌から新緑が覆い被さって、東山魁夷の世界だ。

深山橋から三頭橋を渡って奥多摩周遊道路へと進む。ここは都心からも近い関東屈指のワインディングだ。
三頭橋(530m)から風張峠(1,146m)まで一気に駆け上がる爽快感から、多くの走り屋たちが集まってくる。

っと2眼ヘッドライトのフルカウルのスーパースポーツが、甲高いエンジン音で後ろから迫ってきた。
短い直線で左にウインカーを出して先を譲ると、
赤いランプはライダーの膝がアスファルトに触れるほど内倒させて、小さいRを抜けて緑の向こうに消えた。

「案外意気地がないのね」えっ、思いがけず衝撃的な呟き。
あっさり2眼ヘッドライトを先に行かせたことを云っているのか、
それとも出会ってから2年、なかなか進展しない二人の関係を揶揄しているのだろうか。

月夜見第一駐車場から奥多摩・奥秩父の雄大な眺望を楽しむ。
一瞬、雲間から陽が射して、キラリと湖面が輝いた気がした。

「ねっ、ダムがあんなに小さく見えるわ」ライダージャケットの袖を引きながら声が弾けた。
さっきまでのクールでちょっといけずな様子から打って変わった。やれやれ。

この先、白樺の清涼感に包まれて、開放感たっぷりの尾根沿いの道が待っている。
今年はふたりして、どんな景色の中を旅することができるだろうか。本格的な夏がやってくる。

<40年前に街で流れたJ-POP>
気ままにREFLECTION / 杏里 1984


風を感じて! 野島埼灯台とZと房総フラワーライン

2023-12-16 | 単車でGO!

日中の気温は20度まで上がるという天気予報に促され、Zをツーリングに誘う休日。
せっかくなら陽光溢れる南房総をめざそう。Zはシートに包まってまだ眠そうな様子だ。

360°を海に囲まれた「海ほたるパーキングエリア」はボクにとって初めての訪問。
案外足速にタンカーや貨物船が行き交い、銀色の翼が次々に舞い降りて来るから、飽くことがない。

東京湾アクアラインから館山道に乗り換えて、ひたすら南へ向かう。シールド越しに太陽が眩しい。
房総半島最南端に位置する野島崎、八角形の洋式灯台「野島埼灯台」の白亜が青空に映える。

房総フラワーラインを西に走る。
海岸線は近くなったり遠くなったりするけれど、それでもきょうは穏やかな潮風は終始感じている。

フラワーラインが伊戸漁港に差し掛かったら、オレンジのLEDを瞬いて「漁港食堂だいぼ」を訪ねる。

つい注文してしまうノンアルコールビール、ブッフェの “わかめ卵とじ” がなかなか美味い。

まぐろ、ブリ、真鯛が踊って “定置網丼” が登場、なんとも豪華じゃないですか。
わかめを絡めたりして新鮮な刺身が美味しい。っと、下から “なめろう” と “しらす” が姿をあらわす。
それではっと、わさびを溶かすように熱い出汁をかけて、このお茶漬けまた絶品なので。

真っ直ぐに西へ延びていたフラワーラインは北に向きを変えると洲崎神社そして洲埼灯台。
対岸の三浦半島は剱埼(つるぎさき)灯台とを結ぶラインが東京湾の入り口になる。

冬至が近い冬の太陽は足速に西へと過ぎ去り、スロットを絞っても追いつくことはない。
館山湾(鏡ケ浦)をぐるりとめぐる間にもどんどんと高度を落としていく。

ペリー率いる黒船艦隊が初めて浦賀沖に来航してから今年で170周年になるそうだ。
復路は黒船(サスケハナ号)を模したラッツピングの東京湾フェリーで横須賀へ渡ろう。
大島と伊豆半島に嵌るように大きな夕陽が沈む。ジュって音がしたような。たぶん今年最後のツーリングだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
LONG AFTER MID-NIGHT / 稲垣潤一 1983「


風を感じて! 冠雪の富士とZと錦繍の湖北ビューライン

2023-11-25 | 単車でGO!

河口湖周辺の紅葉が見ごろを迎えていますね。
色鮮やかな紅葉の中に浮かび上がる富士山を見ようと、早朝の中央フリーウェイへZを走らせる。

先ずはインバウンドから人気に火がついた新倉山浅間公園を訪ねる。
雄大に裾野を広げる富士山、朱塗りの五重塔、紅く染まったソメイヨシノ、美しいね。

新倉河口湖トンネルを抜けて河口湖畔に出る。ここから暫く湖北ビューラインを愉しむ。
もみじ回廊の渋滞を抜ける頃には、晩秋の陽は南に回って、富士は青いシルエットに変化していく。

大石公園のパークキングにスタンドを立てる。
真っ赤に紅葉したコキアと富士山のコントラストがキレイ?いや少々遅かったかなぁ。

右に左に身体を傾けて、湖畔のワインディングロードを走らせる。カーブを重ねるごとに富士は表情を変える。
長浜のT字路を右に折れて河口湖に別れを告げる。小さなピークを越えると西湖のススキの原が見えてきた。

紅葉に囲まれた湖畔のそば処、重厚なテーブルとイスに身体をあずける。
すでにストーブに火が入っているね。窓越しに湖畔の紅葉を眺めて、そばを待つ時間も愉しい。

“とろろ蕎麦” を択んだ。信州の二八だね。
前半は大和芋のとろろにうずらを落としてそばに絡める。この粘りと淡白な味がいい。
後半は辛めの汁に山葵を溶いて、ちょいと浸してズズッと啜る。なかなか美味い。

湖北ビューラインをさらに西へ進める。
西湖根場浜できょうの一枚、モミジにススキに冠雪の富士山、それにZ、満足だ。

湖北ビューラインはいつしかR139と合流して深い樹海を抜ける。青木ヶ原大橋からの眺めが雄大だ。
精進湖展望台からの富士山、駆け足で西に傾く晩秋の陽に冠雪がキラリ煌めく。

ここらで富士に背を向けて、精進ブルーライン(R358)は女坂峠を越えて甲府盆地へと降りる。
ほどなくやって来る冬の気配を風に感じて、Zを走らせた小雪近い週末なのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
ロング・バージョン / 稲垣潤一 1983年


風を感じて! 錦繍の赤城山とZとキノコピッツァと

2023-11-04 | 単車でGO!

青々とした牧草地が広がって、まるで北海道の牧草地のような風景でしょう。
昨夜、Webの紅葉情報と睨めっこして、目的地を赤城山に択んだ。カルデラ湖周辺が見ごろを迎えている。

ほぼ日の出の時刻にイングニッションを回してR17を北上してきた。朝の空気は引き締まるほどに冷たい。
4車線になったり2車線に戻ったり、まだまだ整備途上の上武道路、利根川を渡ると赤城山の存在感が大きくなる。

P17(上武道路)の高架を降りて、県道4号線へ右折する。
正面に赤城山を捉えて裾野を駆け上がると、ひときわ目を引く朱色の「赤城山大鳥居」が見えてきた。

県道4号線には100m単位で標高を示すサインボードが出ている。
雄大な裾野が広がる赤城山だけど、さすがに900mを越えると九十九折りが始まった。

1,000mのボードがキラリと煌めくころには、身体が硬くなった気がする。電光掲示板は10°を切っている。
外輪山を越えるピークは1,400m、その内側には錦繍の世界が広がっていた。

昨日は大陸から流れ込んだ寒気の影響で、上越国境は降雪とニュースが流れていた。
そのおすそ分けだろうか、最高峰の黒檜山(1,828m)にはシュガーパウダーが振りかかっている。

原生林に囲まれた大沼は80万㎡のカルデラ湖、北西の外輪山の切れ目から沼尾川となって流れ落ちる。
湖面の藍と、周囲の峰々にナナカマド・ミズナラ・カエデの赤や黄とのコントラストが美しい。

大沼湖畔に建つ朱塗りが美しい赤城神社は、赤城山と湖の神様「赤城大明神」を祀ったパワースポットだ。
穢れを清める手水舎で龍神が御神水を吐いているのが印象的なのだ。

最高峰の黒檜山(1,828m)直下で外輪山を越えたら、北へ流れる赤城川に沿って沼田方面に降りる。

この県道が根利川にぶつかると南郷温泉がある。
この地で神官や名主を務めた鈴木家が関東では珍しい曲り家を一般公開している。
庭先の足湯を拝借して一息、寒さで凝り固まった身体が溶けだすようだ。

県道62号線に乗ったら、赤城山の東麓をぐるっと巡って南に転針する。
Zが渡良瀬川渓谷に向かって降りはじめた辺りに、プチリゾート風の一軒家レストランを見つけた。

秋らしく柿が入ったサラダを突っつくうちに “キノコピッツァ” が焼きあがった。
厚切りベーコンと風味あるしめじを絡めて、トロりチーズが糸を引いて、なかなかの美味。
熱いコーヒーで一息ついたら、乾いた北風に背中を押されて都会へ帰ろう。

<40年前に街で流れたJ-POP>
ASPHALT LADY / 杉山清貴&オメガトライブ 1983


風を感じて! 伊豆スカイラインとZと夏のクラクション

2023-09-30 | 単車でGO!

眼下に駿河湾が弧を描いて煌めいている。
夏の落とし物と、秋の気配を探して、この休日は伊豆スカイラインまで登ってきたのだ。

箱根ターンパイクを駆け上がって大観山展望台。ここで1,000m
碧い芦ノ湖に観光船が滑り、富士が美しい裾野を広げている。
最高気温30度の予想でもここまで登ると風は冷たい。ボクだけがメッシュ地のジャケットで夏のままだ。

玄岳(くろたけ)の尾根をワインディングロードが銀のクレヨンでなぞっている。
大自然の中を走り抜ける爽快な絶景ロードは、伊豆初心者のボクには外せないルートだった。

冷川ICでスカイラインを降りたら、狩野川の谷まで高度を下げる。
天城街道を南進すると「浄蓮の滝」のサインが見えてきた。
深い樹木が生い茂る柱状節理の岩肌に、白く太く流れ落ちる水からキラキラと飛沫が舞う。
けっこうな深さを持っているであろう滝壺は神秘的に碧い。

浄蓮の滝の降り口には伊豆の踊子の像がある。まったくここは観光地なのだ。
私が指差し踊子が見上げるのは天城山だろうか。

R414でさらに狩野川を遡ると10分ほどで天城峠、とは言っても800mの新天城トンネルで抜ける。
旧道はさらに山の上を旧天城隧道が穿っている。

新天城トンネルを抜けると、寄り添う流れは南へと向きを変えている。
上半身を左側に投げ出して、R414は河津七滝ループ橋で一気に高度を下げる。
ループの下に七滝を連ねた河津川は相模湾をめざす。

下田の町を目前に箕作という集落で西に転進すると、婆娑羅峠を越えて西伊豆へ向かう。
駿河湾と出会う松崎はドラマ「セカチュー」のロケ地になった。白と黒のなまこ壁の町にZで紛れ込む。

2つの川の河口に開けた松崎港、潮風が吹き抜ける田舎家風の店できょうのランチ。
じゃこ、ひじき、それに塩辛の小鉢が並ぶと、思わず冷や酒を求めたくなるね。

水色の器に造りが登場、ねぎと生姜をのせてアジが良いね。
分厚い本マグロ、それに真鯛、目鯛、金目鯛が並ぶ、おろしたての生わさびで美味い。
追いかけて炭火で焼いたアジの干物がやってきた。すぅっと箸をとおしてご飯と一緒にかき込んで旨し。

午後は西海岸を北上する。R136は駿河湾の入江と入江をトンネルで繋いで北上していく。
このルートには風光明媚なジオサイトが次から次に現れては流れていく。

もう少し粘れば夕陽を浴びて黄金色に輝く美しい岩肌を見ることができるだろうか。
黄金崎の「馬ロック」の景勝にちょっと寄り道。

彼岸を過ぎて驚くほど急ぎ足で陽が短くなった気がする。
あれだけ暑かった夏が、カーブをひとつ曲がるたびに過ぎ去っていく。

<40年前に街で流れたJ-POP>
夏のクラクション / 稲垣潤一 1983


風を感じて! ビーナスラインとZと夏の行方

2023-09-02 | 単車でGO!

標高1,700m「女の神展望台」気温26°
さっきまで雲に隠れていた八ヶ岳が一瞬その雄大な姿を見せた。もう風も少し向きを変えた9月。
早朝の中央道に上って2時間と少々、涼を求めてビーナスラインを走りたい。

標高1,400m、蓼科山に抱かれて「白樺湖」気温28°
優美な円錐型の成層火山がなだらかな裾野を広げて美しい。

賑やかだった避暑地も、落ち着きを取り戻しつつある静かな湖畔。

コテージに一人きりで、街に帰った彼女を想って、夏を過ごしたテニスコートを探す。
そんな夏の恋の終わりを感じている人、いそうだなぁ。

 標高1,800m「車山肩」気温24°、ここはニッコウキスゲの群生地だ。
カントリー風の小さな山小屋『ころぼっくるひゅって』で一息つく。

カランっとIced teaの角氷が音を立てて、ウッドデッキのテラス席で涼風に吹かれる。
冷えたグラスの向こうに望むのは遠く浅間山の雄大なシルエットだ。

ヒュッテの代名詞的メニュー “ボルシチ” を熱々の焼きたてパンと一緒に。
トマトソースでホロっと柔らかく煮込んだ牛肉、それに野菜たち、サワークリームを落として美味しい。

標高1,700m「富士見台」気温26°
八ヶ岳の裾野が扇の様に広がって、足元の諏訪盆地そして諏訪湖へと流れる。
なだらかな草原の先に絶景を展開するはずの南アルプスの峰々と富士山は雲に阻まれて見えない。

車山肩から霧ヶ峰へ、ヘアピンを2つ重ねて高度を下げていくのは「天国ロード」だ。
爽快な風に吹かれながら、左にそして右にZを倒し込む。このワインディングが楽しい。

標高2,000m「美しの塔」気温24°
霧ヶ峰交差点を右手にとって、ビーナスラインは県道40号から194号へと乗り換える。
和田峠、扉峠を越え、最後に見上げるかのような九十九折りを登るとビーナスラインの旅は終わる。

山本小屋から少し歩いてみる。
カランコロンっと乾いた鐘の音、「美しの塔」は美ヶ原のシンボルだ。
背景には屏風のように北アルプスの頂たちが連なりを見せている。 

標高820m「中山道和田宿」気温33°
ビーナスラインを走破したのち、野ノ入川の谷、県道178号を下りる。
インジケーターの気温計を見るまでもなく、ジャケットにまとわりつく空気が重くなってくる。
風が少し向きを変え、空の青も彩りを変えつつある9月、高原のワインディングを秋の風を感じて走った。
それでも下界ではもう少しだけ、この狂ったような暑さと折り合いをつけないといけない。

<40年前に街で流れたJ-POP>
夏の行方 / 稲垣潤一 1983


風を感じて! 天空の湖とZとノゾリカンゾウと

2023-07-22 | 単車でGO!

連休最終日も猛暑日になると昨夜のニュースが伝えていた。
それならば一度訪ねてみたかった「天空の湖」をめざそうとZを起こす。
北へ向かう高速道路は渋滞もなく、インターチェンジを降りたらR353〜R145をひたすら西へと走らせる。

谷が急に狭まる吾妻峡、っと目の前に巨大な構造物が出現、政権交代した頃に有名になったアレだ。
ひんやりとした堤体の中のエレベーターで下に降りる。とにかく大きい。
放水口から勢いよく吐き出された水は狭隘なV字谷を落ちていく。まさにこの場所しかないなぁ。

ふんわりと涼しげに盛り上がった “氷” もベンチに運ぶまですっかり萎れてしまった。
ボクの世代ではまさに「水銀柱がうなぎのぼり」の朝なのだ。

長野原草津口から右に折れてR292、今度はこの道が果てるまで北へ北へと高度を上げていく。
途中、旧太子(おおし)駅でひと休み。ホームやホッパー跡を復元した産業遺構を見ることができる。
終戦の年に開通した国鉄長野原線太子支線(当時は日本鋼管専用線)は、鉄鉱石を京浜工業地帯へと運んだ。

国道番号を示す “おにぎり” が、いつの間にか405に代わっている。センターラインも無くなった。
“アナベル” というのかな?真っ白で玉のような紫陽花が咲いている最果てへの道が美しい。

スッと涼風が渡る。空気が高原のそれに変わった。っと視界は突然に開けるのだ。
2,000m級の山々はなだらかな裾を碧々とした水辺に浸し、その斜面には “ノゾリキスゲ” の橙が揺れている。
まさに「天空の湖」だね。都心からわずか3時間の別世界なのだ。

野反湖には周遊ハイキングコースが整備されている。
初心者〜中級者向けのコースだというから、上信越の山々と可憐な花々を眺めながら歩いたら楽しいだろう。

主演の “ノゾリキスゲ” が気高く美しく、
脇を固める “ハクサンフウロ” の薄紫、“オトギリソウ” の黄色も清々しくキレイだ。

左手に見え隠れする碧い水面を見ながら、Zはシラカバの林を北上する。どこまでも爽やかな高原の道だ。

野反ダムの堤頂でR405は突然に途切れる。ここまでくると天空の湖はさらに碧を深くしている。
ここから落ちる水は中津川となり、ほどなく長野県に入り秋山郷を経て信濃川へ注ぐ。
ここより先はクルマはもちろんZも進めない果てなのだ。

野反湖に上る途中で見つけた「六合 野のや」は山奥にただ一軒のそば処だ。
たいして美味しくないのは分かっていても、ぷはーとノンアルで喉を潤す。これはすでにお約束だ。

そして “きのこ三昧そば” 登場。
まるで小ぶりのキャベツのような “まいたけ天”、塩をふって肉厚でプリプリの食感を楽しむ。
舞茸やしめじがたっぷり入った熱々の汁(胡麻が利いている?) に、打ち立ての二八をつけてズズッと。
んっこれは美味い。辺りを気にせず音を立てて啜ってしまう。ここの蕎麦はお奨めです。

午前中に帰路につく理想的な展開の夏ツーリング、新調したメッシュのジャケットが快適なのだ。

<40年前に街で流れたjazz fusion>
君はハリケーン  / The Square 1983


風を感じて! 天空のポピーとZと鬼うどん

2023-06-24 | 単車でGO!

ZはR254をひたすら北上し、東武東上線の急行の終点小川町で左に折れる。
槻川に沿ったワインディングを楽しむうちに、関東平野と秩父盆地を分つ尾根筋に駆け上がるのだ。

標高500m、尾根筋まで続く広大な斜面で約1,000万本のポピーが涼風に揺れている。
決して溶け合うことのないポピーの赤と、澄んだ空の青のコントラストが美しい。

カランカランと鐘の音が響いて秩父高原牧場、見下ろすのは “あついぞ!熊谷” あたりか。
仔牛や羊が遊ぶ放牧地に子どもたちの歓声が聞こえる。

お嬢さんたちの真似をして、右手のスマホで撮ろうと思うが、なかなか上手くいかない。
そうこうしているうちに濃厚なミルクが指に絡んでくる。口を窄めて冷たいソフトクリームが美味しい。

尾根を越えるピークは天空の展望台、東に関東平野、西に秩父の山々を眺める。

ひとつふたつとカーブに身体を合わせると、突然、視界いっぱいに赤が広がる。
ところどころにピンクやオレンジを従えて、赤いシャーレーポピーが彩る牧草地はまさに天空の楽園。

槻川の谷まで降りて、今度は県道11号を定峰峠へと登っていく。
この峠はヒルクライムの入門的なコースらしく、多くのロードバイクとすれ違う。

走り屋の若者たちを描いたアニメ「頭文字D」の聖地に、名物「定峰峠の鬼うどん」がある。
っとタイガーカラーのZが停まっている。なんだか嬉しい。

冷たい麦茶を飲みながら10〜15分、本格手打うどんの茹で上がりを待つ田舎家での時間を愉しんで、
ゴボウ、ニンジン、おろし大根、かつおぶし、天かすを満載して “きんぴらからみ鬼うどん” が美味しい。

涼しい早朝に発ってワインディングを走り、ご当地グルメを楽しんだら、昼下がりには帰路につく。
夏のツーリングは始まったばかりなのだ。

<40年前に街で流れたjazz fusion>
Hello Goodbye / The Square 1983


風を感じて! 芝桜とZと田舎そばと

2023-05-06 | 単車でGO!

この頃の飯能から秩父へと抜けるR299沿線には山藤が咲いている。
薄紫のカーテンを潜りながら、ワインディングをしなやかに走り抜けるのは気持ちがいい。

秩父のシンボル武甲山(1,304m)を背景に羊山丘陵では芝桜のパッチワークが華やかだ。
まだ明けやらぬうち、ランナーの姿も見えない街を抜け出してきた。

濃いピンクは大輪の “マックダニエルクッション”、淡いピンクは “オータムローズ”。
先週の雨で少し元気がないかな。
明るいホワイトは “モンブラン”、今が盛りと純白の絨毯を広げていたね。

秩父の春を彩る羊山公園の芝桜、10品種40万株が咲き誇り、多くの観光客が訪れる。
今年はちょっと見ごろが早かった様だね。

秩父からはR140で荒川渓谷を遡る。やはり彼方此方で山藤がアクセントになっている。
対岸に三峰口の駅が見えたら、贄川交差点を右に折れる。
すれ違い不可の狭いトンネルを潜った先の集落に、小さなそば処を見つけた。

不揃いで太い田舎そばには、蕎麦殻の黒い星が点々と瞬いて、んっ良い感じだね。
摺りたてのくるみ汁をつけて、まずはズズッと一口、ほんのり甘くて美味。
天ぷらは、しし唐、えのき茸、大葉、おいも、かき揚げにはえびが入ってなかなかボリューミーだ。

荒川が削る渓谷はますます狭く深くなる。
大滝温泉から二又に分かれる秩父往還は左を択ぶと、やがて目の前に二瀬ダムのアーチが姿を現す。
弧を描く堤頂の道路を走る。秩父湖の碧い水面に吸い込まれそうになるね。

二瀬ダムからいくつかのつづらを折って標高1,100m、関東屈指のパワースポット三峯神社まで登ってきた。
単車で訪ねるのはすでに3度目だけど、東京近郊からはほどよいツーリングのディスティネーションだ。

狛犬ならぬオオカミに迎えられて随身門を潜る。
秩父山はかつてオオカミの生息地、この一帯にはオオカミを祀る神社は多い。
右から左から恐ろしいオオカミに睨まれて、いよいよ身が引き締まる思いになるのだ。

樹齢800年を超えるご神木のあいだに、極彩色の拝殿が見えてきた。
三峯神社は日本武尊が東征の折、伊弉諾尊(いざなぎ)・伊弉册尊(いざなみ)をお祀りしたのが始まりと伝わる。

奥宮は妙法ヶ岳(1,332m)の山頂に鎮座するので遥拝殿から手を合わせる。
ここからは遥か下界を一望し、雲海が見られる人気のスポットでもある。

新緑のトンネルから溢れてくる陽射しを背に受けて山を下る。
カーブを曲がるたび、トンネルを抜けるたび、ピークを越えるたびに変化する風を感じて、
これから暫くは単車でゆく旅が愉しい。

<40年前に街で流れたJ-POP>
ラブストーリーはこれから / ハイ・ファイ・セット 1983 


風を感じて! 空と海とネモフィラと

2023-05-03 | 単車でGO!

インターチェンジを降りたら真っ先に海岸に向かう。
ヘルメットを脱ぐ前から潮の香りがくすぐる。
「ワイキキともサンタモニカとも違うわ」
• • • 少なくともキミと行ったことはない。

確かに、どちらかというと磯の香りだね。
それでも信州育ちのボクには、胸が高なる香りにかわりない。

 丘一面に広がる可憐な “青” が風に揺れている。この頃の海からの風は案外冷たい。
「いまが見ごろみたいね」とせがまれて、早朝のEXPWAYを駆け上った。

小径をゆくと朝陽を浴びて菜の花がそよいでいる。
「ねぇ、ありんこがたくさん」時折り少女みたいなことを口にする。
しなやかな指先を追うと、黄色い地平の先に “青” が広がって、なるほど花と空をありんこが分けている。

「私たちもありんこになりましょ」ボクの左手を優しくひっぱる。
さっきの小さな嫉妬はいつしか忘れてしまった。

空の “青” が降り注いだのか、ネモフィラの “青” が沁みたのか、花と空が溶け合っている。
長い黒髪を風になびかせて「見たかったの」とひとこと。

海岸線をグルージングして大洗港、ちょうど埠頭に苫小牧行きフェリーが停泊している。
「これに乗ったらいけるのね、北海道」
返事に窮したボク、少し頬を膨らませている。

少し町を巡ってみる。

空を映してマリンタワーの “青” が深い。
波を蹴立てて巨大カジキマグロの背がキラリと煌めく。

アクアワールドにはイルカのオブジェ
恋人たちは “出会いの鐘” を鳴らして、ハート型の愛の鍵をかけていく。

沖に “青” を浮かべて、貨物船がゆっくりと滑っていく。
どこから来たのだろう、仙台、室蘭それとも苫小牧?

「いつか走ろう、北海道、きっと」
横顔がコクリと頷いたような気がする。さぁ帰ろう。西陽を追いかけて。

<40年前に街で流れたJ-POP>
SUMMER SUSPICION / 杉山清貴&オメガトライブ 1983


風を感じて! 秩父神社とZと豚みそ丼と

2023-03-15 | 単車でGO!

 暖かい週末でしたね。ほぼ4か月ぶりにZのシートを脱がして、そろそろ呑まない旅も始めようか。

春霞に朧な武甲山と町並み、R299のワインディングを駆けて秩父までやってきた。

秩父の町並みを見下ろすミューズパークの梅園に600本が咲き誇って梅の香に包まれる。

高台に旧い酒蔵の建物を移築した風情ある「ちんばた」がある。秩父まで走ったら “豚みそ丼” が食べたい。
自家製合わせ味噌に漬けた豚肉をじっくり炭火で焼き上げて、香ばしく旨みたっぷり柔らかい豚肉が美味しい。

知知夫国の総鎮守「秩父神社」を訪ねる。御本殿は天正20年、徳川家康公の寄進により建造されたと伝えられる。

御本殿の四方を飾る、子宝子育ての虎、お元気三猿、北辰の梟、つなぎの龍、極彩色の彫刻が美しい。

復路はR140、岩畳・秩父赤壁・虎岩など岩間を緩やかな流れる長瀞渓谷を眺めてZは荒川を下る。
何かと気忙しい年度末の日常からEscape、風とひとつになれる季節がやってくる。

<40年前に街で流れたJ-POP>
エスケイプ / 稲垣潤 1983


風を感じて! わたらせ渓谷紅葉とZと十割蕎麦と

2022-11-23 | 単車でGO!

 快晴の土曜日、ちょっと寝坊して8時前にZのシートカバーを剥がす。久しぶりだね。
単車で走るなら断然高速よりも一般道の方が楽しい。R 17を北上してバイパス上部道路をクルージング。
世良田インターを降りたら、あとは県道69号線でわたらせ渓谷までまっしぐらだ。

大間々の高津戸峡、狭隘な渓谷に両岸から覆いかぶさるような紅葉の紅や朱そして黄色が美しい。

渓谷をさらに遡る。右へ左へ緩やかに登るワインディングが楽しい。いつしかボクらは草木ダムの堤頂へ。

ダム底へと続く細道を降りてみた。堤高140mの巨大コンクリート構造物はさすがに迫力があるね。
左右から迫る山々の紅や黄色に囲まれて、白い壁がずいぶんと弱々しくなった陽を反射している。

草木橋の袂の蕎麦処も錦秋の中、真っ赤なモミジに隠れた古民家に「新そば」の札が掛かっている。

ぼそぼそっと十割蕎麦、さっと汁に浸してズズッと一気に啜る。濃密な香りとともに新そばが美味しい。
モミジ、ぎんなん、まいたけ、天盛りの中にも秋が散りばめられて、ちょっと遅めのランチが楽しいのだ。

わたらせ渓谷鐵道(旧足尾線)の沢入駅付近にやってきた。撮り鉄氏が三脚を構えている。何か来るのかな。
甲高い警笛一声、ディーゼル機関車が牽くトロッコ列車がおっとりやってきた。なるほど車両も錦秋だ。

見頃を終えた山々が枯れるのを待っている。渇水期の低い湖面と相まってなんだか寂しげだ。
もう少し走ると峠を越えて日光に抜けるのだけれどすでに時間を費やした。この辺で踵をめぐらす。
帰る頃には真っ暗だなぁ。ジャケットのジッパーをいっぱいに引き上げて、西陽に向かう駆り人なのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
On My Way / 安全地帯 1982


風を感じて! 名栗湖紅葉とZと肉汁そばと

2022-11-09 | 単車でGO!

真新しいライディングジャケットを羽織って名栗湖まで走った。見上げる空には澄んだ「青」が広がる。
入間川を遡る県道はご機嫌なワインディングだ。大きなカーブから立ち上がるごとに黄や橙が濃くなっていく。

名栗湖と上流の有間渓谷沿いは見頃まであと少し?それでも所々でモミジが湖面に朱を映している。

名栗渓谷の「鳥居観音」も紅葉のビューポイント、北野武監督の「Dolls」のロケ地でもある。
白雲山に点在する白亜の建造物と真紅に染まった紅葉のコラボレーションはなかなかの見応えだ。

最奥の救世大観音までの山道は、モミジやらカエデやらが色付き、緑から黄・橙・紅へのグラデーション。

玄奘三蔵塔とモミジ、フレームの中に白亜と真紅がピタリと収まって、なかなか美しいのだ。

渓谷のせせらぎを見下ろす「花廼家」さんに立ち寄る。同年輩のバイク乗りが3人偶然に居合わせる。
連んで走るのは好みではないけれど、ライダー同士の情報交換は楽しい。そばを待つ間も退屈することはない。
ひと足先にボクの “肉汁そば” が登場、太さがまばらな田舎そばを温かい旨汁に浸してズズッと美味しい。

色づく渓谷をクルージングしてワインディングを緩やかに下りていく。ビックバイクのトルクを楽しむ瞬間だ。
2年ぶりの「飯能まつり」に熱く湧く市街地をpassして東へと帰る。次の週末は?、秋のツーリングが愉しい。

<40年前に街で流れたJ-POP>
スターダスト・キッズ / 佐野元春 1982